オフライン広告の間接効果を可視化し、TVCMとデジタル施策の最適な予算配分を実現
編集部
最先端のテクノロジーとノウハウでマーケティングを成功に導く国内最大のマーケティングイベント「マーケティング・テクノロジーフェア(MTF)2018」が今年も東京ビッグサイト(2月13日、14日)にて開催。数あるセミナーの中から、株式会社サイカ 代表取締役CEO 平尾喜昭氏(写真トップ)が行った「60日でできるTVCMとデジタル施策の最適な予算配分~広告宣伝費トップ100社の1割が実践する3つのポイント~」をレポートする。
■TVCMやデジタル施策を統合的に分析するマーケティング
広告手法の多様化が進む昨今、「予算を投入すべき最適な広告手法を如何に選択するか」は、企業のマーケティング活動における最重要課題の1つである。しかし、テレビCMなどのオフライン広告の場合、その効果が計測できないといった悩みを抱えている企業は多いのでなかろうか。
このセッションでは、同社が販売するツール「XICA magellan(以下、マゼラン)」を使った事例が紹介された。これは、オンライン広告はじめ、テレビ・ラジオ・雑誌といったオフライン広告、ソーシャルメディアや動画を活用したマーケティング、そしてPR、競合の動向、天候といった要因をも統合し、消費者が製品・サービス情報に触れるあらゆるコンタクトポイントを分析することで、俯瞰的にマーケティング活動の成果や課題を把握できるマーケティングツール。すなわち、広告の直接効果と間接効果を可視化、数値化することで、TVCMとデジタル広告の最適な予算配分を実現。意思決定が必要なマーケターや経営者をサポートする役割を担うのだそう。
平尾氏は、このツールを使うことで、「“テレビCMを1億円出稿すると、売上に対して直接効果が5億円あり、検索広告やその他SNS広告にも波及して間接効果が2億円ある。また、相性の良いデジタル広告は検索広告とTwitterである”と広告の効果を数値化し具体的に説明できるようになる」とし、具体的な成功事例を紹介した。
■TVCMの効果測定により売上UP!大手化粧品メーカーの成功事例
大手化粧品メーカーA社の導入事例によると、TVCMが生み出した購入数を数値化、分析したことで、最新のマーケット状況においてTVCMは購買増加に有効であると判断。次四半期のTVCM再出稿を提案した。加えて、TVCMを最大限活用するメディアミックスの把握では、ブランド訴求のCMは動画広告の方が購買に結び付きやすく、機能訴求のCMに関しては即座の検索を経て、ECサイトでの購買に連動していることが判明した。結果、ブランド訴求系のCM出稿の際には、認知系のWEB施策もあわせて強化し、機能訴求系のCM出稿の際には、SEM・SEOもあわせて強化するといった提案をなし、導入から1年で、店舗購買数は6%上昇、ECサイトの購買数は13%の上昇、ならびにCAPは5%の減少につながったという。
平尾氏は、上記の事例を下記のようにまとめた。
cookieベースの分析では、TVCMを見た人がどれだけ検索をしてWebサイトを訪れたのかを直接評価することはできないが、マゼランでは数値データ同士の関係性(=相関)を利用し、オフライン・オンラインを横断した施策の評価が可能になるため、KPIや施策の設定、広告予算の統合的な最適配分ならびに最適予算を基にした予実管理までを導けるのが特徴だ。
■マーケティング施策での意思決定をサポート
これまで可視化、数値化できなかったオフライン広告や動画広告といったデジタル広告の間接効果が見えれば、TVCMやデジタル広告の出稿に関しても、意思決定がしやすくなるのは言うまでもない。TVCMの広告効果が大きいかを実証するための1つのツールとしての活用が、今後期待されるのではなかろうか。