1位はテレビ朝日『フォレスト』!2025年1月クール冬ドラマ「初回放送注目度ランキング」を発表
編集部
REVISIO株式会社(以下、REVISIO)は、2025年1月にスタートした冬ドラマについて、初回放送の注目度ランキングを作成し人気の傾向を分析した。注目度が高いとは、テレビの前の視聴者がくぎづけになっていたことを表す。
なお分析は、家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「アテンション(注視)」を測る方法で行われた。
※全てのドラマが対象ではない。
■冬ドラマ初回放送注目度1位はテレビ朝日『フォレスト』
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2025年の冬ドラマ初回放送注目度1位を獲得したのは、テレビ朝日『フォレスト』だった。2位にはNHKの『東京サラダボウル』がランクイン。両番組とも世帯視聴率は振るわなかったものの、見た人をくぎづけにする視聴の質の高さで上位を獲得した。
個人全体注目度の数値は、1位の『フォレスト』が69.5%、2位の『東京サラダボウル』が64.7%、3位の『プライベートバンカー』が63.5%だった。
上位2番組がいずれも個人全体注目度70%超えを記録した前クールと比較すると、やや低調だった感じは否めない。しかし、今回の上位3番組はいずれも男性注目度または女性注目度で上位を獲得しており、番組のターゲット層に「刺さる」内容だったといえるだろう。
次項からは、上位3番組の注目度データをもとに、それぞれ視聴者の注目を集めたポイントを読み解いていく。
個人全体ランキング トップ3をピックアップ
■1位:テレビ朝日『フォレスト』
出演:比嘉愛未、岩田剛典、松田美由紀、ファーストサマーウイカ、中川大輔、堀部圭亮、森田甘路、水野美紀 他
個人全体の注目度:69.5%
恋人同士である男女それぞれが抱える「嘘」と「真実」を描いたラブサスペンス。女性注目度・コア視聴層の注目度で1位、男性注目度でも3位を獲得し、年齢・性別問わず幅広い層の視聴者をくぎづけにした。
フラワーギフト会社で働く幾島楓(比嘉愛未)と、クリーニング店を営む一ノ瀬純(岩田剛典)は、同棲してまもなく1年を迎える恋人同士。平凡ながらも幸せな毎日を送る2人だが、実はお互いに「嘘」をついている。その嘘が明らかになるにつれ、2人の関係が少しずつ綻び始めるーーというストーリー。
第1話では、純に「家族はいない」と言っていた楓が、実はホテルグループを経営する幾島鈴子(松田美由紀)の一人娘であることが明らかになった。楓は幼い頃から鈴子に支配され続けており、3年前に家を飛び出して以来絶縁状態だった。しかし鈴子の策略にはまり、実家に呼び出されてしまう。
次期社長になりなさいという鈴子からの命令を突っぱね、純との幸せな日常に戻ろうとする楓。しかしその傍らで、純も少しずつ不審な動きを見せ始める。
一見、優しく誠実で完璧な恋人であるように見える純が、実は楓に隠し事をしているーーそんな不穏な雰囲気に、一気に引き込まれた視聴者が多かったのだろう。高い注目度からは、テレビの前の視聴者がハラハラさせられるストーリーに夢中になった様子が伺える。
物語は、そろそろ後半戦。これまでの謎が解き明かされていく展開となるだろう。うまく伏線を回収し、視聴者を納得させる結末を迎えられるのかどうか、今後の視聴質データの推移にも注目したい。
■2位:NHK『東京サラダボウル』
出演:奈緒、松田龍平、中村蒼、中川大輔、皆川猿時、武田玲奈、イモトアヤコ 他
個人全体の注目度:64.7%
緑色の髪をした警察官・鴻田麻里(奈緒)と、ワケあり中国語通訳人・有木野了(松田龍平)が、外国人にまつわる事件に向き合う社会派エンターテインメント。個人全体注目度で64.7%を記録し、見事2位にランクインした。
人気漫画「クロサギ」の作者である黒丸の「東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー」を原作とする本作品は、70万人の外国人が暮らす東京が舞台。刑事と通訳人の目線で、異国で生きる人々の葛藤に出会い、日本社会からこぼれ落ちそうな人生を拾い上げていく姿が描かれている。
第1話では、鴻田と有木野の出会い、そして2人が協力して失踪した中国人女性を探し出し、事件を解決するというストーリーが描かれた。
この作品は特に女性からの注目度が高く、67.0%という高い数値を記録しています。奈緒演じる鴻田麻里の「緑髪」という独特な風貌や、強引ながらも優しい目線で人々に寄り添う、人情味あふれるキャラクターが女性に支持された要因ではないか。
この「ドラマ10」という放送枠は、「40~50代の女性をひきつけるドラマ」をコンセプトにスタートした。これまでも数々の話題作を生んできたが、今クールも多くの女性がひきつけられたことが、視聴質データから読み取れる。このドラマ枠がターゲットとしている層に、見事刺さった結果といえるだろう。
また、このドラマの隠れた見どころともいえるのが、毎話登場する「異国料理」。SNS上でも料理のシーンを楽しみにしている視聴者が多いようで、「珍しい料理の飯テロ」「出てくる料理が毎回おいしそう」との声が多数挙がっている。
移民問題や外国人による犯罪が話題に上ることも多いこの時代に、このドラマを制作しようと決めたNHKの意気込みはさすがといえる。ストーリーを楽しみつつ社会問題について考えるきっかけを与えてくれる、NHKらしい良質なドラマなだけに、この先も多くの視聴者の関心を集めるだろう。
■テレビ朝日:『プライベートバンカー』
出演:唐沢寿明、鈴木保奈美、夏木マリ、橋爪功、上杉柊平、吹越満、土屋アンナ 他
個人全体の注目度:63.5%
個人全体注目度ランキング、3位にランクインしたのはテレビ朝日『プライベートバンカー』だった。唐沢寿明演じる凄腕のプライベートバンカー・庵野甲一が、金融知識を武器に大富豪の資産を守る、痛快マネーサスペンスドラマとなっている。
プライベートバンカーとは、富裕層の資産管理を行うスペシャリストで、顧客一人ひとりにで専属でつき、資産運用や相続計画などをサポートする職業。ドラマ内の架空の職業かと思いきや、なんと実在する職業だという。
「マネーサスペンス」という、これまでありそうでなかった設定が特に男性視聴者の心を掴んだようだった。女性の注目度は61.9%で10位だった一方、男性注目度は65.1%で1位を獲得。男性の注目度の高さが全体での順位を引き上げる結果となった。世帯視聴率も7.4%で2位を獲得しており、視聴者の期待値が高かったことが伺える。
また、本作品は豪華なキャスティングも話題になった。主演の唐沢寿明と鈴木保奈美は、1992年の大ヒットドラマ『愛という名のもとに』(フジテレビ系)以来、地上波ではなんと33年ぶりの共演。夏木マリ、橋爪功といった大御所俳優が脇を固め、重厚なドラマを期待する視聴者も多かったことだろう。
さらに第1話の冒頭では、ZOZOの創業者である前澤友作が本人役としてプライベートジェットで登場し、SNSでは「まさかの本人」「違和感なさ過ぎてすごい」と大きな盛り上がりを見せていた。
物語は後半に差し掛かっており、天宮寺家の相続バトルはますます白熱している。緊張感が高まる展開に、今後も目が離せなくなる視聴者が多いだろう。
バラエティ豊かな作品が揃った2025年冬ドラマ。TVerで第1話~第3話までと最新話が見られるほか、NetflixやAmazon Prime Video、Huluなどで全話配信中の番組もある。
REVISIOの視聴質ブログでは本ランキングについてのより詳細な分析を公開している。
▼視聴質ブログの冬ドラマ分析はこちら
https://revisio.co.jp/blog/S2kiFian
■テレビ番組の視聴率・注目度を無料でチェック!視聴データ公開サイト「RE.Source」
REVISIOの視聴データ公開サイト「RE.Source」では、過去1週間の関東・関西地域での地上波6局7チャンネルの世帯視聴率・注目度を毎日更新中。誰でも無料で視聴可能(名前とメールアドレスの登録が必要)。冬ドラマの最新視聴率・注目度はこちらから確認できる。
▼最新の視聴率・注目度はこちらから
https://rating.revisio.co.jp/
REVISIOでは、視聴者がテレビに目線をどれだけ向けたかという視聴データを毎秒で、独自に取得している。
■今回分析に利用した指標について
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注目度とは、テレビの前にいる人(滞在者)のうち、テレビ画面に視線を向けていた人(注視者)の割合を表す。シーンに注目している度合いが分かる。