REVISIO、モキュメンタリー『イシナガキクエを探しています』の視聴質データで人気の傾向を分析
編集部
家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「注視」を測るREVISIO株式会社(以下、REVISIO)は、話題のモキュメンタリー番組『イシナガキクエを探しています』(テレビ東京/4月29日0:30~、5月10日・17日1:53~)についてREVISIOの視聴質データを基に、人気の傾向を分析した。
■最近話題の「モキュメンタリー」とは?
テレビ東京で4月29日(月・祝)の深夜に放送をスタートし、大きな話題を呼んだ『イシナガキクエを探しています』。「イシナガキクエ」という55年前に失踪した女性を探すための特別公開捜査番組として放送されたこの番組は、テレビ東京が仕掛ける新しいジャンルのホラー作品として注目を集めた。
虚構の物語を事実のように伝えるドキュメンタリー風に構成する映像手法を、「モキュメンタリー(モック(擬似)+ドキュメンタリーの造語)」と呼ぶ。モキュメンタリーは、ドキュメンタリーのスタイルを取り入れつつ、フィクションであることを前提とし、視聴者に新たなエンターテイメント体験を提供する。
近年、インターネット上ではモキュメンタリーホラーが大きなブームとなっている。『イシナガキクエを探しています』は、まさにこのモキュメンタリー形式を採用することで、視聴者に新鮮な驚きと没入感を提供することに成功していると言える。
TVerで『イシナガキクエを探しています』を見る(5月31日(金)23:59 終了予定)
■「イシナガキクエを探しています」をREVISIOデータで分析してみた
REVISIOのデータによると、『イシナガキクエを探しています』全3回の平均注目度は62.3%という深夜帯の番組としては非常に高い数値を記録した。
これは、2024年の民放5局の深夜帯(23~25時)の平均注目度と比較して8.6%も高く、さらにプライム帯(19~22時)の平均注目度をも3.7%上回る結果となっている。
この数字は、深夜の時間帯であっても、いかに視聴者がこの番組にくぎづけになっていたかを如実に物語っている。
■モキュメンタリーでわかるテレビコンテンツの質の高さ
深夜帯という時間の制約があるにもかかわらず、『イシナガキクエを探しています』は極めて高い視聴質を実現した。地上波テレビの視聴率低下という逆境の中で、テレビ局が攻めの姿勢を見せ、優秀なクリエイターを起用して意欲的に新しいことにチャレンジしたことが、質の高いコンテンツを生み出す結果につながった。そして、そのようなコンテンツは、テレビ放送だけでなく、配信でも視聴数を伸ばすという好循環を生み出す可能性を秘めている。
『イシナガキクエを探しています』は、テレビの新しい可能性を感じさせる番組だった。現実とフィクションが交錯する不思議な体験を、私たちはこれからも存分に楽しむことができるはず。テレビコンテンツのポテンシャルは無限大となっている。クリエイターたちの挑戦と、視聴者の期待に応える努力が、テレビの新たな時代を築いていくことに期待感しかない。
REVISIO視聴質ブログでは、より詳細な考察と分析を見れる。
■今回分析に利用した指標について
※注目度とは?
テレビの前にいる人(滞在者)のうち、テレビ画面に視線を向けていた人(注視者)の割合を表します。シーンに注目している度合いがわかる。