OHK、卓球で初の手話実況付き生中継「Tリーグ 2024-2025シーズン 岡山リベッツvs金沢ポート」
編集部
岡山リベッツ白神監督・田添選手から手話でメッセージ!
岡山放送株式会社(以下、OHK)は11月4日、イオンモール岡山で開催される「Tリーグ 2024-2025シーズン 岡山リベッツvs金沢ポート」を手話実況付きで生中継する。誰もが当たり前にスポーツ観戦を楽しめる環境を創出しようと地上波放送を実施。約2時間全編にわたり、ろう者のMCがリアルタイムで手話実況を行う。
岡山放送、手話放送普及の取り組み“岡山モデル”とは?~さらなる情報バリアフリーを目指して~
■卓球での手話実況は初
OHKはこれまで自動車競技(カーレース、ラリー)、マラソン、サッカー、バスケットボール、バドミントンで手話実況を実施してきたが、今回初となる卓球では岡山リベッツと協力し、手話実況付き生中継を放送する。手話は聴覚に障がいのある人にとっての言語で、情報を的確に伝えるコミュニケーション手段だが、ろう者自身が言葉の意味をくみ取り具体的に表現する手の動きや表情も含めた手話実況は、スピード感や臨場感にあふれている。障がいの有無に関わらず、卓球競技の魅力を体感してもらう機会となる。
■デフアスリートの早瀬憲太郎が手話実況を担当
当日の手話実況は、OHKが主催する「OHK手話実況アカデミー」に所属するろう者で自身もアスリートの早瀬憲太郎と3人のコネクター(手話通訳者)、そしてOHKの3者がタッグを組み、世界最高峰を掲げるTリーグの公式試合を伝える。世界トップレベルの選手が所属するリーグ公式戦に手話実況を付けることで、卓球ファンや競技者を増やし、裾野を広げることを目指す。
■手話実況に向けた3つの準備
手話実況中継に向け、チームと協力し3つの準備を行っている。1つ目はチーム名「岡山リベッツ」を表す手話表現を、チーム名の由来や思いなどを取り入れながら選手とろう者が協力して考案すること。2つ目は選手が手話で観戦を呼び掛ける動画の制作(https://x.gd/dSwV5)。そして3つ目が声援と手話を交えた「岡山リベッツ オリジナル応援手話コール」の開発。卓球では選手と観客の距離が近いため、会場にいるサポーターの応援が試合の臨場感を高める要素となる。今回の試合会場では、聴者とろう者がともに観戦し、それぞれの言語で感情のこもった応援をするという新しいイベント体験を創出する。
■今回の取り組みについて
今回の公式戦がOHKの放送スタジオが入るイオンモール岡山で開催されることから、OHKは、この取り組みをイオンモール岡山館内に新しい回遊を創り出すチャレンジと位置付けている。公式戦が行われる1階の未来スクエアから地上波での中継を行い、5階にあるOHKの放送スタジオでは手話実況を実施。来館者は可視化されたスタジオからガラス越しに手話実況が行われるスタジオの様子を見学できる。これらの映像は地上波で放送されるだけでなく、イオンモール岡山館内放送「haremachi TV」でリアルタイムに放映され、館内の全フロアに設置された約50か所のサイネージから視聴可能となる。
今回の取り組みは単なる情報発信にとどまらず、映像や新しい応援スタイルによって館内を有機的に結ぶ。さらに、放送を通じて多様な人がスポーツの興奮や感動をリアルタイムに共有できる環境を提供する。OHKは、今後もスポーツ分野におけるアクセシビリティ体験の、より一層の充実を図っていくという。
■概要
▼番組名
『明石スクールユニフォームカンパニー プレゼンツ Tリーグ 岡山リベッツvs金沢ポート』
▼放送日時
2024年11月4日(月・休)14時45分~16時50分
▼解説
小林哲平(男子ホープスナショナルチーム コーチ)
▼実況
岸下恵介(OHKアナウンサー)
▼ベンチリポーター
佐藤樹里(OHKアナウンサー)
▼手話実況
早瀬憲太郎(自転車競技デフアスリート、OHK手話実況アカデミー)