主演男優賞は草なぎ剛、主演女優賞は石橋静河が受賞!『VIVANT』が連続ドラマ部門の作品賞でグランプリ「東京ドラマアウォード2024」授賞式
編集部
国内の優れたドラマ作品を表彰する「東京ドラマアウォード2024」の授賞式が28日、都内で行われ、草なぎ剛 、石橋静河、若葉竜也、内田有紀らが出席。堺雅人が主演した『VIVANT』(TBS)が連続ドラマ部門の作品賞でグランプリに輝いた。
■主演男優賞は草なぎ剛、主演女優賞は石橋静河が受賞
作品の質の高さだけではなく、“市場性”、“商業性”にスポットをあて、“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと、世界水準で海外に売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰する同アウォード。個人賞では草なぎ剛が『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK)で主演男優賞を、石橋静河が『燕は戻ってこない』(NHK)で主演女優賞を受賞した。助演男優賞は若葉竜也が『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ)で、助演女優賞は内田有紀が『燕は戻ってこない』(NHK)でそれぞれ受賞した。
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人が手話通訳士となり、事件を追う社会派ミステリー作品。同作で主演男優賞を受賞した草なぎは、この日司会を務めた三谷幸喜を前に恐縮の表情を浮かべつつトロフィーを受け取り、「心から感謝しています。ドラマっ子なので三谷さんのドラマもたくさん見てきました。会場には昔一緒に仕事をした方もたくさんいて、とても懐かしい気持ちになります」と嬉しそうに受賞の感想を述べる。「人間の大切な気持ちがテレビドラマには散りばめられていると思うのです。僕はテレビドラマで育てられました。テレビドラマが大好きです。今日、この賞をいただいて、いつもと違う喜びが込み上げてきます」とテレビドラマへの思いも語り、「たくさんの皆さんとこれからもいい作品を作り、その中で自分の命を燃やして頑張っていきたい」と今後の役者業への意気込みも語った。
石橋は吉川英治文学賞・毎日芸術賞をW受賞した桐野夏生作品をドラマ化した『燕は戻ってこない』で主演女優賞を受賞した。「私はこのドラマで大石理紀という貧困や差別に苦しむ女性を演じました。この作品は、理紀を“可哀想な人”という小さな枠に収めない描きかたをしていて、そこがすごく好きでした」と作品への感想を述べ、「ドラマ化にあたって、読むと思わず体が動いてしまうような脚本を書いてくださった長田育恵さん。ありがとうございます」と長田や本作に関わった関係者へ感謝の気持ちも述べていた。
助演女優賞も同じく『燕は戻ってこない』に出演した内田が受賞。「素敵な素敵な賞をいただけてありがたいです。賞の重みを感じております」と笑みを浮かべ、「主演の石橋静香ちゃんをはじめ、一丸となってみんなで取り組んだ、代理出産をテーマにした作品でした。桐野夏生さんが書かれた原作は非常にリアリティのある作品で、読むと演じるのでは全然違うなって不安になったりしましたが、皆さんが心強く私を支えてくれ、揺れ動きながらも、思い切り演じることができたと思います。これからも役と寄り添い、一歩一歩俳優として頑張っていきたい」と受賞の喜びを話した。
助演男優賞の若葉も『アンメット ある脳外科医の日記』の撮影を感慨深げに振り返りつつ、「作ってよかった、現場に立っていてよかった。企画、立ち上げから現場のワンカットに至るまで役者、スタッフが納得いくまで話し合って作り上げた作品。心から感謝しています」と笑顔でコメント。「仕事をいただけない頃から好きにやらしてもらって、『自分の個性で戦ってくれたらいいよ』と言ってくれた今の自分の事務所の社長、スタッフ達にも心から感謝しています」と話していた。
主題歌賞は『不適切にもほどがある!』(TBS)のCreepy Nuts「二度寝」が受賞。脚本賞も同作の宮藤官九郎が受賞した。宮藤はビデオメッセージを寄せ、「いろいろな人から攻めた内容と言われましたが、作品を作っているときは割と及び腰でした。僕らのチャレンジ精神を認めていただけて嬉しい」と喜びを語った。演出賞も同作の金子文紀が受賞した。また、ローカル・ドラマ賞では正門良規が主演した『京都のお引越し』(朝日放送テレビ)と、琉球歴史ドラマ『阿麻和利 THE LAST HERO』(琉球放送)が表彰された。
■単発ドラマは『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』、連続ドラマは『VIVANT』がグランプリに
本アウォード連続ドラマ部門の作品賞でグランプリに輝いた堺雅人主演の『VIVANT』(TBS)は「半沢直樹」の福澤克雄が原作・演出を担当したオリジナルドラマ。大手商社「丸菱商事」の乃木憂助(堺)が、誤送金事件の損失130億円を回収するために中央アジア「バルカ共和国」へ向かうというスケールの大きな作品で、モンゴルでのロケや豪華キャストが大きな話題となった。
飯田和孝プロデューサーは「映画を超えるテレビということで、すごく予算もかかっております」と予算面での苦労を吐露。同じく壇上に上がった福澤も「当たらなかったらメタクソに言われる世界。本当に当たって良かった」と本作が評価されたこと、作品がヒットしたことに笑顔で胸を撫で下ろしていた。連続ドラマ部門は『VIVANT』のほか、優秀賞として『舟を編む ~私、辞書つくります~』(NHK)、『燕は戻ってこない』(NHK)、『不適切にもほどがある!』(TBS)、『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ)も受賞した。
単発ドラマ部門はグランプリ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 』(NHK)のほか、『未解決事件 File.10 下山事件』(NHK)、『侵入者たちの晩餐』(日本テレビ)、『ブラック・ジャック』(テレビ朝日)、『生きとし生けるもの』(テレビ東京)、『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』(フジテレビ)が優秀賞を受賞した。
また、特別賞は脚本家、小説家として数々の作品を残した山田太一さんが表彰された。三谷は大先輩の脚本家でもある山田さんに対し、「脚本家の世界で、橋田壽賀子さんは母と言われた。山田太一さんはまさに恩師だと思います。脚本は何をどう書くべきか、脚本家はどう生きるべきかなど、たくさんのことを僕らに教えてくた」と山田さんの功績について話していた。
表彰を終え、日本放送協会の山名啓雄は「このドラマ・アウォードは、世界に見せたいドラマ、海外に売れる可能性のあるドラマを表彰するというのでやっています。今回もコンセプトにふさわしいドラマがたくさん制作され、とても難しい選考でした」と選考を振り返り、「世界に見せたいドラマということで、映えある受賞作、ドラマが今後、一つでも多く世界に届けばいいなと思っております」と表彰作の世界市場への波及にも期待を寄せていた。
東京ドラマアウォード2024 受賞作品・受賞者
■作品賞<連続ドラマ部門>
グランプリ『VIVANT』TBSテレビ
優秀賞『舟を編む ~私、辞書つくります~』日本放送協会
優秀賞『燕は戻ってこない』日本放送協会
優秀賞『不適切にもほどがある!』TBSテレビ
優秀賞『アンメット ある脳外科医の日記』関西テレビ放送
■作品賞<単発ドラマ部門>
グランプリ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』日本放送協会
優秀賞『未解決事件 File.10 下山事件』日本放送協会
優秀賞『侵入者たちの晩餐』日本テレビ放送網
優秀賞『ブラック・ジャック』テレビ朝日
優秀賞『生きとし生けるもの』テレビ東京
優秀賞『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』フジテレビジョン
■ローカル・ドラマ賞
『京都のお引越し』朝日放送テレビ
『琉球歴史ドラマ 阿麻和利 THE LAST HERO』琉球放送
■個人賞
主演男優賞 草なぎ剛『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(日本放送協会)
主演女優賞 石橋静河『燕は戻ってこない』(日本放送協会)
助演男優賞 若葉竜也『アンメット ある脳外科医の日記』(関西テレビ放送)
助演女優賞 内田有紀『燕は戻ってこない』(日本放送協会)
脚本賞 宮藤官九郎『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ)
演出賞 金子文紀『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ)