2022年、コロナ前と比べ “よく寝る”スタイルが定着傾向「MCR/ex」ビデオリサーチ調べ
編集部
株式会社ビデオリサーチ(本社:東京都千代田区)は、withコロナから3年目となる2022年の生活者の状況について、「ACR/ex」(※生活者を「意識」と「利用・購入者」の両側面で捉える日本最大級のマーケティングデータ)として調査した。そのうち、生活者の生活行動を時間軸に沿って調査した「MCR/ex」(※人々の生活実態を1日の流れで捉えることで、生活者の情報接点が把握できるデータパッケージ)より、一部の結果が発表された。生活者の中で定着しつつあるライフスタイルについて、特徴的な傾向があった「睡眠」を中心に、東京50km圏のデータをもとに紹介する。
「起床在宅」「睡眠」時間はコロナ前より長め。起床在宅は減少傾向だが、長い睡眠は定着傾向。睡眠時間「量」は全体的に増加し、外出自粛の有無問わず“よく寝る”ことが習慣化したことがわかった。
長時間の在宅生活は、早寝型、朝ゆっくり起床型、遅寝遅起き型など、“生活リズム”の多様化を促進している。
生活時間の変化
22年6月の基本的な生活行動における平均的時間量は「起床在宅9時間32分」、「睡眠7時間33分」、「外出6時間55分」となっている。行動制限がなかった19年(コロナ前)と比較すると、22年の方が「起床在宅」と「睡眠」が長い。
22年6月は行動制限が解除されていたにもかかわらず「外出」の増加は前年同時期と比べ26分にとどまっており、リモートワークやオンライン生活など、在宅時間をより有意義にする「新しい生活様式」が定着しつつある様子がうかがえる。
「睡眠」については、20年(withコロナ初年度)の18分増加に対して翌年21年はやや減少したものの、22年は3分増加と長い睡眠時間は定着してきている様子。 (上記すべて図表1)
睡眠時間「量」の推移
22年6月の睡眠時間「量」において「男性(451分)」「女性(455分)」と女性が男性を逆転。「女性12-69才」は前年21年より7分増加、19年とくらべると15分増加となり「新しい生活様式」では「睡眠時間」が長めのライフスタイルが継続している。
属性別では「女性20-34才」と「女性50-64才」が前年同時期より10分程度と大きく増加。19年とくらべて増加が大きいのは「男性13-19才(+32分)」「女性50-64才(+23分)」「女性20-34才(+19分)」の順となっている。
若者層において男女で睡眠時間の差が大きくなっており、「13-19才」は男性が女性より26分長く、「20-34才」では女性が男性より21分長いなど、生活時間の使い方が異なっている。 (上記すべて図表2)
2022年6月「朝7時」「夜23時」の睡眠率
睡眠時間量の増加が大きい上位3属性「男性13-19才」「女性20-34才」「女性50-64才」について、「朝7時」と「夜23時」に“寝ている”傾向を見ると、「男性13-19才」の「朝7時」は「睡眠(22年46%)」と21年より6pt減少しているが、同時に「夜23時(22年睡眠率54%)」は前年より12pt増加しており就寝時間が前倒しになっている。
「女性20-34才」は「朝7時」の睡眠率が直近2年連続で5割以上と高く、コロナ前より遅めの朝が定着化してきている傾向。
「女性50-64才」について「朝7時」の睡眠率は年々増加しており、さらに「夜23時」の睡眠率が19年とくらべ8pt増加、前年とくらべても2pt増加と朝と夜にゆとりがあるライフスタイルになっていることがうかがえる。 (上記すべて図表3)
2020年4月に初めて発表された緊急事態宣言から3年目となる2022年6月は、基本的な行動時間の増減幅も小さくなってきており、“新しい生活リズム”が定着傾向にある様子が調査結果から読み取れる。今回は行動制限が長かった東京50km圏での変化に着目したが、そのほかのエリアも地域による傾向の違いがみられ多様化している。
MCR/ex調査概要
調査手法 回答専用タブレットを用いたインターネット調査
対象者抽出方法 ARS(エリア・ランダム・サンプリング)※調査対象者の無作為抽出、インターネット非利用者も含む市場全体を母集団とする設計
調査地区 東京50km圏
調査期間 2022年6月6日(月)―12日(日)
調査対象者 上記調査地区に在住の男女12-69才(7地区)。12才は中学生以上。
調査対象者数