中京テレビ、日本初となる「VR課外授業」を実施 高校2校と大学生がバーチャル空間で一緒に授業
編集部
中京テレビ放送株式会社(名古屋市中村区、以下「中京テレビ」)は、三井物産株式会社(東京都千代田区、以下「三井物産」)、三井物産グループのMoon Creative Lab Inc.と連携し、2021年12月17日に日本初の試みである「VR課外授業」を実施。愛知県立御津高等学校と愛知県立新城有教館高等学校の高校生が、愛知淑徳大学の学生らとともに、バーチャルリアリティー技術を活用したネットワーク上の授業で交流した。
「こんなこと、こんなもの紹介したいな。AICHI! NIPPON!」と題して行われたVR課外授業は、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の中でも重要視されている「デジタル技術を活用した協働学習」や「学校の壁を越えた学習」の実証実験として企画されたもの。今回実施した「VR課外授業」では、日本初の取組みと言える3つの特徴がある。
①地域の高校2校が協力して議論、意見整理、発表までをVR空間内で実施。
②高校という壁を越え、大学生への取材もVR空間内で実施。
③現場の先生に負荷をかけることのない新たな雇用の創出。
まず、地域の高校2校が協力して議論、意見整理、発表までをVR空間内で行ったこと。VR空間で初めて出会う他校の生徒とのグループワークに戸惑いながらも、書記、取材、発表などの役割を生徒自らが分担し、能動的な協働学習に挑戦した。
次に、高校という壁を越え、異なる意見や考えを得るための取材活動もVR空間内で行った点。お題に関して研究実績がある大学生からアドバイスを受けることで、アイデアをブラッシュアップ。これら「デジタル技術を活用した協働学習」や「学校の壁を越えた学習」は、文部科学省が進める「GIGAスクール構想」の中でも、重要視されている取組みだ。
そして、先生ではない新たな働き手(進行役)が議論の支援を行った点が、今回の取組みの特徴として挙げられる。進行役は東京からこのVR空間にアクセスし、高校生に議論のきっかけやヒントを与えることで、現場の先生方に負荷をかけることなく、効果的なグループワークを実現。参加した高校生からは、「楽しかった」「ZOOMだと緊張するが、VRなので自分の意見が言いやすかった」「これならシャイで内気な子でも発言できる」「VRで海外の同級生と繋がりたい」など好感触の意見が多数が聞かれた。
今回実施した「VR課外授業」は、デジタル技術による教育機会の拡充のみならず、教育分野における新たな雇用創出にもつながっているという。このことから、今回の取組みは、政府が掲げる「デジタル田園都市構想」の具体的な施策の一つと位置付けることができそうだ。
御津高校 寺田校長先生の感想
両校の間には、車でないと移動できないほどの距離があることから、生徒同士が日常の学校生活の中で交流することはほぼ不可能です。しかしながらVRを利用することによって、両校の生徒達があたかも同じ教室にいるかのようなリアルな交流をすることができました。時間と距離と状況のハードルを難なく乗り越えることができるVRの、教育上の可能性を強く感じ取ることができました。今後は例えば、小規模な学校の生徒がVRを活用して他の学校の生徒達とつながることで、大規模校の生徒達と同様か、またはそれ以上の豊かな学習活動に取り組むことが期待できるものと思います。人口減少に伴う地域の教育課題に向き合うことが求められる中、VRを活用した教育の可能性を積極的に検討することはとても重要だと感じています。今後も引き続き、学校教育におけるVRの実証に向けて取り組んでいきたいと思います。
「こんなこと、こんなもの紹介したいな。AICHI! NIPPON!」イベント概要
【授業内容】ケニアから高校生が来日。愛知県を満喫してもらうツアープランを考える。
【日時】2021年12月17日(金)15:00~16:30
【参加者】御津高校生徒7名・新城有教館高校生徒6名 愛知淑徳大学学生16名 及び各校の担当教員と関係者
【プラットフォーム】XR CLOUD (エックスアールクラウド)