岡山放送、日本の放送局として初めて国際賞「ゼロ・プロジェクト・アワード」を受賞
編集部
岡山放送株式会社(岡山県岡山市、以下OHK)は、放送活動「手話が語る福祉」など一連の情報のバリアフリー推進活動が評価され、世界中のバリアをなくす取り組みを行っている団体「ゼロ・プロジェクト」(本部:オーストリア・ウィーン)の国際賞「ゼロ・プロジェクト・アワード2022」を受賞した。日本の放送局として同アワードの受賞は初となる。
「ゼロ・プロジェクト」は国連広報省と連携し、国連障害者権利条約の理念に基づきバリアのない世界を目指し活動することを目的に、2008年にオーストリアのエスル財団によって創設。プロジェクトの主要な活動として、毎年「ゼロ・プロジェクト会議」をオーストリアの国際連合ウィーン事務局で開催しており、障害者の生活が向上するために世界中で行われている、革新的な実践や政策の発表および表彰を行っている。
「手話が語る福祉」制作チームは1993年の発足当初より“手話は言語”を理念に、聴覚障害者・手話通訳者・テレビ局の3者で「OHK手話放送委員会」を立ち上げ、的確な手話表現を追求しながら28年間で284回の放送を続け、情報番組やインターネット上で手話表現を紹介したり、手話付きのオリジナル曲を制作するなど活動の幅を広げてきた。
2020年には放送局で初めて「ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」において優秀賞を受賞。今年5月には慶応義塾大学SFC研究所と情報のアクセシビリティに関する共同研究の契約を締結し、学術的な考察も開始。また今年9月23日、国連が定める「手話言語の国際デー」には、ニュースや特別番組での手話放送など、手話への理解や普及を目指す大規模なキャンペーンを実施し、手話放送に協力企業を表示するビジネスモデルの構築と実践にも取り組んできた。
「ゼロ・プロジェクト・アワード2022」には86か国から381のノミネートがあり、8000人を超える専門家が投票。OHKはこれら一連の活動が情報のアクセシビリティの観点から、影響力、革新性、再現性、また革新的な実践行動であることを高く評価され、アワードに選出されることになった。
OHKは、地球規模の社会課題の解決を目指す 「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」達成に向けた取り組みを 推進するため、国連が世界の報道機関に対して 協力を呼びかけている「SDGメディア・コンパク ト」に加盟し、活動を続けている。