チューナー内蔵8Kテレビがついに登場! 8K時代がいよいよ幕開け
IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志
2018年10月16日、千葉・幕張メッセで国内最大級のIT関連展示会「CEATEC JAPAN 2018」が開幕。CEATEC JAPANは2016年にCPS(センサーフィジカルシステム)/IoT(もののインターネット)に大きくシフトし、ITによる近未来の我々の暮らしを想像させるような製品やサービスが数多く展示されている。
そのなかでも、すぐ目の前にある大きな変革の一つとして「新4K8K衛星放送」に注目したい。
2018年12月1日に、いよいよBS/110度CS放送での4K/8K本放送がスタートする。2015年3月に124/126度CS放送の「スカパー! プレミアム」でスタートした「スカパー! 4K」や、ひかりTVで提供している「ひかりTV 4K」などの現行放送もあるが、より身近なBS/110度CSアンテナで楽しめる新4K8K衛星放送は要注目だ。
新4K8K衛星放送は、現状でBS/110度CS放送を受信できている家庭であれば受信可能だが、視聴には新4K8K衛星放送に対応するチューナー、もしくは新4K8K衛星放送対応チューナーを内蔵する4Kテレビが必要になる。
また、現行のBS/110度CSアンテナでは現行のBS放送と同じ6チャンネルの4K放送を楽しめるのにとどまるのに対し、すべての衛星放送を視聴するためには「SHマーク」(JEITA スーパーハイビジョン受信マーク)が付いた「BS・110度CS右左旋共用アンテナ」が必要になる。さらに混合器やブースター、分配器、同軸ケーブル、分波器などさまざまな受信機器を交換しなければならない場合があるため、その点には注意したい。
普段ケーブルテレビを使ってテレビを視聴している人なら、より手軽に新4K8K衛星放送を楽しめる。4K対応セットトップボックスに交換するだけで、パラボラアンテナなどの交換もなしに視聴できるようになる。
■4Kだけでなく「8K」に本腰を入れるシャープブース
ソニー、東芝など大手家電メーカーがCEATECから遠ざかっている(パナソニックは電子部品・デバイス、三菱電機もB2Bソリューションが中心で家電の展示からは遠ざかっている)状況で、最も4K8K、特に「8K」に力を入れていたのがシャープのブースだった。
シャープは2018年10月15日に、新4K8K衛星放送チューナーを内蔵する8Kテレビを発表した。80V型の「8T-C80AX1」(予想実勢価格200万円前後)、70V型の「8T-C70AX1」(同100万前後)、60V型の「8T-C60AX1」(同75万円前後)の3モデルだ。
同社は新4K8K衛星放送チューナーを内蔵しない8Kテレビもラインアップしており、後でチューナーを購入したいというニーズにも応える。
12月1日のスタート時点で8K放送はNHKの1チャンネルのみとコンテンツが少なく、テレビ本体も決して安くはない。しかし以前は2030年頃とも言われていた「スーパーハイビジョン」のスタートがいよいよ間近になり、さらに身近になろうとしている。
買うか買わないかは別として、8K放送は4Kと比べても圧倒的な情報量の差を感じることができる。興味のある方は、ぜひ家電量販店などでその違いを味わってみてほしい。