映像メディアの価値を映す Screens

株式会社博報堂ＤＹメディアパートナーズ（以下、博報堂ＤＹメディアパートナーズ）は、20年にわたり蓄積された独自のテレビCM調査基盤を活用し、曜日、時間帯、番組ジャンルから「視聴者が受け入れやすい状況・タイミング」を分析した。

このデータを基に、テレビCM放送枠に対して定量化した新指標「広告受容度」を開発。この指標は、視聴者が広告を見たかどうかだけではなく、視聴者が広告を受け入れやすい状況・タイミングであったかを定量化している。

この新指標を用いたテレビプラニングにより、広告を受け入れやすい状況、タイミングにある視聴者への広告配信が可能になる。

■開発の背景

“TV AaaS”は、博報堂ＤＹメディアパートナーズが提唱する、広告主の広告効果最適化を通して事業成長に貢献する次世代型モデル「AaaS」(※1)のソリューションのひとつ。テレビCM運用の高度化・高速化を実現し、効果的・効率的な広告運用を可能にする。

デジタルメディアの普及や生活リズムの多様化に伴い、生活者のテレビ視聴態度は大きく変化した。例えば、テレビを見ながら他の活動を行う「ながら視聴」や、見逃し配信の増加が顕著となっており、生活者の視聴スタイルはより複雑化している。こうした視聴態度の変化により、同じテレビ広告であっても、生活者の視聴態度によって広告効果に大きな違いが生まれるようになっている。

こうした状況を受け、博報堂ＤＹメディアパートナーズは、20年間蓄積した独自のテレビCM調査基盤を活用し、テレビCMの印象データと放送枠のメディア接触データを高度な統計解析で統合。

これにより、各テレビ広告放送枠における「視聴者が広告に対して無理なく興味を持ちやすくなる状況やタイミング」を定量化する新指標「広告受容度」を開発した。AaaSに「広告受容度」を組み込むことで、商材や訴求内容に応じたカスタマイズが可能となり、精緻なテレビ広告プラニングが実現する。

「広告受容度」は、訴求するメッセージ・ターゲット・放送枠によって大きく異なることが実証されている。実際の検証では、コーポレートブランディング広告において、独身者と既婚者、男性と女性といった属性の違いによって「視聴者が広告を受け入れやすい」時間帯や視聴コンテンツに顕著な違いが見られた。

博報堂ＤＹメディアパートナーズは、これまでAaaSを活用し、性年代に限らず、より詳細なターゲットセグメントごとの視聴傾向を分析し、特定のターゲットが視聴している放送枠を狙ってテレビ広告を出稿することが可能だった。今回新たに「広告受容度」をプラニング指標に加えることで、ターゲットが「広告を受け入れやすい」放送枠をさらに精緻に特定し、より効果的な広告出稿を実現する。

今後も広告の効果最大化を可能にするさまざまなサービスを順次導入し、メディア各社と緊密に連携することによって、博報堂ＤＹグループの各広告事業会社とともにメディアの広告価値の向上と広告主の事業目標の達成に貢献していくという。

（※1）広告業界で長らく続いてきた「広告枠の取引」によるビジネス（いわゆる「予約型」）から「広告効果の最大化」によるビジネス（いわゆる「運用型」）への転換を見据えた、博報堂ＤＹメディアパートナーズが提唱する広告メディアビジネスのDXを果たす次世代型モデル＜AaaS®は博報堂ＤＹメディアパートナーズの登録商標＞