日本テレビ、SSPやDSPからのRTB入札を受け付ける国内初プロダクト「AdRM-Exchange」開発中!25年4月から運用開始を予定
編集部
日本テレビ放送網株式会社(以下、日本テレビ)は、地上波広告においてインターネット広告と同様のリアルタイムなプログラマティック取引を実現するアドリーチマックスプラットフォーム(AdRMプラットフォーム)の開発を進めている。
SSP(※1)やDSP(※2)は「AdRM-Exchange」を介してRTB(※3)を実施することで、リアルタイムにブランドセーフな地上波広告枠を落札し、広告主のクリエイティブを放送することが可能。さらに予算上限や入札単価を入札ごとに自由に設定できるほか、期間や時間帯も細かく設定できるため、透明性の高い効率的なキャンペーン設計が可能になる。
※1:SSP(Supply Side Platform):メディアの広告収益を最大化するためのプラットフォーム。
※2:DSP(Demand Side Platform):広告主の広告効果を最適化することを目的としたプラットフォーム。
※3:RTB(Real Time Bidding):広告枠をリアルタイムにオークション形式で取引する仕組み。
■AdRM-Exchangeとは
AdRM-Exchangeを活用することで、インターネット広告やDOOH(※4)と同様に地上波広告においてもリアルタイムな入札形式の取引が実現する。具体的な取引の流れとして、地上波で放送中の広告枠にAdRM-Exchangeの対象枠が発生すると接続済みのSSPやDSPには放送直前(最短放送3秒前)に入札リクエストが送信される。SSPやDSPは広告枠への入札判断と広告クリエイティブの選択を行い、入札単価と上限金額を決めて入札を実施。AdRMプラットフォームは複数の入札から、落札予定額などを比較して判定を行い、最終的に落札された広告クリエイティブを対象枠に割り当てて放送する。
※4:DOOH:街頭の大型ビジョンなどのデジタルサイネージを活用した屋外広告。
地上波広告は全国規模のリーチ力を武器に「認知メディア」として多くの広告主のマーケティング活動に活用されてきた。一方で、より自由で柔軟な運用ニーズが高まる中、オフラインでの手作業に依存したオペレーション設計によって様々な制約が存在していた。AdRMプラットフォームの導入でオペレーションが機械化・自動化され、これまでの制約から解消されることで放送直前の入札と落札判定が可能になる。
AdRM-Exchangeの特長
■リアルタイム性
放送直前情報(広告枠の予測視聴者数、性別・年代ごとの予測含有率、番組内容、出演者情報など)に基づいて入札判断やクリエイティブ選択を行うことが可能。この仕組みにより、キャンペーン設計の柔軟性を大幅に向上させる。
■ターゲットを指定した取引
AdRM-Exchangeは性別・年代を指定した入札が可能。地上波広告では特定のターゲットに限定して広告を放送することはできないが、一回の放送で発生するインプレッションのうち特定の性別・年代のインプレッションのみを課金対象とすることでターゲットを絞った入札が実現する。
■プライベートマーケットプレイス(PMP)
AdRM-Exchangeに参画するSSP、DSP、広告主は従来のテレビ広告出稿の審査基準を満たす必要がある。これにより地上波広告の信頼性やブランドセーフティを維持しつつ、プログラマティック取引が導入される。
■標準規格に基づいた設計
SSPやDSP各社との接続を容易にするため、AdRM-ExchangeはOpenRTB(リアルタイム入札のためのオープンソースプロトコル)に基づいて設計されている。
■リリース予定と機能拡充
AdRM-Exchangeは25年4月からの運用を目指して開発及びテストを進めており、すでにいくつかのSSPやDSPと接続に向けた調整が進んでいる。また、広告枠を供給するテレビ局の参画調整も進めており、AdRM-Exchangeによるリアルタイムな地上波広告枠の取引市場を計画的に拡大していく予定となっている。