「VR FORUM 2024」今年は「コンテンツ領域」を新たにテーマ設定!5年ぶりでのリアル開催&全コマ同時オンライン配信で最大規模の集客をめざす!
編集部
株式会社ビデオリサーチ ビジネス戦略室 グループマネージャー青山隆一氏
株式会社ビデオリサーチが、2024年11月27日に「VR FORUM 2024」を開催。東京ミッドタウンホールを会場とするリアルイベントは5年ぶりで、初となる全コマをリアル&オンラインのハイブリッド形式で展開する(参加無料)
今回は「コンテンツから拡がる"その先"へ」をテーマに掲げ、これまでで1Day開催での最大規模となる7つのコマ(※注:申込ベースでは5セッション)で構成。生活者とテレビメディアの変化に向き合いながら、最前線で活躍するキーパーソンらによる濃密な議論を繰り広げる予定だ。
本記事では、「VR FORUM 2024」の統括リーダーを務める、株式会社ビデオリサーチ ビジネス戦略室 グループマネージャーの青山隆一氏にインタビュー。今回のテーマにおけるねらいと見どころを伺う。
■コンテンツIPを軸にした事業の多角化を志向する放送局が増える中、ビデオリサーチとしての関わり方を考える
──昨年の「VR FORUM 2023」では、「Co-transformation」をテーマに、メディアとさまざまな業界との協働、共創にフォーカスが当てられました。今回は「コンテンツ」という、メディアの根幹ともいえるテーマに込めた背景と狙いについてお聞かせください。
青山氏:「VR FORUM」として初めて、コンテンツ領域をテーマとして設定したのは、当社の重要なステークホルダーである放送局、広告会社をとりまく環境変化に、我々としても対応していきたいという気持ちがあるからです。
昨今、様々な放送局が、対外的な公表資料でも事業ポートフォリオの多角化を打ち出し始めています。その中でもメインストリームは、コンテンツIPを軸にした事業の多角化だと捉えています。
また、広告会社では、企業のコミュニケーション課題やマーケティング課題の解決を担う役割から、更に上流の経営課題・経営戦略に貢献していこう、という流れも伺えます。
いずれも、広告市場からの収益だけでは、中長期的な持続成長が見込みにくいという見立ての元に、それぞれ多角化を進めようとしているのだと解釈しています。
一方、生活者の興味関心も多様化しており、接触、視聴するメディア・コンテンツの分散化がより一層進んでいます。その流れに呼応するように、コンテンツIPを軸としたビジネスに注目が集まっており、事業会社・広告主も、人気コンテンツとのコラボ商品を展開する動きが強まっています。実際に、コンビニをはじめとした店頭、ネットショップには多くのコラボ商品が並んでいる事は皆様もご存知の通りで、生活者も「推し活」などを通じて、これを楽しんでいます。
このように放送局、広告会社、広告主、そして生活者を取り巻くメディア環境が変化している中で、我々がそこにどのように関わっていけるのか、そして日本中の放送局・広告会社・広告主の皆様とも、そこを共に考え、今後のヒントを探ることを今回の「VR FORUM 2024」の狙いとしています。
もっとも、広告市場が依然、事業規模として圧倒的に大きいことは変わらず、広告ビジネスの重要性は決して薄れているわけではありません。よって、今回は「コンテンツ」をメインテーマに据えつつも、従来通り広告ビジネスに関するコマ“も”2コマ設定し、新たな取り組みとの両軸に焦点を当てる構成としました。
と、長々話してしまいましたが、一言で言えば、「既存領域・新規領域、共に大事にしていきます!」という事ですね(笑)。
■TBS・電通・ビデオリサーチ3社の“新社長”鼎談「多様化の中で確認すべき“根幹”」
──1Day開催でOpeningを入れると7コマというボリューム満点の内容ですが、今回一番の見どころはどんな点でしょうか?
全てのセッションが見どころ満載です!(笑)
と申し上げたいところですが、ひとつ挙げるとするなら、テーマと同じタイトルであるSESSION1の特別会談「これからのコンテンツビジネスと、“その先”」です。
これは決して当社の代表取締役 社長執行役員である石川 豊が出るから、そこに気を使って発言しているわけではありません!(笑)
当社の社長がパネルディスカッションに登壇者として壇上に登るのは、2012年から始まったVR FORUMの歴史の中でも初の試みですので、是非ご注目頂きたいですし、ゲストでお迎えする株式会社TBSテレビ 代表取締役社長の龍宝正峰氏、株式会社電通 代表取締役 社長執行役員の佐野 傑氏のお二人には、日本のコンテンツ産業をどう盛り立てていくべきか、それぞれのお立場から、高い視座で議論を交わして頂けるかと思います。そういう意味で、このセッションは本当に乞うご期待です。
■テレビ局の新たな道を切り開くコンテンツとは? 現場発の視座と切り口で探る
──冒頭1発目のセッションから、非常に濃い内容ですね。ビデオリサーチ社長みずから1時間を超える対談の進行役を務めるという点に“本気度”を感じますが、この他、今回行われるセッションの見どころをお聞かせいただければ幸いです。
SESSION2以降では、ゲスト登壇者の方々とともに当社からは社員がモデレーターを務め、それぞれのトピックに対してさまざまな角度からスポットライトを当てていきます。
SESSION2「テレビの虜にさせるシカケ」は、株式会社TBSテレビ コンテンツ制作局 バラエティ制作二部 『ラヴィット!』プロデューサーの辻 有一 氏、株式会社フジテレビジョン 編成総局バラエティ制作局バラエティ制作部『新しいカギ』チーフプロデューサー矢﨑裕明氏をお迎えし、当社の統括・ソリューションユニット ビジネスソリューショングループ プランナーの北澤由美子がモデレーターを務めます。
コンテンツの選択肢が多様化している今、「多くの人が夢中になれる面白いコンテンツ」を生み出すことは容易ではありません。そんな中、『ラヴィット!』は、これまでニュース中心であった朝帯でバラエティをやるという、常識破りの大胆な発想で制作されています。『新しいカギ』も、学校や視聴者を巻き込んで番組を盛り上げるという、SNSでの拡散も狙った今らしい作り方が特徴です。
それぞれの番組がどのようにして視聴者の支持を得ていったのか、その裏側や制作の苦労について、作り手目線でのリアルな話をお聞き頂ければと思います。
SESSION3「地域資源でチャンスを創れ!ローカル局の挑戦」は、株式会社長崎国際テレビ取締役営業編成局長の筑紫浩一郎氏、北陸朝日放送株式会社 編成局長の金子美奈氏をお迎えし、当社の執行役員兼ネットワークユニットマネージャーの合田美紀がモデレーターを務めます。
人口減少をはじめとしたローカル局を取り巻く環境が厳しくなる中、変わらないことは、地域独自の文化や歴史を活かしたコンテンツ作りだと考えます。
今回は長崎と金沢を舞台に、地域として抱える課題を伺いながら、その中でも輝きを放つ地元の魅力、それを原動力とするさまざまな取組みと成果にフォーカスし、これからのローカル局が果たしていくべき“使命”の形を探ります。
SESSION4「アニメコンテンツの事業化・広告活用について」は、株式会社テレビ東京 専務取締役の川崎由紀夫氏、株式会社電通 IPグロース&ソリューション1部 部長(General Manager)の木村朋枝氏をお迎えし、当社のビジネスデザインユニット ビジネスアセット開発グループマネージャーの佐藤 誠がモデレーターを務めます。
アニメは、日本のコンテンツIPが海外で特に大きな支持を受けている分野です。Netflixのグローバルな視聴ランキングでも日本コンテンツの上位のほとんどをアニメが占めており、世界各国で高い評価を受けています。今回「コンテンツ」をテーマに据えるにあたり、アニメは外せないカテゴリだと考えました。
とした時に、日本の放送局で先行してアニメ市場を切り開いてきたのは、テレビ東京さんです。『ポケットモンスター』『遊☆戯☆王』などの成功を皮切りにアニメの裾野を広げてきたその実績は、疑う余地がなく、今も業界内・外で大きな存在感を示しています。
今回登壇いただく川崎氏はアニメ界の重鎮であり、現ソニーグループであるアメリカの動画配信サービス「Crunchyroll(クランチロール)」の成功も含め、日本アニメの普及に大きく貢献してこられた方です。川崎氏の知見をどのように今後の業界発展に活かせるかも重要な視点だと考えています。
また、このセッションでは、必ずしもキー局をはじめとした限られた放送局だけのお話とはならないよう、ローカル局や広告主にとってのアニメとの関わり方など幅広い議論を展開し、新しいビジネスの可能性を探っていければと考えています。
■コンテンツと同時に求められる「広告メジャメント」の形を、海外と日本の両軸で探求
──最終セッションにあたるSESSION5-A「日本はどうする?海外のトータルオーディエンスメジャメント事情から考える」、SESSION5-B「マーケティングの潮流とメディアプランニングのこれから」は、休憩を挟まず2コマ連続での開催となっています。こちらはコンテンツから一転、広告にフォーカスしていますが、その内容と狙いについてお聞かせください。
先ほど申し上げた事と重複するかもしれませんが、広告ビジネスの重要性自体は決して薄れているわけではありません。ですので従来からのVR FORUM通り、広告ビジネスに関するセッションも当然用意すべきと考えました。ここで語られる事も最新動向です。それも海外と国内両面からアプローチします。まず、SESSION5-A「日本はどうする?海外のトータルオーディエンスメジャメント事情から考える」は、当社のビジネスデザインユニットマネージャーの小木 真がプレゼンターを務めます。
世界的にも、コネクテッドTVの浸透、ストリーミングサービスの視聴量の増大など、テレビメディアやテレビ広告を取り巻く環境変化しており、大きなトレンドとなっています。そのような生活者の行動変化も含めて、海外の放送局はどのような対応をしようとしていて、どのようなメジャメントが検討されているのか、アメリカは?ヨーロッパは?と各国の事例などもご紹介しながら、それらをヒントに、今後日本で取り組むべき方向性についてお話します。
続いて、SESSION5-B「マーケティングの潮流とメディアプランニングのこれから」は、株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ 統合アカウントプロデュース局 AaaSアカウント推進一部 部長の佐々井美嘉氏らをお迎えし、 当社の統括・ソリューションユニット ビジネスソリューショングループマネージャーの鈴木康啓がモデレーターを務めます。
SESSION5-Aの海外事例を受けて、本セッションでは「では、日本ではどう考えていけばよいのか?」という展望にフォーカスします。日本におけるマーケターやメディアプランナーがどのような考えの元、マーケティング戦略を立て、メディアプランに昇華させ、各フェーズでどのような指標/KPIを活用しているのかをその現状を理解した上で、広告主のためにあるべきコミュニケーション活動を起点に、必要な「指標」の在り方も議論していきたいと考えています。
──最後に読者のみなさま、来場を検討されているみなさまへメッセージをお願いいたします。
今回、申し込みいただいた方限定で、閲覧いただける動画やレポートなどのお役立ち資料もご用意していますので、そちらも皆さまの日常業務の一助として頂きつつ、最後に申し添えたいのは、今回の「VR FORUM 2024」では、コンテンツ・広告それぞれの領域で、盛りだくさんの内容をたっぷり、テンポよくお届けします!という事です。本日、詳細のご紹介はしませんでしたが、Openingでは、今回「コンテンツ」をテーマにした背景を、調査データ、産業データ、生活者研究成果などから多角的にご紹介しつつ、同時に各コマの「ここに注目!」というポイントもご紹介してから、各コマに移っていきますので、イベントを聴講頂く皆さまのタイパ面にも留意した構成にしています。ぜひ、進化した「VR FORUM 2024」を最初から最後まで、全ての情報を味わい尽くしていただき、一つでも多くのヒントを皆さまにお届け出来たら嬉しいです。
VR FORUM 2024「コンテンツから拡がる"その先"へ」
2024年11月27日(水) 会場(東京ミッドタウンホール)およびオンラインで開催
10時30分開演~17時40分終了予定
参加費無料(事前登録制)