視聴者を惹きつけたCMクリエイティブランキングTOP30「2022年上半期:中規模出稿企業編」
編集部
TVISION INSIGHTS株式会社(以下TVISION)が、 テレビCM出稿量が中規模程度の企業に絞り、2022年上半期に視聴者を惹きつけた「2022年上半期:中規模出稿企業編」CMクリエイティブランキングTOP30を公開した。
先日公開した「2022年上半期CMクリエイティブランキングTOP30」では、全CMを対象にランキングを作成したが、ランクインしたものの多くはCM出稿量が多い大規模出稿企業(2022年上半期の出稿量が2500GRP*以上の企業)によって制作されていたものがほとんどを占めていた。
大規模出稿企業のほうが、媒体費や制作費などテレビCMにかける予算が大きく、メディア等にも取り上げられ、話題になりやすい傾向がある。そこで、今回は中規模出稿企業(2022年上半期の出稿量が2500GRP未満の企業)が制作したCMクリエイティブによるランキングTOP30を作成した。
ランキングに使われている「クリエイティブスコア(Cスコア)」は、クリエイティブを注視で評価するためのTVISION独自の指標である。Cスコアは、放送された枠の影響を取り除き、個々のクリエイティブが持つ注視を獲得するパワーを評価するために活用されている。
*GRP:TVISION計測による数値。特定の期間中に放送されたテレビCMの「世帯視聴率」の合計を指す。
CMクリエイティブランキング
出稿量が2500GRP未満の企業が制作したCMで、2022年1月3日〜7月3日(2022年上半期)の期間に、関東で初回放送された15秒・30秒素材を対象とし、コア視聴層(男女13~49歳)がよく見たCMクリエイティブランキングを作成した。(出稿量が多くなると徐々に見られなくなる「注視の摩耗」の影響を取り除くため、Cスコア算出時点のGRPは500GRP時点にそろえている)
CMクリエイティブランキングTOP30「2022年上半期、中規模出稿企業編」 コア視聴層(男女13~49歳)
属性:男女13-49歳、期間:2022年1月3日~7月3日
対象企業:期間内の出稿量が2500GRP未満の企業
対象CM:期間中に関東で初回放送があった500GRP以上出稿の15秒・30秒素材で500GRP時点のCスコアを算出
※企業名称はエム・データ社に準拠
※Cスコアは小数点第一位で四捨五入
※対象となったCMは236本
1位は、住宅情報館の『住宅情報館「ののか店長 いっこだけ」篇』。住宅情報館の店内を舞台に、店員に扮する橋本環奈と店長に扮する村方乃々佳が出演している。村方乃々花は、2歳5カ月で「第35回童謡こどもの歌コンクールグランプリ大会 こども部門」で銀賞を受賞し話題となり、複数のCMに出演されている。
2位は、GM corporation『デンキバリブラシ2.0+ボディ「ときほぐせ、全身。」篇』。3位は、ピザーラの『バターチキンカレーのよくばりクォーター「ぬけがけ」篇』。また、TOP30のCMの秒数(長さ)に注目すると、15秒CMは22本に対して30秒CMが8本と、15秒CMが多くランクインする結果となった。
ランクインしたCMの傾向を商品カテゴリで見ると、ゲームに関するCMが5本ランクインしている。ゲームアプリやゲームソフトの内容を紹介するCMが多い一方で、14位のバンダイナムコホールディングスの『「Fun for All into the Future」篇』では、日常と実物大のガンタムやCGキャラクターが交差する世界観を表現した企業CMだった。
また、外食・内食に関するCMが4本、食品に関するCMが3本ランクインしている。CMの内容で共通する傾向としては、タレントや女優を起用し、イメージと違うセリフなどを組み合わせた印象的なCMや、商品のアップでおいしさを伝えるような要素が入ったCMが多く見られた。
ランクインした商品カテゴリは、大規模出稿企業のCMを含むこちら
全体を通して、ゲームや食品に関するCMがよく見られていたと言える。
クリエイティブスコア(Cスコア)について
クリエイティブスコア(Cスコア)は、CMクリエイティブを評価する指標である。例えば、Cスコアが150のクリエイティブAと100のクリエイティブBがあったとき、放送された番組の影響を除くと、クリエイティブAはクリエイティブBの1.5倍注視されたと評価できる。