愛媛CATV、愛媛県災害情報5G活用検討会にてインテックと被災現場の高精細映像活用の実証試験を実施
編集部
株式会社愛媛CATV(本社:愛媛県松山市、以下愛媛CATV)は、TISインテックグループの株式会社インテック(本社:富山県富山市、以下インテック)と、災害時に被災現場の高精細映像をリアルタイムで伝送する実証試験を実施したことを発表した。
愛媛CATVは、愛媛県が、防災・減災対策への5Gや先進デジタル技術の活用方法を検討するために設置した「令和3年度愛媛県災害情報5G活用検討会」の運営等業務を受託し、以下の任務の一環として本実証試験を実施した。
<検討会の任務>
(1)5Gや先進デジタル技術を活用した防災・減災対策の効果的・効率的な推進
(2)災害時の活用を想定した実証試験に係る検討及び結果の検証
(3)次期災害情報システム・防災通信システム更新の際における先進デジタル技術の活用
実証試験の概要
本実証試験では、中山間地域や沿岸地域を災害発生地と想定し、その地域の高精細映像を愛媛CATVのローカル5G※1と地域閉域網、インテックのワイヤレスIoTデバイス※2と都市OS(FIWARE)を活用して愛媛県庁まで伝送し、その映像を確認。愛媛CATVとインテックは、映像の4KとHDとの比較や、ドローン・船舶などの撮影位置を映像と合わせてリアルタイムに把握できるICT環境構築の支援を行なった。
※1ローカル5G:企業や自治体等が5Gによるプライベートネットワークを構築して利用できる通信環境。無線通信回線として利用可能で、運用するには無線局免許の取得が必要。
※2 ワイヤレスIoTデバイス: 水位センサーや赤外線センサーなどのセンサーデバイスの総称。クラウド上の都市OSにセンサーデバイスで取得したデータを収集するために無線ネットワークを活用。本試験では撮影位置を特定するためにGPSを活用。
■実証試験結果
5Gの電波伝搬特性の異なる環境(中山間地域、沿岸地域)において、いずれも5Gが4K高精細映像の伝送に有効に活用できることが確認され、概ね、良好な結果が得られた。
また、実運用に向けて、県が要請してから高精細映像を閲覧できるまでの所要時間、基地局からのカバーエリアや4K映像を効果的に活用できる撮影方法なども確認。さらにワイヤレスIoTデバイス等と都市OS(FIWARE)のダッシュボード機能との組合せにより、海上のように撮影場所の把握が困難な現場においても、撮影場所を迅速・的確に把握できることが確認された。
■今後の課題と展開
愛媛県においては、今回の検討会での検討結果を踏まえ、次期防災システムの検討や防災・減災対策を更に強化していく予定。
愛媛CATVとインテックは、実証試験で得たデータや知見を踏まえ、既存サービスの更なるブラッシュアップに努めるとともに、引き続きそれぞれの強みを活かしながら連携し、防災分野に限らず、ローカル5Gや地域閉域網を活用した地域データ連携基盤※3の活用を通して、地域貢献や社会課題解決に向けスピード感を持って取り組んでいくという。
※3 データ連携基盤:社会・公共分野で業種を超えてデータの共有・活用を実現するデータ共有基盤の「FIWARE」を利用して、各自治体が抱えるさまざまな課題を解決するためにセンサー情報を収集・分析・可視化するインテックが開発した自治体向けIoTプラットフォームを利用。