働き方改革を意識した日テレ最新テクノロジーが集結【日テク2019】<前編>
編集部
日本テレビグループ各社、ネットワーク各社が出展する「日テク2019(ニッテク)」が、2019年3月12日、13日の両日、日テレホールABC+2Fロビーにて開催された。
2002年~2016年「デジテク」、2017年~2018年「クリエイティブテクノロジーラボ」から新たに「日テク」という名称に生まれ変わり、今年は「日テレ×テクノロジー×働き方改革」をメインテーマとした、“テクノロジーがテレビにもたらす可能性を実感できる”各種技術的な取り組みの展示が催された。
前編では、出演者がアンドロイドでスタッフ不在の無人スタジオの番組制作の様子やAIを活用したブースなどを厳選して紹介する。
■“アオイエリカ”が行うゼロオペ番組制作の特別展示
2Fロビーを占拠し、ひときわ注目を集めていた『アオイエリカと無人のスタジオ』では、カメラもスイッチャーも無人のスタジオで、アンドロイドアナウンサー・アオイエリカが進行を務めるゼロオペ番組制作の特別展示が行われた。
司会のアオイエリカが台本通り番組を進行する中、ゲストの中村真凜(通称:まりめろ)さんが登場すると、テンポの良い対話がなされ、急なアドリブにも見事に対応。途中、外国人のマチルドさんがゲストで登場するも、英語と日本語の翻訳を瞬時に行うなど、一人何役もこなし活躍していた。
カメラも“寄り”や“引き”を自動に選択し、通常の番組放送と遜色なく、多少、アオイエリカの間合いはあるものの、今後の技術進歩で処理能力が上がれば、さらに自然な対話になっていくのが予想される。
■AI×テレビ~テレビの現場を「AI」で変える最新技術の展示~
株式会社NTTドコモと共同研究した『AIによるニュース原稿自動要約』の展示では、同局の報道で実際に使用された「元の原稿」と「人間が要約した原稿」のペアをAIが大量に学習した結果、AIが要約原稿を自動作成してくれるという技術が紹介された。
担当者は「現在は指定した文の数に合わせて重要文をわずか1秒足らずで抽出し作成しているが、今後は新たな文章を生成するタイプの要約にも挑戦していきたい」と展望を語った。
また、株式会社東芝、東芝デジタルソリューションズ株式会社と共同研究を行った『AI顔認識による被写体人物特定』の展示では、AI顔認識技術により、映像に「誰が映っているか?」を高精度(99%以上)に特定することで、メタデータ入力のサポート、人物取違えの防止、人名テロップの自動作成、特定人物ハイライト編集、スマホにインストールすればロケ先で被写体特定ができるという技術を紹介。担当者は「選挙シーンなど、使用業務によって応用が可能」とし、具体例として「テレビドラマで特定俳優が1話で何分(何回)出演するかといったメタ情報も抽出できる」と発言した。
そして、株式会社フォアキャスト・コミュニケーションズとの共同研究『テレビをもっと楽しく!「AIう」さんとお話しよう!』。これは、同局で放送中の情報番組『バゲット』をはじめとした同局の番組チェックに余念がないひらがな男子「AIう」さんと会話をしながら番組視聴をすることで、さらに番組が楽しめるという企画だ。担当者は「「AIう」さんとお友達になって、より番組を身近に感じてもらいたい」と話していた。
■番組制作~技術で番組制作を進化させる~
番組制作ブースでは、株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズが『4K・8K番組制作をサポート!』と題した展示を行っていた。同社では最新の4K機材を随時導入しており、これまで数々の撮影実績を残す。多彩な機材を取り揃えているほか、中継車5台、4Kを始め常時20班のENG取材クルー、様々なメディアに対応できる編集スタジオ45室、MA9室などを所有し、ENG取材から衛星中継、IP中継まで多様なニーズに対応している。
4月には「完全4K対応ポスプロ@渋谷」に8K編集室『NiTRo SHIBUYA+8K』を開設予定だ。担当者は、「8K番組の編集・納品を行うのが楽しみ」とコメントを寄せた。
後編では、新たなコンテンツサービス、業務支援、ネットワーク局の取組みを紹介する。