REVISIO、テレビスクリーン測定ワーキンググループの研究結果を発表!リーチを最大化するには…
編集部
テレビスクリーン測定ワーキンググループ研究成果を発表イメージ画像
家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「アテンション(注視)」を計測するREVISIO株式会社(以下、REVISIO)は、2024年11月に国内の大手広告主各社と共に発足した「テレビスクリーン測定ワーキンググループ(TV Screen Measurement Working Group、以下WG)」の研究成果を発表した。
生活者のテレビ視聴時間の24%がコネクテッドTV(以下、CTV)に費やされている一方でCTVのメディア費は6%に満たず、視聴実態に対して広告出稿が進んでいない「リーチ・ロス」が生じているのが現状。一層の活用が見込まれるCTVを地上波も含めてテレビスクリーン広告として正しく評価・分析するため、日頃よりREVISIOのデータを利用している広告主企業と複数回のワークショップを行い、そこで得られた知見を発表するに至った。
ワークショップはREVISIOのアドバイザーであり、元P&Gメディアディレクターの日髙由香子氏が監修し、日本アドバタイザーズ協会/JICDAQより主任研究員兼事務局長の小出誠氏にはオブザーバーとして参加してもらった。
■本WGの議論により得られた3つの知見
2024年11月より、WG参加の広告主15社とのオフラインによる2回のワークショップ及び個別ミーティングを実施し、議論で得られた知見は以下の通り。
▼「テレビスクリーン」でのプランニングがリーチを最大化する
地上波のみのプランニングよりも、地上波+CTVのミックスプランニングを行ったほうがトータルリーチは伸びる可能性が大きい。特に若年層(MF1層)において効果的である。
▼「リーチ・ロス」に繋がる要因は複合的である
広告主が効果的にCTVを利用できない原因の1つとしては自社組織の問題が大きい。また部署間で共通言語となる地上波とCTVをつなぐ統合指標がないことも大きな課題。一方でデータ測定・分析を通して、さまざまな広告キャンペーンにおいて、リーチを伸ばす余地はまだまだ大きいことが分かった。
▼課題解決には、第三者機関が媒体・プラットフォームを横断で測定した透明性のある指標が必要である
媒体・プラットフォームを横断した測定が求められている。その上で、フレームワークを使って一貫性のあるPDCAをシンプルに実行していくことにより、課題を特定し、テレビスクリーン広告効果の最大化に繋がることが確認できた。
各項の詳細や補足
■「テレビスクリーン」でのプランニングがリーチを最大化する
地上波、CTVを横断で分析した結果、どちらか片方の媒体よりも、両方のプラットフォームを利用することでトータルリーチを伸ばせる可能性が大きいことが分かった。また、若年層(MF1層)においてはその傾向はより顕著である。

※A-UR/注視ユニークリーチとは:A-URはAttention Unique Reach(アテンションユニークリーチ)の略称。該当企業のCM放送時に少なくとも1回以上接触した(=テレビ画面を注視していた)人の割合を示す。
■「リーチ・ロス」に繋がる要因は複合的である
WG参加企業のキャンペーンに対して、分析を行ったところ、地上波に対するCTVコストの割合は5%以下が40%と、リーチ・ロスの現状が浮き彫りとなった。

CTV活用の進まない要因の一つとして、担当や予算主体の分散など、組織構造の問題があることが、WG参加企業への事前アンケートにより分かった。
また、参加企業の各キャンペーンを、出稿金額とリーチを散布図にプロットし相関関係を検証したところ、同じレベルの予算のキャンペーンでも、A-UR(注視ユニークリーチ)において最大で10pt以上の差がつくことが見られ、地上波とCTVの割合、また地上波の中でもメディアプランニングのやり方に応じて、リーチ改善のポテンシャルの大きさが確認された。

■課題解決には、第三者機関が媒体・プラットフォームを横断で測定した透明性のある指標が必要である
WGの議論では、リーチ・ロスの解消に繋がるテレビスクリーン測定の前提について以下2点が重要であると多くの参加者から言及があった。
・メディアプランニングのPDCAに活用できるようにデジタルと同じレベルで判断できる指標であること
・第三者機関がプラットフォーム横断で計測をし、透明性を担保すること
その上で、REVISIOが提供するフレームワークに基づき分析や議論を進め、広告効果の改善のために重視すべき指標や、実際のビジネス活用に向けて活発に意見が交わされた。

ワークショップでは、リーチ、オンターゲット率、アテンション(注視)などが重視すべき指標に挙げられ、WG参加企業からも賛同を得られた。
■今後の展望
WG参加者からは、継続して議論を続けていきたいといったポジティブな意見が多数出ており、REVISIOも継続的な開催を予定していく。また、WGから得た課題を解決できるソリューションを開発していくとともに、リーチ・ロスを始めとする業界課題の解決に向け、エコシステムに貢献すべく各業界団体との連携についても検討を進めていくという。
■参加企業(一部)からのコメント
・KDDI株式会社
<ブランド・コミュニケーション本部 コミュニケーションデザイン部 メディア企画グループリーダー 後舎満氏>
本WGを通じて、各社が抱える課題や今後の期待を共有できたことは非常に有意義でした。特に透明性のある共通指標の確立は、CTVを含むテレビスクリーンの活用戦略やプランニング精度の向上、成果の可視化に不可欠であり、広告主が直面する課題解決に向けた重要なプロセスだと考えます。今後も本WGや関係各所との協力のもとで議論を続け、業界全体の成長に貢献できればと思います。
・日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社
<マーケティング本部 常務執行役員CMO 小室武史氏/マーケティング部 マーケティング推進課 メディアマネージャー 家村陽子氏>
この度はWGへ参加させていただきありがとうございました。CTVの台頭によりメディア起点ではなくデバイス起点でのプランニングの必要性が出てきたと考えています。WGでは従来のテレビとCTV・デジタル広告の測定の指標を揃えることの重要性について多くの企業様と同じ考えであることが確認できました。既にREVISIOの注視率を共通指標としている企業があり、他にも他社様の様々なお取組みから学びの多い非常に有意義な時間を過ごせました。
・日本マクドナルド株式会社
<マーケティング本部 ナショナルマーケティング部 統括マネージャー 加藤邦浩氏>
CTV市場は今後さらなる拡大が予測されるので、この取り組みに初期から関われることは貴重な経験です。現在も、当社ではREVISIOのデータを活用し、テレビとCTVを同じ指標で測定しています。今後、すべてのタッチポイントを同じKPIで測定できれば、広告主は最適な予算配分が可能になり、媒体側も良質なコンテンツ制作に投資しやすくなるはずです。ここで得た知見を社内外に還元し、業界全体の底上げに寄与したいと考えています。
<REVISIO株式会社アドバイザー日髙由香子氏(元P&Gメディアディレクター)のコメント>
CTVの利用は若者を中心に全年齢で増加しているにも関わらず、その投資はなかなか拡大されておらず、視聴者の行動変化に広告メディアが追いついていない状況です。共通指標を使用しながら優先順位の高い重要なKPIを改善していく、堅牢なPDCAを行うことは、ビジネスの伸長に貢献するだけでなくガバナンスの強化にも繋がります。WGで得られた知見を活かしながら、より透明性があり成長志向のあるメディア戦略・プランニングを引き続き提言していきたいと考えています。
<REVISIO株式会社 代表取締役社長 郡谷康士氏のコメント>
視聴者の視聴形態がCTVの出現により大きく変わる中、リーチの取得はますます困難になり、予算配分や効果的な運用は、今まで以上にマーケターの皆様にとってチャレンジングな課題になってきております。今回のWGに多くの方にご参画いただいたのも、リーチ・ロスの課題の大きさや、その解決を加速していきたい課題認識の強さの現れだと思っております。WGで得られた知見は、多くの広告主の課題解決に繋がるものと確信していますので、引き続き多くの方と取り組んでいく所存です。
▼参考リリース
テレビスクリーン測定ワーキンググループ(TV Screen Measurement Working Group)発足のお知らせ
