REVISIO、2024年7月の夏ドラマ「初回放送注目度ランキング」を発表!人気ドラマの最新情報も公開
編集部
家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「注視」を測るREVISIO株式会社(以下、REVISIO)は、2024年7月にスタートした夏ドラマ※について、初回放送の注目度ランキングを作成し、人気の傾向を分析した。注目度が高いとは、テレビの前の視聴者がくぎづけになっていたことを示す。
※全ドラマが対象ではない
夏ドラマ初回放送注目度1位は『マウンテンドクター』
調査の結果、7月クールは前4月クールと比較して、初回放送の注目度が軒並み高いという特徴が明らかに。1位に輝いた『マウンテンドクター』を筆頭に、4月クールでトップだった『アンチヒーロー』の65.2%を上回る作品が9本も登場し、それだけ夏ドラマへの期待が大きかったということを表している。
■1位『マウンテンドクター』
個人全体の注目度:68.4%
【出演】
杉野遥亮、檀れい、大森南朋、岡崎紗絵、宮澤エマ、八嶋智人、近藤公園、トラウデン直美、石野真子、遠山俊也 他
知られざる「山岳医療」の世界をテーマにした完全オリジナルドラマで、長野県の信濃総合病院の山岳診療科がその舞台になっている。
この作品の魅力は、山岳医による“MMT(マウンテン・メディカル・チーム)”が織りなす重厚な人間ドラマ。さらに山岳という非日常的な舞台設定が、都会生活とは異なる価値観や人間関係を描き出し、視聴者をその世界に引き込んでいく。
視聴質という観点から注目したいのは、このドラマが72.4%という高い女性注目度を記録したという点。これは杉野演じる主人公が、山岳医療という命の危険と隣り合わせの厳しい環境の中で成長していく物語に、多くの女性が共感し、その奮闘にくぎづけになったことを示している。
また、前クール同枠で放送された『アンメット』の影響も一因かもしれない。こちらも医療現場を取り扱った作品で、その最終回の女性注目度が1位を獲得していたことから、この枠への女性視聴者の関心が引き続き高かった可能性がある。それに加えて男性からの注目度も6位と高く、総合的な注目度の高さがランキング1位につながる結果となった。
■2位『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』
個人全体の注目度:68.0%
【出演】
小芝風花、大島優子、阿部亮平、柳美稀、川瀬莉子、戸次重幸、半海一晃、高島礼子、吉田鋼太郎 他
このドラマは、警視庁に実在する「身元不明人相談室」を舞台に、名もなき遺体の身元を特定し、家族のもとに帰すという重要な使命に取り組む刑事たちの物語を描いた作品。ミステリーとヒューマンドラマが融合した異色の警察エンターテインメントであり、「これまでにない警察ドラマ」として、視聴者の注目を集めている。
注目度ランキングでは個人全体で2位、男性で2位、女性で4位という高い数字を記録。特に男性視聴者からの支持が厚く、66.2%という高い注目度を獲得した。
SNSでも本作に関する投稿が多く見られ、「小芝ちゃんと大島さんのバディ最高です」「テンポ良い会話と亡くなった名もなきご遺体とその家族に寄り添う桜と真の姿に見入ってしまいました」といった好意的なコメントが目立つ。また、実在の部署をモデルにしている点も視聴者の興味を引きやすいのかもしれない。
単なるミステリーではなく、人間の温かさや、命の大切さを改めて感じさせてくれるこの作品は、多くの視聴者の注目を集める夏ドラマになるだろう。
■3位『木曜劇場 ギークス〜警察署の変人たち〜』
個人全体の注目度:67.1%
【出演】
松岡茉優、田中みな実、滝沢カレン、中村蒼、白洲迅、泉澤祐希、あの、若林時英、阿部亮平、徳井優、マギー 他
フジテレビの看板ドラマ枠の1つである「木10」枠を任された今作は、頭脳明晰ながら人間関係が苦手な“ギーク”な3人の女性警察官が、井戸端会議での雑談から事件解決をしていくという、新感覚の“井戸端謎解きエンターテイメント”。
コミカルな演出とテンポの良い展開で広く視聴者の注目を集め、個人全体注目度で67.1%を記録し、見事3位につけている。さらに女性の注目度ランキングでは1位を獲得しており、男性との注目度のギャップが12%近くもあるという点も特徴的だった。
刑事モノにも関わらず、主人公の3人は事件解決の功績にあまり興味がなく、それよりもむしろプライベートの方が難題続きという設定、そして女性同士の友情や仕事、プライベートの両立に悩む姿が、女性視聴者からの深い共感を呼ぶ理由の1つだろうか。
そんな“ギーク”の難しい役どころを、持ち前の演技力でテンポよく演じる松岡茉優は「刑事モノだけどそこまで考察せずに、だらだら見てもらえたらうれしいです」とインタビューで答えている。肩ヒジ張らずに見られるドラマという点も、女性視聴者に評価されている要素かもしれない。
■初回以降、視聴者はどんな作品に注目している?7月最終週の注目度をチェック
初回放送から2カ月余りが過ぎて、各番組ともストーリーは佳境に入っている。初回放送以降、視聴傾向に変化はあったのか?REVISIOの「週刊テレビ番組ランキング」で度々トップ10にランクインしている下記3番組の7月最終週放送回の視聴データを確認していく。
■安定の「日曜劇場」注目度が着実に上昇
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』が、初回放送から注目度を着実に上げてきている。この枠は注目度ランキングで常に上位にランクインしているが、今作品の『ブラックペアン シーズン2』は医療ドラマとしての面白さに加え、主演・二宮和也の悪魔的な天才外科医役が話題を呼び、回を追うごとに視聴者を惹きつけている。男女ともに注目度が上昇しているのはさすがの一言。世帯視聴率も8.7%と依然として高い水準をキープしている。
■女性視聴者から圧倒的な支持を得る『海のはじまり』
『海のはじまり』は、男女の注目度差が顕著であることが特徴。目黒蓮主演の同作品は、特に女性視聴者からの支持が高く、注目度71.1%と非常に高い数値を記録している。これは父親へと成長していく目黒の演技や、感動的な親子愛を描いたストーリーが、女性視聴者に強く響いていることが考えられる。
■コアな視聴者層を獲得しくぎづけにする『新宿野戦病院』
同じくフジテレビの『新宿野戦病院』も男女の注目度の差が大きく、女性からの支持が高い作品。世帯視聴率と注目度は初回から低下しているものの、継続視聴者の心をしっかりと掴んでいることが読み取れる。小池栄子と仲野太賀のW主演、そして宮藤官九郎脚本による独特の世界観が、コアな視聴者層を獲得していることの要因だろう。
このように、7月クール夏ドラマは作品それぞれに異なる魅力があり、それが注目度の高さに繋がっていることが分かる。夏ドラマの勝者は果たしてどの作品になるのか、最後まで目が離せない。
■本ランキングのより詳細な分析を紹介する「視聴質ブログ」
REVISIO「視聴質ブログ」では、本ランキングのより詳細な分析結果を紹介。同ブログでは、他にもバラエティ番組注目度ランキングやテレビCMの分析など、さまざまなコンテンツを用意している。
視聴質ブログ:https://revisio.co.jp/blog/c8xuaZBx
■テレビ番組の視聴率・注目度を無料でチェックできる「RE.Source」
REVISIOでは、視聴者がテレビに目線をどれだけ向けたかという視聴データを毎秒で独自に取得している。REVISIOの視聴データ公開サイト「RE.Source」では、過去1週間の関東・関西地域での地上波6局7チャンネルの世帯視聴率・注目度を毎日更新中。誰でも無料で視聴できる。
RE.Source:https://rating.revisio.co.jp/
■今回分析に利用した指標について
注目度とは、テレビの前にいる人(滞在者)のうち、テレビ画面に視線を向けていた人(注視者)の割合を表す。シーンに注目している度合いがわかる。