フジテレビ、世界初の映像伝送技術が評価!東京マラソン2023中継で新技術を活用
編集部
【表彰式の様子】東京マラソン5GSA活用プロジェクトメンバー
フジテレビの「東京マラソン2023での5GSAのSLA保証型ネットワークスライシング技術の番組制作活用」が、11月24日(金)、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)主催の「MCPCアワード2023」表彰式において、ユーザー部門「モバイルテクノロジー賞」を受賞した。
「MCPCアワード」のユーザー部門は、モバイルシステムやIoT、AI、Robotなどの先進技術を活用したユーザー事例を紹介し、社会貢献度、顧客満足度向上、企業業績の向上などの観点から、システム導入、活用における優れた事例の表彰と、その取り組みを広く普及促進することを目的として設定され、「モバイルテクノロジー賞」は、その中でも最先端の技術を効果的に活用している事例を表彰するものである。
今回の受賞事績は、フジテレビが2023年3月5日に放送した『東京マラソン2023』の中継において、KDDI株式会社と共同で商用の5Gスタンドアローン方式(※注1/以下、5GSA)によるSLA(※注2)保証型ネットワークスライシング技術を用いた地上波放送の番組制作に世界で初めて成功したものである。SLA保証型ネットワークスライシング技術とは、通信回線を用途ごとに論理的に分離して、特定の用途に必要な通信品質を保証する技術。5G専用の通信ネットワーク設備から成る5GSAで実現された。
従来のLTEや5G回線は、通信品質が保証されないベストエフォート型で提供されるのが一般的であったが、今回は一般用途のネットワークと論理的に分離された映像伝送専用のSLA保証型ネットワークを利用することで、高品質で安定したワイヤレスカメラ映像を伝送することが可能になった。本取り組みの先進技術へのチャレンジ、新たな価値の創出とその効果が顕著であったことが評価され、本アワードの受賞に繋がった。
(注1)5G基地局に5G専用のコアネットワーク設備を組み合わせるシステム
(注2)Service Level Agreementの略
※MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)とは
業界の枠を越えてモバイルコンピューティング、IoT/M2Mシステムを普及促進することを目的とし、1997年に発足した任意団体。端末インターフェースガイドラインおよび、Bluetoothなど多数の標準化作業をはじめ、「セキュリティ対策ガイド」発行、「モバイルシステム技術検定」実施などを通して、モバイル、IoT/AIの普及拡大に貢献している。
東京マラソン5GSA活用プロジェクトメンバー代表・飯田智之(フジテレビ技術戦略部) コメント
5Gを番組制作に活用するには課題もありましたが、果敢なチャレンジ精神と地道な実行力を併せ持ったチーム全員で障壁を乗り越え、『東京マラソン2023』中継において世界初の実績を残すことができました。栄えある受賞を今後の糧に、リードユーザーとして、引き続き新しい技術の活用を模索していきたいと思います