「TVer Sales Awards 2021」Gold Partner受賞企業と語る「TVer広告」の現在と未来 〜TVer×セプテーニ担当者対談
マーケティングライター 天谷窓大
左から株式会社TVer 伊藤有弥氏、Septeni Japan株式会社 中島彩也香氏、仙波学氏
民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」を運営する株式会社TVer(以下:TVer社)では、2021年より「TVer広告」と「TVer Sales Awards」をスタート。4月27日(水)には2度目の開催となる「TVer Sales Awards 2021」が発表され、「TVer広告」をセールスするパートナー企業を表彰した。
この賞では、「TVer広告」への出稿金額上位3社の広告会社に「Gold Partner」「Silver Partner」「Bronze Partner」を授与。「Gold Partner」受賞社とTVer社の間では、特別なパートナープログラムが進行される。
今回は、「TVer Sales Awards 2021」にて「Gold Partner」を受賞した株式会社セプテーニの取り組みについて、Septeni Japan株式会社 パフォーマンスグロース本部の中島彩也香氏、仙波学氏、TVer社 広告事業本部の伊藤有弥氏との対談を行った。昨今さまざまな動画広告媒体が生まれるなか、2021年度もっとも「TVer広告」を売り上げた広告会社の目線から見たTVerの強み、そして今後への展望を探る。
※撮影のためにマスクを外していますが、対談はマスク着用の上行われました。
■セプテーニを「Gold Partner」受賞に導いた「デジタル認知」の取り組み
伊藤氏:まずは中島さん、仙波さんのそれぞれの御社での担務を改めてお伺いさせていただけますでしょうか。
中島氏:営業組織であるパフォーマンスグロース本部に所属しており、美容・コスメ・メーカーの顧客を中心に担当しております。主に運用型広告における顧客のKPIを達成し、足元の広告効果を上げるための分析・施策立案・提案などを行います。その他、フロント業務だけではなく、課長としてメンバー育成・マネジメントも行っております。
仙波氏:中島同様に営業組織に所属し、セントラルメディアグロース室(CMG室)という部署に属しています。CMG室は、ソリューションやメディアなどのプロフェッショナルな知見をもとに、営業とともに顧客へのサポートを行っています。私は、その中でも横断したメディア知見や情報を武器に、ブランディング領域を中心とした施策推進を担っています。
伊藤氏:この度は「TVer Sales Awards 2021」での「Gold Partner」受賞、おめでとうございます。今回の受賞にあたって、社内での反響はいかがでしょうか?
仙波氏:「Gold Partner」受賞を受けて、社内は非常に盛り上がっています。例えば、弊社のマーケティング本部では、2021年よりコネクテッドTVに掲載される広告へ非常に力を入れていますが、今回の受賞を受け、TVerさんと積極的に連携したいという声が上がっています。TVerさんから名実ともに「最上級のパートナー」として認めていただいたということはセールストークにおいても、大きな“つかみ”になっており、社内外ともに大きな原動力となっています。
伊藤氏:この勢いで、2年連続で受賞も……?(笑)
仙波氏:弊社としてはもちろん狙っています。現在進行していただいている特別なパートナープログラムはもちろん、それに留まらずソリューション開発をするためにも「Gold Partner」の称号は死守したいと考えています。
伊藤氏:2021年度もっとも「TVer広告」をセールスいただいた背景として、具体的にはこの一年間どのような取り組みを進めてこられたのでしょうか。
仙波氏:セプテーニ全体としては、ダイレクトレスポンスマーケティングに留まらず、さらなるブランド認知やアクイジションを目的とし、フルファネルでのマーケティング設計に取り組んできました。
その中で、この一年は「TVer広告」の活用も増えています。多くの事例を通して、媒体としての特長の把握をはじめ、評価軸の創出やクリエイティブに関する知見を積み上げてきました。
■デジタル広告出稿先として、広告主がまず挙げる「TVer広告」
伊藤氏:肌感として、デジタル広告出稿先としてのTVerの認知は広まったと感じますか?
仙波氏:増えてきたと感じます。電通グループとの協業案件や認知目的の案件において、TVerは候補に挙がるメディアとなってきています。弊社ではかねてからYouTubeなどのインストリーム動画広告に力を入れてきましたが、現在は「TVerとYouTubeを組み合わせてリーチを取りに行く」といったアプローチも多くなっています。
伊藤氏:実際の広告主側の反応はいかがでしょう?
中島氏:広告主からも、出稿先として「TVer広告」が挙がる機会が増えてきました。いわゆるアッパーファネルの動画広告としても非常に有用と感じているので、引き続き啓発していきたいと思っています。
伊藤氏:差し支えなければ、広告主側から「TVer広告」がどのような面で評価されているのか、具体的なポイントをお聞かせいただけますか?
中島氏:非常に評価をいただいているのが、ブランドリフト効果の大きさです。「『TVer広告』のブランドリフト調査では、数字が上がっているのを実感する」と、実際に大きな反響をいただいています。
調査の設計についても、「TVer広告」のブランドリフト調査では決められた設問しかできないというわけではなく、個別の質問設計も一緒になって行えるという点も高く評価されています。ブランドリフトにつながった具体的な要素が可視化されることによって、次のアクションにつながるデータを得ることができる、との声をいただいています。
伊藤氏:さまざまな動画媒体があるなかで、媒体としての「TVer広告」にどのような強みやメリットを感じますか?
中島氏:完視聴率の高さとコンテンツの幅広さは非常にインパクトを感じるところです。出稿する広告主のサービスとの親和性が高く、KPIに合致した提案がしやすいと感じます。MAU(月間アクティブユーザー)も多く、これが結果としてCPMの割安感にもつながっています。
仙波氏:TVerは安心安全なプロコンテンツが充実しており、視聴の質が高いというイメージがあります。多くの広告主にとって広告を介したブランドリフトに焦点があたるなか、TVerはサービス認知や広告想起における心理変容があらわれやすく、非常に良い広告面を持った媒体であると感じています。
中島氏:これまで、動画広告といえばYouTube一本、という広告主が多かったのですが、ここへ来て「TVer広告」の良さが認知され、「TVerとYouTubeに出稿したい」と、並列して名前が挙げられることが多くなりました。CGM(ユーザー生成コンテンツ)が主軸であるYouTubeだけでは得られない効果が「TVer広告」には期待されているようです。
伊藤氏:先にもあがったとおり、セプテーニさんとTVer社との間では、「Gold Partner」として特別なパートナープログラムを進行させていただいています。これからの取り組みについて、媒体社としてのTVerにはどのような印象を感じられていますか?
中島氏:私自身、もともと媒体の方と“共創”するスタイルで進めてきましたが、そのなかでもTVerさんは非常に柔軟なコミュニケーションを取ってくださっていると感じます。現実的に難しいのではないかと感じる要望を広告主からいただくこともありましたが、親身になって一緒に考えていただき、明確な線引きを設定したうえで折衷案を示していただけたのは大変助かりました。
伊藤氏:TVer社としても、セプテーニさんとの特別なパートナー関係は、とても大きな意義を感じています。「TVer広告」を本格リリースした昨年4月当時では、反響や効果が未知数であるにもかかわらず積極的に一緒にセールスいただきました。その効果のデータを集めることでエビデンスとなり、よりよい広告商品のアップデートにつなげることができます。業界先駆者であるセプテーニさんに先行してセールスいただくことで、「TVer広告」という商品が磨かれ輝いていくと考えます。
中島氏:そう言っていただけて光栄です。弊社としてもTVerの“Gold Parner”という位置づけは今後営業面でも大きなインパクトを与えることができます。まさに良いことづくめです。
伊藤氏:テレビ局からの出向者の私は、テレビを軸としたメディアプランニングに触れ続けてきましたが、その反面、インターネット広告、動画広告において「TVer広告」がどのような立ち位置であるかを把握する必要性がありました。そんななか、デジタルマーケティング領域に強みを持つ広告会社であるセプテーニさんとこのような形で綿密に連携させていただけていることは、TVer社としても非常に大きな資産になっています。
■TVer×セプテーニ「コネクテッドTV時代」の到来に向かう次の一手
伊藤氏:セプテーニさんでは、コネクテッドTV広告の販売に積極的に取り組まれているというお話がありました。貴重な機会ですので、最後にコネクテッドTVなどのデバイスを含めた今後の動画広告全体の展望を踏まえつつ、そのなかでTVerがアジャストしていくための見立てについてご意見を伺えればと思います。
仙波氏:今後、動画広告の市場規模は、さらなる勢いで拡張していくと思います。媒体における広告のフォーマットもより洗練され、動画広告のニーズは引き続き右肩上がりになっていくと予想されます。なかでもコネクテッドTVの活用率は、向こう2〜3年でさらに大きく跳ね上がっていくでしょう。
弊社では社内に「CTV(コネクテッドTV)LABO」という各領域の専門性が高いメンバーで組成しているプロジェクトを設けています。このLABOでは、コネクテッドTVに関する施策提案から実行はもちろんのこと、ケーパビリティ開発、配信実績の分析、クリエイティブ分析など、多方面で総合的な研究を行っています。リソースを大きく割いて商機を狙っていますが、今後、まさにこの部分をTVerさんとも一緒になって推し進めていきたいと考えています。
スマホとコネクテッドTVでは、視聴のされ方もユーザー層も異なります。こうしたデバイスごとの広告効果の可視化や、それぞれに親和性の高いクリエイティブの知見を開拓していけたらと思います。
伊藤氏: PC・スマホ・コネクテッドTVそれぞれのデバイスに特化した“クリエイティブ戦略”は確実に求められそうですね。
仙波氏:例えば、しっかりと画面を見るスマホユーザーをミドルファネルとして捉え、コネクテッドTVではさらにそれより上のファネルを狙う、といった使い分けをするなんてこともできそうですね。
伊藤氏:TVer社内でも、「コネクテッドTV」はバズワードとなり非常に注目しています。そもそもTVerのコンテンツがテレビ由来のものですので、テレビ画面での視聴に慣れたコンテンツが流れています。
仙波氏:コネクテッドTVに対する広告主の関心は非常に高く、今後「コネクテッドTVに配信したら、どのような広告効果が期待できるか? 例えば、売り上げにどの程度寄与するか?」という問いに答えを出すことがマストとなっています。TVerさんとはぜひ、このあたりの広告効果の可視化に関するソリューションも一緒に展開していきたいです。
中島氏:いまはまだ、コネクテッドTVの具体的な活用法や、コネクテッドTVとフレンドリーな表現の仕方などを、広告主も広告会社も探っているフェーズであると思います。どんどん新たな表現が生まれていくと思いますし、そういう意味では非常に楽しみにしているところです。
一方、ダイレクトレスポンス広告を長らく手がけてきた立場から見ると、広告主にとっては「デジタル広告はしっかり“数字”に出てくるのが当たり前」とされているのが実情です。具体的な効果測定のかたちについてはさらなる精緻化の余地があるとも言え、このあたりも並行して取り組んでいかなければならないと感じます。
ソリューション的な開発はもちろん、「現状まだ見ることができていない数字が見えるようになる」と、今後さらに広告媒体としての可能性が広がっていくのではないでしょうか。
伊藤氏:テレビデバイスがどんどん浸透していく現状を見ても、やはり広告面としての効果は無視できません。セプテーニさんの「CTV LABO」とTVer社の知見をかけあわせ、業界全体の躍進に一石を投じるコネクテッドTV施策を展開できたらと思います。
〜テレビ局のプロが作った番組に最適なタイミングで配信〜
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