TVer広告の開発ロードマップ & 「TVer SalesAwards2021」発表 〜TVer Biz Conference 2022レポート(第4回)
編集部
株式会社TVer 代表取締役社長 龍宝正峰氏
株式会社TVer(以下、TVer社)のオンラインカンファレンスイベント『TVer Biz Conference 2022』が、2022年4月27日に開催。同月1日にフルリニューアルを実施した民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」(以下、TVer)のサービス概況をはじめ、急激な成長を続ける「TVer広告」の戦略方針、広告主や放送局の担当者らを交えたトークセッションなどが行われた。
TVer社からは、同社代表取締役社長・龍宝正峰氏、取締役・須賀久彌氏、プロダクトオーナー室 室長・中島和哉氏、広告営業部長・古田和俊氏、同広告営業部・矢部怜史氏、伊藤有弥氏が登壇。司会進行役はTBSテレビの良原安美アナウンサーが務めた。トークセッションでは動画広告の活用法、リアルタイム配信の現状と今後がテーマに掲げられた。
全4回にわたるレポートの第4回となる本稿では、株式会社TVer 事業本部 広告営業部・矢部怜史氏による「TVer広告の開発ロードマップ」、2021年4月から2022年3月にかけてTVer広告のセールスに貢献したパートナーを表彰する「TVer SalesAwards2021」をレポートする。
■「TVer広告」2022年度は「コンパニオン広告」、ターゲティングカテゴリ拡張、広告内アンケート機能をローンチ予定
矢部氏は「TVer広告」の開発方針について、同意を得たユーザーデータとコンテンツの視聴データを利用したファーストパーティデータDMPの構築と、これを用いたターゲティングとレポーティング、新しい広告枠の開発による商品メニューの強化を表明。とくにコネクテッドTVのユーザーデータは「非常に貴重性の高いデータとなる」といい、これをさらに強化していくとした。
続いて、「TVer広告」における2022年度ローンチ予定の商品として、「コンパニオン広告」と、ファーストパーティーデータを利用したアフィニティ(興味関心)ベースの拡張ターゲティング、また、ブランドリフト調査をTVer上で可能にする「TVer Surveys」を発表した。
「コンパニオン広告」は、TVerの再生画面とともに、インストリーム広告と同じ広告主の静止画広告を同時に表示する広告枠。「これまで以上に高いブランド認知効果、広告効果が期待できます」(矢部氏)
ファーストパーティデータを利用したアフィニティ(興味関心)ベースの拡張ターゲティングについては、現在17項目にわたる既存のアフィニティデータに加え、ユーザーアンケートデータやコンテンツの視聴データなどをベースに、機械学習を用いて新たなターゲティングのカテゴリーを推計、拡張する。
「現在『教育・子育て』というアフィニティカテゴリーが存在するが、ここからさらに『未就学児がいる家庭』というようにカテゴリーの細分化を行い、よりニーズに応えるターゲティングカテゴリーを作ってまいります」(矢部氏)
「TVer Surveys」は、インストリーム広告枠において、ユーザーへのダイレクトなアンケート調査が行える商品。「TVer広告に配信いただいた広告主様のブランドリフト効果を、TVer広告のプラットフォーム上でスピーディーに可視化することができます」と矢部氏は語り、「いままで以上に広告主様のマーケティングに寄与できるものと考えています」と強調した。
これに加え、矢部氏は、「TVerID」を活用した広告配信についても言及。
PC、ブラウザ、スマートフォンアプリ、コネクテッドTVの各デバイスを横断したデバイスターゲティング、ならびにレポーティングの機能の準備を進めていると語り、「『TVerID』を活用した広告配信に関してもご期待いただきたい」と呼びかけた。
■「TVer SalesAwards2021」ゴールドパートナー賞は株式会社セプテーニ
カンファレンス終盤、2021年4月から2022年3月にかけてTVer広告のセールスに貢献したパートナーを表彰する「TVer SalesAwards2021」の受賞社を発表。株式会社TVer 代表取締役社長・龍宝正峰氏がプレゼンターを務めた。
同賞では、「TVer広告」への出稿金額上位3社に「Gold Partner」「Silver Partner」「Bronze Partnet」を表彰するほか、「TVer広告」の成長に貢献した広告会社に「特別賞」、TVerへのアクセス時に表示されるバナー枠「エントランスAD」でもっとも多くの出稿を広告会社に「ディスプレイ賞」を授与。受賞した広告会社とTVer社の間では特別なパートナープログラムが進行される。
「Gold Partner」に輝いたのは、株式会社セプテーニ。Septeni Japan株式会社の本間崇司氏が、TVer龍宝氏より記念のトロフィーを受け取った。
受賞に際し、本間氏は、「1年前から非常に注力して販売させていただいた経緯がありますので、しっかりと結果残せて非常に嬉しく感じております」とコメント。「引き続き注力して販売を続け、業界をしっかりと牽引できるよう頑張っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします」と挨拶を述べた。
「シルパーパートナー賞」は株式会社ADKマーケティングソリューションズ、「ブロンズパートナー賞」はグループエム・ジャパン株式会社。「特別賞」を株式会社日本経済広告社、「ディスプレイ賞」を株式会社博報堂DYメディアパートナーズがそれぞれ受賞した。
次年度「TVer SalesAwards2022」の対象期間は、2022年4月から2023年3月までの1年間。来年2023年5月に開催予定の『TVer Biz Conference 2023』にて、同賞の発表、ならびに授賞式が行われる。
■「TVer広告」は予想を上回るグロース。デジタル・ローカル広告会社との取引も増加
最後に『TVer Biz Conference 2022』を締めくくり、TVer 龍宝氏が挨拶。2022年4月より本格スタートしたリアルタイム配信について「定着したVODサービスとともに、放送局と連携しながら積極的に進めていきたい」と抱負を語った。
さらに、TVerにおけるこの1年間の広告事業の成長について、「想像以上に大きくグロースさせていただくことができました」とコメント。「目標を大きく上回る200社以上の広告会社様、533社の広告主様とお付き合いさせていただき、非常に大きな成果を上げることができました」とし、「なかでもデジタル専業と言われる広告会社のみなさま、ローカルの広告会社のみなさまと深いコミュニケーションが取れるようになったことが大きな成果」と強調した。
「ファーストパーティデータの拡充や、オリジナルのクリエイティブ出稿など、マーケターのみなさまにいろんな形でご利用いただき、評価をいただいていることがわかってきました」と龍宝氏。「さらに使い勝手の良いプロダクトを作り、みなさまに利用していただきやすい広告メディアとして成長していきたいと思います」と述べ、カンファレンスを締めくくった。
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