コネクテッドTVとは? その定義と仕組みをシンプルに解説
編集者/ライター 村田智博(TAPE)
近年、デジタルマーケティング業界を中心に「コネクテッドTV」という言葉が聞かれるようになりました。放送波で送られてくる番組を楽しむための従来のTVから、インターネットを介して配信される動画なども視聴できるデバイスとして端末として進化したこともそうですが、「TVer」や「Netflix」「Amazon Prime Video」などのインターネット動画サービス自体の普及もその背景にあるようです。
この記事では、「コネクテッドTV」の定義や仕組みを中心に解説していきます。
Index
・「コネクテッドTV」とは? 何とコネクトしているの?
・「コネクテッドTV」はどのように使うモノなのか?
・「コネクテッドTV」で楽しめるコンテンツ
・「コネクテッドTV」の普及と広告配信
■「コネクテッドTV」とは? 何とコネクトしているの?
「コネクテッドTV」とは、インターネットと接続しているTVのことです(接続の方法は複数ある)。 「コネクテッドTV(=Connected TV)」の"コネクト"は「接続する」という意味。
映像の受像機としてのTVの楽しみ方が広がってきているんですね。地上波や衛星放送などの番組を楽しむだけだったTVが、インターネットに繋がることで、より多くのコンテンツが大画面で楽しめるようになりました。もちろん、インターネット回線の高速化・大容量化が背景にあることは言うまでもありません。
視聴者からみても、コンテンツ提供者や業界関係者からみても、これは大きな変化に違いありません。
■「コネクテッドTV」はどのように使うモノなのか?
一言で「インターネットに接続しているTV」と言いましたが、TVがインターネットに接続し「コネクテッドTV」として使えるようになるには、いくつかの仕組みがあります。
<1>スマートTVで直接接続
TV自体がインターネットに直接繋がり、動画配信プラットフォーム、いわゆる「OTTサービス」(Over The Top:動画配信サービス)などのアプリをインストールして、TVのリモコン等を操作して動画コンテンツやSNSを楽しむことができます。
<2>ストリーミングデバイスを経由して接続
スマートTVではない従来のTVでも、Amazonの「Fire TV」やGoogleの「Chromecast」、Appleの「Apple TV」といったデバイスをTVに繋ぐことでコネクテッドTV化させることができます。デバイスをインターネットに接続することで、デバイス内にインストールされたアプリケーションを経由してコンテンツを楽しむことができます。
<3>ゲーム機など外部機器を経由して接続
PlayStation(PlayStation3以降)やXbox(Xbox360以降)などのゲーム機や、ネット対応のブルーレイプレイヤーなど、外部機器を経由してTVを「コネクテッドTV」として楽しむこともできます。
■「コネクテッドTV」で楽しめるコンテンツ
記事の冒頭でも触れたとおり、「コネクテッドTV」では、地上波や衛星放送などの放送コンテンツだけでなく、インターネットを通じて、無料で利用できる広告運営動画配信サービス(ADVOD)・定額制動画配信(SVOD)などのサービスを含め、さまざまなコンテンツを楽しむことができます。
日本の民放各局の番組を無料で楽しめる「TVer」や、映画やドラマ、アニメなどのオンデマンド配信をしている「Netflix」「Amazon Prime Video」「Hulu」、スポーツ専門の映像を配信する「DAZN」はもとより、スマートフォン向けコンテンツという印象も強い「YouTube」も観ることができます。
■「コネクテッドTV」の普及と広告配信
ビデオリサーチ社の調査によると、【図表1】の通り、TVデバイスのネット結線率は、2015年に東京50Km圏の24.5%でしたが、2021年には52.1%と半数を超える結果となったといいます。
2015年からの7年で2倍以上に増加しており、21年の調査ですから、現在はその割合はより高まってきていると考えられますね。
また、株式会社CARTA HOLDINGSのグループ会社である株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI)が、2022年2月28日に「動画配信サービス デバイス別視聴割合」を発表しています。これによると、コネクテッド TVで動画配信サービスを視聴する割合が、2020年6月と比較して5.3ポイント増の 28.2%まで増加。TVで動画を見る人の割合がかなりの割合で増えているようです。
大画面での視聴に適したスポーツや映画、ドラマ、TVの見逃し配信などの動画配信サービスの利用拡大に伴い、コネクテッド TV は今後ますます定着化していくと想定しているようです。
ユーザー数の高まりに応じて注目されているのが、コネクテッドTVにおける広告配信です。次回はこの「コネクテッドTVにおける広告配信」をテーマにお届けします。
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