小学生のネット動画事情【こども×デジタル研究②】~16-18時台と夕食後の20時台がネット動画視聴のゴールデンタイム「やってみた」系動画とゲーム実況が2強~
ビデオリサーチ ソリューション室 マーケティングソリューション部 マーケティング担当 寺出朋子
前編「小学生のデジタル事情」では、小学生のインターネット利用では、突出してネット動画視聴が多いことが明らかになりました。後編では、小学生のネット動画利用実態をさらに深堀していきます。
子どもの生活者調査「Kids/ex」では、特定1週間のメディア接触や生活行動を日記式で調査しています。
【前編】小学生のデジタル事情【こども×デジタル研究①】~小学生のネット利用は増加傾向、子どものネット利用に対する親の意識も変化~
「Kids/ex」:子どもの生活者調査「Kids/ex」では、特定1週間のメディア接触や生活行動を日記式で調査しています
【目次】
【1】小学校から帰宅後の16~18時台と夕食後の20時台がネット動画視聴のゴールデンタイム
【2】動画ジャンルでは「やってみた」系動画とゲーム実況が2強
【3】ネット動画で興味を起こさせる商品ジャンルは「ゲーム機器・ソフト」
【4】まとめ
【1】小学校から帰宅後の16~18時台と夕食後の20時台がネット動画視聴のゴールデンタイム
ネット動画の視聴行動の時間帯を見ると、小学校から帰宅して夕食前までの16~18時、夕食後の20時での利用率が高いことが分かります。また経年変化を見ると2020年は、2018-19年に比べ、どの時間帯でも利用率が高いことが分かります。時間がピークの20時台でも、2018年から年々利用率も増加しています。
2020年は16・18時台に利用率が増加しているのも特徴的です。2018・19年には17時台のみ利用率が高い傾向でしたが、2020年には16~18時台まで利用率が上がったままで、視聴時間が広がっていることがうかがえます。
【図表5 ネット動画視聴の毎60分行動率(週平均/自宅内)】
【2】動画ジャンルでは「やってみた」系動画とゲーム実況が2強
小学生の好きな動画ジャンルを2018年と2020年で比較してみると、「おもしろ動画(やってみた系動画)」と「ゲーム実況」が変わらずTOP2でした。どちらのジャンルも2018年よりスコアが高くなっており、人気の高まりがみられます。また、「アニメ」は元々人気のあるジャンルですが、2020年データでは2018年より約10pt上昇し、順位も3位に上がっています。「おもしろ動画」や「ゲーム実況」といった新しい動画ジャンルが入ってきている中で、王道のアニメも高い人気を得ています。
ジャンルの移り変わりで見ると、2020年では、2018年にランクインしていた「商品・サービス紹介」や「スポーツ関連」の動画がTOP10外になり、代わりに「ダンス動画」が7位にランクインしています。ここ最近、プロ、アマチュア問わず、踊ってみた動画の投稿が増えてきていることも人気を上げた要因の一つかもしれません。
このように小学生の好きな動画ジャンルを経年で比較すると、数年であってもランキングに変動があることが分かります。
【図表6 ネット動画の好きなジャンル(TOP10)】
【3】ネット動画で興味を起こさせる商品ジャンルは「ゲーム機器・ソフト」
最後に、ネット動画で、子どもに興味を起こさせる商品ジャンルについて見てみましょう。最も興味関心の高い商品ジャンルは「ゲーム機器・ソフト」で、次いで、「玩具」「家族のレジャー関連」でした。
「ゲーム機器・ソフト」は年々上昇しており、2018年から2020年では約16ptも高くなっており、他の商品ジャンルを引き離しています。先ほどの「ネット動画の好きなジャンルランキング」でも、ゲーム実況は2位と高い順位でした。動画ジャンル自体の人気の高さというのもあり、芸能人や人気YouTuber等が実況しているゲームを自分もやってみたいという気持ちに繋がっているようです。
【図表7 ネット動画によって子どもに興味を起こさせる商品ジャンル】
【4】まとめ
ネット動画の利用時間は、16~18時台で広がってきていることが分かります。また、小学生の好きな動画ジャンルについても、数年前と比較しても変化が見られ、小学生のネット動画の利用実態は、こまめにアップデートしていく必要がありそうです。
コロナ禍により自宅内で過ごす時間が増えたことで、子どもの娯楽や学習など多岐に渡ってネット動画が利用されていくでしょう。今後もKids/exデータにて、子どもたちの変化を捉え、最新の子どもの実態をご紹介していきます。