TVerアワードW受賞のドラマ『恋つづ』と女性ティーン層の視聴実態の関連性~Screens × ビデオリサーチ × マイナビ 共同調査・研究レポート【中編】
編集部
巷では“若年層のテレビ離れ”が叫ばれて久しいが、今やテレビコンテンツの視聴スタイルは「テレビ受像機で放送を視聴する」だけにとどまらず、多種多様になっている。Screens編集部では、その実態を把握するため、株式会社ビデオリサーチの「ひと研究所」、株式会社マイナビが運営するティーン層を対象にしたメディア「マイナビティーンズ」と共同で「ティーン層 × テレビコンテンツ エンゲージメントを高めるためのポイントを探る」をテーマに調査を実施した。それぞれが持つアセットを活かした分析結果を、前・中・後編に分けてお届けする。
【関連記事】“若年層のテレビ離れ”その実態を探る~Screens × ビデオリサーチ × マイナビ 共同調査・研究レポート【前編】
前編は、今回の調査でまとめた「ティーン層のテレビ視聴動向」を中心にレポート。この中編では、2020年1月期に放送され、同年のTVerの再生回数において最高値を記録したTBSのドラマ『恋はつづくよどこまでも』(以下、『恋つづ』)を題材に、女性ティーン層のテレビ視聴の実像に迫っていく。
■ドラマ『恋つづ』はテレビコンテンツを届ける動画の成功例
『恋つづ』は、「TVerアワード2020」(2020年1月1日~12月31日の間に地上波・衛星波で放送され、TVerにて配信されたコンテンツが対象。再生回数により各賞を決定)で、シーズンを通して最も多くの再生回数を記録したドラマに授与される「ドラマ大賞」と、エピソード単位で最も多くの再生回数を記録したドラマに授与される「ドラマエピソード賞」をW受賞。全話合計で1878万回、最終話で355万回の再生をそれぞれ記録した。
【関連記事】『恋つづ』TVerアワード2020で「ドラマ大賞・ドラマエピソード賞」をW受賞
そして、マイナビが運営するティーン層を対象にしたメディア「マイナビティーンズ」においても、「ティーンが選ぶトレンドランキング2020(上半期)」で、『恋つづ』および関連するキーワードが上位にランクイン。【ヒト篇】で主演の「佐藤健」が1位、主題歌を担当した「Official髭男dism」が2位、【コト篇】ではドラマ『恋つづ』がトップ、7位には「佐藤健とライン」がランクインしている。
2020年上半期 ティーンが選ぶトレンドランキング
※2020年に流行した「ヒト・コト・モノ・コトバ」の4ジャンルについて、13〜19歳の女性503名のアンケート回答を集計
→ https://teenslab.mynavi.jp/column/2020kamihankitrend/
このランキングを見ると、テレビ由来のコンテンツである『恋つづ』が、「トレンド」という多種多様な競争相手がひしめく市場で、抜きん出た支持を集めていたということが分かる。
では実際、ティーン層はどのように『恋つづ』を視聴したのか。今回の調査・研究のために3社共同で実施した、全国の13~19歳の女性(300人)を対象に実施したインターネット調査結果より、その実態を見ていきたい。女性ティーン層のテレビ視聴動向と併せて、特に『恋つづ』を視聴したグループの特徴を探っていく。
約50%がスマホ経由でテレビ由来のコンテンツを視聴しており、利用アプリ(サービス)は、TVer、YouTubeなど様々。ちなみに、『恋つづ』に関しては、調査対象の約56%が視聴しており、特に見逃し配信でよく見られていた。
今回、ビデオリサーチ・ひと研究所が、テレビのリアルタイム視聴を高頻度/低頻度/非視聴で行うそれぞれの層に特徴があることに着目、『恋つづ』の視聴動向も参照しながら分析。女性ティーン層をターゲットにした、テレビ番組視聴促進となる施策のヒントを得るべく掘り下げていった。
●テレビ視聴とネット動画視聴は必ずしも相反する関係にあるわけではなく、テレビをよく見る人ほどネット動画もよく見るという関係が見られた。
●個々のニーズに合わせ、テレビのリアルタイム視聴やスマホでの見逃し配信の視聴などを、うまく使い分けている。
●もっとテレビコンテンツを見てもらうために注目すべきキーワードは「推し」「繰り返し視聴」「家族との共視聴」「おすすめ」の4つ。
これらの詳報については、下記リンクより、ひと研究所 渡辺庸人氏による解説記事をご覧いただきたい。
【ビデオリサーチ・ひと研究所 渡辺庸人氏による解説記事】女性ティーン層のテレビ視聴の実態とアプローチのヒント〜Screens×ビデオリサーチ×マイナビ共同調査より
続く後編では、この調査結果を踏まえて、女性ティーン層へのアプローチ方法について考察していく。