有音視聴完了率84.6% 広告媒体としてのTVerの強み 『TVer Conference 2020』レポート(後編)
編集部
左から)古田和俊氏、龍宝正峰氏、中島和哉氏
株式会社TVerのオンラインカンファレンスイベント『TVer Conference 2020』が、2020年10月26日に開催され、同社代表取締役社長の龍宝正峰氏、サービス運営本部TVer事業室長兼マーケティング部長の中島和哉氏、広告営業部部長の古田和俊氏が登壇。この日サービス開始から5周年を迎えた民放公式テレビポータル「TVer」について、最新の利用状況が発表された。
株式会社TVerのオンラインカンファレンスイベント『TVer Conference 2020』が、2020年10月26日に開催され、同社代表取締役社長の龍宝正峰氏、サービス運営本部TVer事業室長兼マーケティング部長の中島和哉氏、広告営業部部長の古田和俊氏が登壇。この日サービス開始から5周年を迎えた民放公式キャッチアップサービス「TVer」について、最新の利用状況が発表された。
■有音視聴完了率は「84.6%」 TVer広告の高い認知性をアピール
古田氏はTVer広告における視聴完了率について、「30秒CMでも90%以上の視聴完了率」と、その高さをアピール。ビデオリサーチの調査によると、TVerにおける専念視聴の割合は60%以上を記録。他の無料動画投稿サイトと比較しても高い数字になっているという。
テレビ番組の配信という性質上、「基本的にはコンテンツが音声ありで再生されている」と、古田氏はTVer広告のビューアビリティの高さを説明。
音声ありの状態で完視聴率について、TwitterやFacebookなどのSNSのインフィード広告では2%程度、無料動画投稿サイトでも46%程度であるのに対し、TVerでは約85%ときわめて高い結果を記録しているとし、「民放キャッチアップ広告は、広告認知のうえで非常に有効な媒体」とアピールした。
■ブランドセーフティ面のメリットもアピール
「そもそも広告が入ることを前提にコンテンツが作られているので、コンテンツの途中に突然CMが入ることがない」と古田氏。「無料動画投稿サイトと比較しても違和感なく広告が受け入れられており、広告に対する嫌悪感が少ない」と、ブランドセーフティ面でのメリットも強調する。
「地上波の放送基準を守った安心・安全なコンテンツだけが配信されており、権利処理がされていない違法動画は配信されていない」と古田氏。広告主から見てもTVerは信頼性の高い広告媒体であるとし、「大切な広告費が、権利処理されていないなどのコンプライアンスに違反しているようなコンテンツに流れることはない」と、安心を強くアピールした。
■コネクテッドTV向けの広告配信にもまもなく対応
スマートテレビやOTT(Over The Top:インターネットを介した番組配信)などの、いわゆる「コネクテッドTV」においても、TVerがセールスする広告の配信が可能になるという。
コンテンツについてはすでに対応済み。広告に関しても、民放各局独自の配信サービスではすでに対応できており、TVerがセールスする商品については、間もなく接続テストが終わる予定であるとした。(11月11日現在で対応済み)
現在出荷されている最新型のテレビの多くにTVerアプリがプリインストールされているほか、既存のテレビにおいても、AmazonのFire TV StickやGoogleのChromecastを使用することでテレビデバイスを通じた視聴が可能になる、と古田氏。コネクテッドTVの広告市場規模は今後5年間で5倍程度に成長するという調査結果を紹介しつつ、TVerとしても注力する考えを示した。
さらに古田氏は、TVer全体におけるコネクテッドTV経由での視聴比率を紹介。当初、全体の5%程度だった比率は直近で10%以上にまで増えており、9月時点の再生数比率は、PCとほぼ同数の13%まで成長。コネクテッドTVにおける広告配信に大きな期待をのぞかせた。
■TVerのさらなる進化に決意
最後に登壇したTVerの龍宝正峰社長は、まずは、このオンラインカンファレンスに広告主・広告会社関連の関係者合わせて1460名もの参加者が集まってくれたことに感謝の思いを伝えた。
また、民放各社からTVerへの出向者を増やしていると言及。「在京在阪にかぎらず、全国の放送局のコンテンツをひとつでも多く配信したい」と意気込んだ。さらに龍宝社長は「民放全部のライブ配信プラットフォームに出来るよう、準備を進めている」とライブ配信体制の強化もアピール。TVerを通じて「新しい生活環境の中で社会に貢献したい」と決意を語り、カンファレンスを締めくくった。
『TVer Conference 2020』レポート(前編)過去最高1350万MAU達成 TVer経由の“新たな視聴者層”も