日本テレビが新会社を設立しeスポーツに参入~eスポーツ事業参入発表会見レポート~
編集部
日本テレビ放送網株式会社(以下、日テレ)は、6月29日に日テレホールにおいて「日本テレビeスポーツ事業参入発表会見」を行った。日テレは傘下に新会社「アックスエンターテインメント株式会社」を設立したうえで、eスポーツチーム「AXIZ(アクシズ)」を創立してeスポーツ事業に参入する。同時にeスポーツ専門番組「eGG(エッグ)」もスタートさせることを発表した。
■将来のオリンピック競技とも期待されるeスポーツとは?
eスポーツとは、エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)の略称。複数のプレイヤーで対戦を行うコンピューターゲームを競技として捉えるもので、スポーツとして若者の間で人気が高まっている。
日本での認知度はまだ低いものの、今年8月にインドネシアのジャカルタで開催される第18回アジア競技大会ではeスポーツが公式公開(デモンストレーション)競技として採用され、将来のオリンピック競技としても期待されている。
特に欧米や日本を除くアジアでは普及が進んでおり、もともと圧倒的に多いゲーム人口を考えれば、世界的なeスポーツのポテンシャルは非常に大きいものと考えられる。
■日テレ傘下にプロeスポーツチーム「AXIZ(アクシズ)」を創立
そして、この日行われた会見では、日テレが100%子会社のeスポーツ専門の新会社「アックスエンターテインメント株式会社(以下、アックスエンターテインメント)」を設立することが発表された。

この事業は、日本テレビグループの新規事業提案制度(NTVIP)から生まれたものであり、同社代表取締役社長に就任した小林大祐氏によると、「この制度で18名からeスポーツ事業の提案があり、その全員でeスポーツシーンを研究し、今回の事業提案に至った」のだと言う。

小林社長はまず、eスポーツの素晴らしさを「誰もが参加できる競技」「試合を観ているだけで楽しく、選手やチームが闘う姿に感動」「国境を越え、世界が一つになっていく」といった視点から訴えた。
インターネットでつながることで誰でも参加できる競技シーンであり、ルールを知らなくても盛り上がることができ、チームとして闘う競技でもあるため感動を呼ぶ場面もあるのだと言う。そして世界への広がりという意味では、韓国にトップクラスの選手が多く、南米では地上波のゴールデンタイムでeスポーツが中継されていることにも触れた。
さらにこのeスポーツの素晴らしさを伝えるために、日テレはアックスエンターテインメントが運営するeスポーツチーム「AXIZ(アクシズ)」を創設することを明らかにした。

eスポーツのプロ大会に出場し、選手の練習風景などをインターネットでWeb配信し、イベントや番組にも出演するのだと言う。リアルイベント、ネット配信、テレビ番組でチームの活躍を見せていく予定だ。
■「人が主役」のeスポーツシーンを創造したい
小林社長は日テレのeスポーツ事業のビジョンを「誰もが気軽にできるeスポーツを多くの人に知ってもらいたい」のだと語る。そのためにeスポーツの観戦シーンを創り、日本ではまだネガティブな印象があるゲーマーの認識を「ポジティブなものに変えていきたい」のだと意気込みを示した。
ゲームのスキルだけではなく、選手が練習する姿、協力して勝っていく場面、スポーツマンシップを通してeスポーツの魅力を伝えていき、「インターネットの時代に生まれたeスポーツですが、人が中心であり、人が主役であるスポーツシーンを創造していきたい」と語った。

また、この会見では、eスポーツシーンの最前線を届け、日本の新たなeスポーツシーンを創造することを目指す新番組「eGG(e-Sports Good Game)」(初回放送7月19日)の放送開始も発表された。



番組MCを務め、日テレのeスポーツ事業サポートリーダーにも就任するDAIGO、MCの生駒里奈、日本のeスポーツ界では知らない人はいないというゲームキャスターの岸大河も参加し、収録の模様やeスポーツへの想いを語り会見を盛り上げた。
