日本テレビ、映像情報メディア学会で2部門3テーマが受賞!2024年に続き9年連続での受賞を果たす
編集部 2025/4/30 11:00
日本テレビ放送網株式会社(以下、日本テレビ)は、映像情報メディア学会の顕彰において、技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)で1テーマ、技術振興賞 コンテンツ技術賞で2テーマが受賞を果たした。技術振興賞は昨年に引き続き9年連続での受賞となる。
この賞は毎年、映像情報メディアに関する研究や開発等で著しい功績をあげた個人、団体に授与される。
■技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)
特殊カメラを用いた画像認識技術のスポーツCGへの応用~ゴルフ打球軌跡リアルタイム描画システムの開発と運用~
既存の打球軌跡リアルタイム描画システムにおける価格と精度のトレードオフという課題に対し、特殊カメラを活用した独自のシステムを開発した。低コストながら高精度な描画と低遅延性を実現した本システムは、既にゴルフ中継番組や生配信において実用化され、コンテンツの品質向上に貢献。今後は、ゴルフを含む多岐にわたるスポーツ分野に加え、スポーツ以外の分野への展開も視野に入れている。これらの特性、実績、及びシステム拡張の将来性が高く評価され、受賞に至った。
<受賞者コメント★起案/開発 篠田貴之、鈴鹿聖之介、鳥谷周太朗(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)>
関係者の強いチームワークによってこの成果を実現できたことを大変嬉しく思います。これまで課題となっていたゴルフ打球軌跡表現に対し、自ら新たな発想を生み出し、独自のアプローチを導入することで、コストを抑えつつ効果的に表現できるようになりました。今後も、より分かりやすく魅力的な番組作りを目指し、新たな挑戦を続けていきます。
■技術振興賞 コンテンツ技術賞
顔認証AIを活用した新番組『変顔スパイ』の制作
「変顔で顔認証AIをあざむく」という逆転の発想で自社開発AIシステムを活用し、新感覚のゲーム番組を制作した。開発においてはできるだけシンプルなシステムとなるよう工夫し、AIの現場導入におけるハードルを下げるとともに、収録・スタッフシミュレーションにおける作業の効率化を図った。
また、PC1台のみで運用可能かつ低コストで誰でも導入しやすいという手軽さが功を奏し、体験コンテンツの内製化や大型イベント出展、さらには海外への番組フォーマット販売などの広がりを見せた。アイデアの新規性や自社開発システムの汎用性、地上波の枠組みを超えたコンテンツの広がりが評価され、受賞に至った。
▼番組HP
https://www.ntv.co.jp/svf/articles/2431q13ac28pxqszzwmg.html
<受賞者コメント★企画・演出/技術 三浦祐樹氏(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)>
放送局ならではのAI活用にこだわり、あえて常識にとらわれない使い方に挑戦しました。唯一無二のビジュアルを作り上げてくださったCGチーム、制作現場の声に全力で応えてくださった開発チームの皆様、そしてたくさん変顔してくれたスタッフの皆様、ありがとうございました!
■3Dスキャンワークフローの簡易化とその活用
本開発では、3D Gaussian SplattingというAI技術を用いることで3Dスキャンのワークフローを大幅に改善し、誰でも扱いやすいシステムを目指した。主に以下の点が高い評価を受け、受賞に至った。
・スキャンの際に専用機材が必要なく、スマートフォンで撮影するだけで、映像のみからわずか数時間で3DCGを生成することが可能。
・簡単に3Dデータが生成できるようになり、多様なコンテンツへと活用できるようになった。具体的には競技コースCGの自動生成や、実寸大でのクライミングウォールのスタジオ合成、能登半島地震における被災地を閲覧できる3Dデータの実装などが挙げられる。
▼能登半島の3Dデータ
https://news.ntv.co.jp/pages/notojishinkiroku
<受賞者コメント★起案/開発 岸楓馬氏(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)戸部雄輝氏(技術統括局 コンテンツ技術運用部)>
本システムは高速で3D化できるため「映像だけでなく3Dでも伝える」ことが簡単に可能になり、新しい情報の価値提供が期待できます。これからも皆様にとって魅力的なコンテンツを届けられるよう技術開発を続けてまいります。
■過去の映像情報メディア学会 技術振興賞 受賞歴 ※受賞時の年度で記載
【2024年】
・コンテンツ技術賞:「ビデオペンシステムの開発と機能拡充」
【2023年】
・コンテンツ技術賞:「ボリュメトリックビデオを用いたプロ野球中継」
※技術協力:キヤノン株式会社
・進歩開発賞(現場運用部門):「AI自動モザイク編集ソフト「BlurOn」(ブラーオン)の開発」
※共同開発:株式会社NTTデータ
【2022年】
・進歩開発賞(現場運用部門):「AIによる業務効率化と番組新表現を実現する社内開発システム『エイディ』」
・進歩開発賞(現場運用部門):「WEBブラウザ上で動作する素材アップロードツール『クラポ』の開発」
※共同開発:日本電気株式会社 技術協力:オクルウェブ合同会社