OHK手話放送委員会メンバー

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岡山放送、手話放送の取り組みで「第70回前島密賞」を受賞!情報から誰一人取り残されない社会を目指す

編集部 2025/4/10 17:30

岡山放送株式会社(本社:岡山市北区、以下OHK)は、公益財団法人通信文化協会が主催する「第70回前島密賞」を受賞し、本日東京都内で贈呈式が行われた。30年以上継続する手話放送を通じた共生社会実現に向けた取り組みが認められ、民間放送局として初めて受賞した。

同賞は明治時代に郵政事業の基礎を築いた前島密氏の功績を記念して1955年に設けられたもので、情報通信及び放送の進歩発展に著しい功績があった人や団体に毎年贈られている。70回目となる2025年は16の個人や団体が受賞した。

OHKは1993年から30年以上にわたり、ろう者とともに手話放送を継続してきた。地域のろう団体と「OHK手話放送委員会」を立ち上げ、テレビ独自の手話表現を考案したり、的確な手話表現を追求し、現在も放送を続けている。またチャリティやボランティアに頼らない持続可能な放送スタイルを目指し、“手話協力”としてスポンサー企業名を表示するなど様々な“岡山モデル”を生み出している。さらに2022年にはスポーツのリアルタイム手話実況を日本で初めて実践し、その後も手話実況者を育成するアカデミーを設立するなど、新たな取り組みにも挑戦している。これらの“情報から誰一人取り残されない社会”の実現を目指した一連の活動が高く評価された。

表彰状を授与されるOHK中静社長(左)

OHKの受賞に際し、通信文化協会團宏明会長は「30年間にわたり、地元に密着して、地域の皆さまと一体となって手話放送を続けてこられたことは大変価値があるものと認められました。その中で、“岡山モデル”と呼ばれる様々な取り組みは国内のみならず世界からも注目・評価されており、まさに前島密賞に相応しいご功績と考えます。今後も地元の皆さまとともに、誰一人取り残されない社会の実現に向け取り組まれることを期待しています」とコメントし、OHKの今後の取り組みに期待を寄せた。

また、授賞式に参加したOHK手話放送委員会 佐藤美恵子委員長は「ろう者とテレビ局による岡山放送の番組作りは手話放送普及のモデルケースで、当事者である私たちも30年以上にわたり活動に参加できたことは大きな喜びです。今活動は、スポーツ中継や生活情報など、より身近な情報のバリアフリーへと進化を遂げていますが、情報から誰一人取り残さない社会を目指す地域メディアの挑戦は、その地で暮らす障がい者にとっても大きな安心と信頼につながり、欠かせないものとなっています」とメッセージを寄せた。

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