大会期間中のSAGA アリーナの様子
サガテレビ、SAGA2024国スポ・全障スポにてローカル5Gを活用した臨場感のある映像・音声配信を実施
編集部 2024/12/17 09:00
株式会社サガテレビ(以下、サガテレビ)は、株式会社ブロードバンドタワー(以下、ブロードバンドタワー)、NECネッツエスアイ株式会社(以下、NECネッツエスアイ)、および株式会社FLARE SYSTEMS(以下、フレアシステムズ)と連携し、2024年10月に佐賀県で開催されたSAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会(以下、SAGA2024 国スポ・全障スポ)で、ローカル5G(*1)を活用した臨場感のある映像・音声配信を実施した。
なお、本取り組みは佐賀県の「令和6年度 ローカル5G利活用等推進事業業務」の委託事業者として実施した。
*1:ローカル5Gとは自ら整備が可能な高品質な専用無線ネットワーク。大容量、低遅延通信の特徴が映像・音声の伝送に最適。
■本事業の概要
今回の取組みは、佐賀県が昨年度実施した実証事業(「ローカル5Gソリューション実証事業業務委託」)の成果(*2)を踏まえ行ったもの。SAGAアリーナに構築したローカル5Gネットワークとローカル5G対応可能なカメラを用いることで、ケーブルレスというローカル5Gのメリットを活用し、カメラマンが機動的に選手の間近で撮影することで、競技中の選手の息遣いや表情、微細な動きをリアルタイムで配信した。
配信された映像は、SAGAアリーナに来場した方のスマートフォン・タブレット端末等から無料視聴が可能で、会場内の比較的選手から遠い席でも、実況・解説付きの近接映像を試聴でき、競技フロアの選手に近い目線での高精細・低遅延で臨場感のある映像と、スタンドからの競技観戦を同時に楽しめる新しい応援スタイルを提供した。(配信を行った競技:体操・新体操・トランポリン・柔道・バレーボール(全障スポ含む))。
また、会場内にローカル5Gの紹介用ブースを設け、来場者の方の理解を促進する取り組みも実施した。
*2 : https://www.nesic.co.jp/news/2023/20231218.html
■各社の役割
○サガテレビ(サガテレビグループ)
本プロジェクトの統括および放送・実況・配信を行った。会場内での撮影・実況音声の収録などコンテンツ面をはじめ、配信サーバの統合的な管理などの中核を担った。情報番組やニュース等で、本プロジェクトの広報に取り組んだ。
○NECネッツエスアイ
本実証実験で利用するオールインワン・コア一体型ローカル5Gシステムと配信映像撮影カメラとの無線接続のため、アリーナ内の無線エリア構築をはじめローカル5G全般に関する構築を行った。
○フレアシステムズ
本実証実験で利用するオールインワン・コア一体型ローカル5G基地局製品を提供し、ローカル5Gに関する技術支援を行った。
○ブロードバンドタワー
本実証実験のローカル5Gを含む、ネットワーク設計および、本取り組みで利用する光ファイバーネットワークの通信機器(光スイッチ)の提供・設置・管理など、会場内のネットワークインフラ全般を担当した。各社と連携し、SAGAアリーナ内に本実証の説明ブースを設置し、来場した方へのアプローチと、個人のスマートフォンでの視聴方法について支援を行った。
<各社のコメント>
〇株式会社サガテレビ 営業局 営業戦略部 部長 峰松輝文 氏
SAGA2024 国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会開催地の唯一の民間放送局として、大会を盛り上げる一助になれたことを大変嬉しく思っています。これからも、弊社が持つ技術を地域に還元できるよう、既存事業の領域にとらわれず、難題に積極的に挑戦して参ります。
〇NECネッツエスアイ株式会社 ネットワークソリューション事業本部 ビジネス開発本部 本部長 高山顕氏
昨年度の実証の実績を元に、SAGA2024 国スポ・全障スポにおいて安定した通信環境の提供を通じて、高精細・低遅延の映像および音声伝送を実現することで両大会の成功に寄与することができました。当社独自のローカル5Gソリューション(*3)の提供を通じてアリーナの付加価値と利用者の満足度の向上に貢献してまいります。
*3: 東京大学及びFLARE SYSTEMSの研究を基に商用向けオールインワン・コア一体型ローカル5GシステムとしてHYPERNOVA(中型犬サイズで簡単整備)をリリース。ローカル5Gネットワークを活用して、デジタル技術を駆使し、企業や地域の課題を解決し、新たな価値を生み出す総合的なソリューション。
https://www.nesic.co.jp/solution/it-Infrastructure-it-management/network-local-5g/HYPERNOVA.html
〇株式会社FLARE SYSTEMS 技術本部長 織田和彦 氏
弊社が提供する小型・軽量・低消費電力のローカル5G基地局製品をSAGAアリーナにおける配信用映像伝送にご活用頂き、大変嬉しく思います。本実証実験では設置の容易性に加え高品質映像伝送に適した高いスループットと低ジッター性能を、期間を通じて安定的に発揮できたと自負しております。当社は、これからもローカル5Gをはじめとした技術の提供を通じて、広くローカル5Gの普及、社会課題の解決、新しい価値創造に向けたDX実現に貢献してまいります。
〇株式会社ブロードバンドタワー 取締役執行役員 クラウド・ストレージ技術担当 樺澤宏紀氏
昨年度に引き続き、SAGA2024国スポ・全障スポにおいてローカル5Gという新しい技術を活用し、SAGAサンライズパーク利用者、佐賀県民に向けて新たなイベント体験と新たな技術をご理解頂けたことをうれしく感じております。無線技術や光伝送技術が高度化し、より多くのデータ転送や低遅延インフラが求められる中、積極的に新しいテクノロジーへチャレンジし、今後も技術の普及・展開へ貢献してまいります。
■今後の展開
本取り組みはスポーツ観戦の新たな楽しみ方を提供し、アリーナにおけるローカル5Gの活用方法を具現化した事例となった。今後は、全障スポにおいて近くで観戦が困難な方への配信や、会場外からも試合状況が確認できるようにするなど、新たに顕在化した課題の解決を進めていくという。
こうした取り組みを通じて、佐賀県内でのローカル5Gの普及を促進するとともに、全国のアリーナでのイベントやスポーツ大会における付加価値の向上にむけて、各社協力していくとのこと。