日本テレビ、地上波広告におけるスポットCMの運用性向上を目的に広告会社の基幹システムとオンラインで接続する「AdRM-API」を開発中
編集部 2024/12/3 17:30
日本テレビ放送網株式会社(以下、日本テレビ)は、地上波広告においてインターネット広告と同様のリアルタイムなプログラマティック取引を実現するアドリーチマックスプラットフォーム(AdRMプラットフォーム)の開発を進めている。
AdRMプラットフォームはタイムCMやスポットCMといった既存テレビ広告の価値向上にも取り組んでおり、スポットCMの運用性を向上し、放送実績データの即時連携を実現する広告会社向けのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)「AdRM-API」を開発中。AdRM-APIは広告会社の基幹システムと直接オンラインで接続され、スポットCMにおいて放送直前までの広告クリエイティブの差し替えなどリアルタイムな運用を可能にすることで、CM進行業務の大幅な効率化や広告効果の最大化など新たな価値創出を目指す。
■AdRM-APIとは
AdRM-APIはAdRMプラットフォームと広告会社のシステムを繋ぐインターフェース。利用料は基本無料で放送実績の迅速な取得や入稿済みの広告クリエイティブや発注済みキャンペーンの詳細情報などをオンラインで取得できる。また一部の有料領域を利用することで、広告クリエイティブの直前変更など、これまでに無いスピード感でスポットCMの運用ができるようになる。
地上波広告は全国規模のリーチ力を武器に「認知メディア」としての価値を発揮し、タイムCMやスポットCMといった商品が多くの広告主のマーケティング活動に活用されてきた。一方で、より自由で柔軟な運用ニーズが高まる中、オフラインでの手作業に依存したオペレーション設計によって様々な制約が存在していた。AdRMプラットフォームの導入でオペレーションが機械化・自動化され、これまでの制約から解消されることで放送直前までの広告運用が可能になる。
■放送実績確認(無料)
広告会社は実際に放送された広告クリエイティブの実績データを最速15分後にAPIを通じて取得することが可能(※1)。また、取得する期間を指定することでキャンペーン全体の進捗を把握することもできる。従来、放送実績の通知は「放送確認書」による一括送付(月1回)となっていたが、APIによる連携スピードの向上により、広告クリエイティブの変更や追加発注などマーケティング活動の意思決定の迅速化を支援する。
※1:取得可能なデータは発注時に申請したタイム及びスポット契約、さらにアドリーチマックスの「スグリー」を通じて発注した新商品に限る。
■広告クリエイティブ差し替え(有料)
広告会社はAPIを通じてスポットCMの広告クリエイティブの差し替えリクエストを放送直前(※1)まで実施することが可能。業種ごとの時間帯規制(※2)など各種ルールに対する自動チェックを行い、問題がなければ即時に広告クリエイティブが差し替えられ、放送される。この機能により広告クリエイティブのABテスト、天気や気温に応じた最適化などリアルタイムでの広告運用が可能になる(※3)。
※1:放送直前までリクエストの実施は可能だが、放送20分前までのリクエストを推奨している。
※2:時間帯規制は業種ごとに異なる。詳しくは日本テレビまで問い合わせ。
※3:差し替え用の広告クリエイティブは事前に考査、搬入、利用申請を完了する必要がある。
■リリース予定と機能拡充
AdRM-APIは25年4月からのトライアル運用、25年7月の正式リリースを目指して開発及びテストを進めており、すでに複数の広告会社と接続に向けた調整を進めている。また正式リリース時点の機能に留まらず、データを活用した広告枠のダイナミックな運用やオンライン発注機能など広告会社のニーズを取り入れながら、テレビ広告の効果を最大化するためのさらなる機能拡充を検討している。