【授賞式の様子】左:鈴木昭平(TBSテレビ管理部)、中央:八木真一郎(TBSテレビ制作技術統括部)、右:坂田昌也(TBSアクトCG制作部)

07 NOV

TBS、XR生放送を低コストで実現!「CDTVライブ!ライブ!」での施策が日本映画テレビ技術協会・第77回映像技術賞On Air Graphics部門で初受賞

編集部 2024/11/7 07:00

株式会社TBSテレビ(以下、TBS)は、毎週月曜日放送中の「CDTVライブ!ライブ!」において、2023年8月に放送した優里の「アダムとイブ」という楽曲でのXR施策が第77回映像技術賞On Air Graphics部門を受賞した。

TBSは最新のバーチャル設備を導入し、スタジオ内もバーチャル施策が行いやすいようなスタジオ改修を実施した。そこで制作チームと協力し、生放送でのXR演出を行うべく、TBSアクトのCG制作チームと映像部、照明部、美術部が足並みを揃えて検討を開始。予算も時間も限られた中で、TBSが所有する設備をフル活用してXR演出を成功させるに至った。

■発想力とアイデアによりXR生放送を低コストで実現

従来であれば専用機材を外部業者からレンタルし、高額なレンタル費用と長期的なスタジオ確保が必要だったにも関わらず、各分野の匠がアイデアとノウハウを集結させ、国内で誰も想像できない発想力とアイデア、何より実現までのスピード感でXR生放送を低コストで実現できた。

楽曲のイメージをふんだんに再現したCGがセット内のLEDモニターを飛び出してダイナミックに表現されている。楽曲のストーリー性や照明演出との連携をXR技術で表現することで、セットだけでは実現できない演出を可能にし、アーティストからも好評となった。

サブでのオペレーションの様子

■XRとは

XRとは、セット内の大きなLEDモニターに映される映像素材と、LEDの外のCG素材がカメラワークに合わせてピタッと連動して動く「LEDモニターの拡張バーチャル」のこと。LEDモニターの大きさを超えたダイナミックなバーチャル演出ができる画期的なバーチャル技術になる。LEDに素材を映しながら撮影できるため、出演者は実際にLEDの映像を見ながら進行でき、バーチャル対応してないカメラで撮影しても背景映像はリアルに映し出されているため後処理も不要。物理空間とCG空間とのいいとこ取りができる技術になっている。

XRイメージイラスト

<受賞のポイント>

CDTVライブ!ライブ!の弧型に設置してあるLEDを使ってのXRは大変困難なものです。しかしカメラワークとCGが寸分の狂いもなく連動し、ハイクオリティな映像が作られているにも関わらず、社有設備の機能を画期的なアイデアで活用し低コストで実現できているのは大変すばらしいことです。