1位は『海のはじまり』!REVISIO、視聴者をくぎづけにした2024年7月クールドラマ最終回の注目度ランキングを公開
編集部 2024/10/11 14:00
REVISIO株式会社(以下、REVISIO)は、2024年7月にスタートした夏ドラマについて、最終回の注目度ランキングを作成し、人気の傾向を分析した。家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「アテンション(注視)」について測定した結果をランキングとして公開している。なお、「注目度が高い」とは、テレビの前の視聴者がくぎづけになっていたことを表す。本記事内で扱うデータは、視聴率も含めすべてREVISIOの独自調査から得られたものになっている。
■夏ドラマ最終回注目度1位は『海のはじまり』
初回放送注目度ランキングでは9位だったフジテレビ『海のはじまり』が、個人全体注目度66.9%で1位を獲得した。今回のランキングでは、トップ3すべてが初回放送から大きく順位を上げ、逆に初回放送のトップ3はいずれも5位以下に後退。初回と最終回で、ランキングに大きなギャップが生じる結果となった。
■2024年夏ドラマの傾向について
初回放送ランキングの全番組平均注目度(個人全体)が64.7%だったのに対し、最終回の全番組平均は62.8%と約2%下落。最終回の平均世帯視聴率(REVISIO調べ)も10%を超えた番組はゼロとなり、夏ドラマは全体的に低調だったという印象は否めない。
これには、夏のオリンピック中継が影響した可能性がある。一部ドラマで放送休止が発生したことや、多くの人がリアルタイムでオリンピック中継を視聴したことが、夏ドラマの低調につながったと推察される。視聴習慣が途切れたことで、ドラマから視聴者が離れてしまったのだろう。
とはいえ、1位の『海のはじまり』は、初回放送と比較して視聴率・注目度ともに上昇しており、TVerでの再生数は歴代最高記録の更新となった。このことから、視聴者を惹きつけるヒット作がなくなったわけではないといえる。
個人全体ランキング トップ3をピックアップ
■1位:『海のはじまり』
出演:目黒蓮、有村架純、泉谷星奈、木戸大聖、古川琴音、池松壮亮、大竹しのぶ他
個人全体注目度:66.9%
2024年夏ドラマの最終回注目度ランキングで、フジテレビの月9ドラマ『海のはじまり』が堂々の1位に輝いた。個人全体の注目度は66.9%と高水準を記録し、特に女性視聴者からの支持が顕著で、その注目度は71.8%に達している。
目黒蓮の月9初主演作として話題を呼んだ本作は、親子愛をテーマにした感動的なストーリー展開で、幅広い年齢層の視聴者の心を掴むことに成功した。
本作のストーリーは、目黒蓮が演じる月岡夏が、亡くなった恋人が自分の娘を産んでいたことを知るという複雑な設定から始まる。親子の絆を軸に、有村架純が演じる現在の恋人との関係も絡み合い、視聴者の心を揺さぶる展開が続いた。
本作はTVer再生数でも注目を集め、第1話の再生回数が462万回を突破。これはTVer再生数の歴代最高記録の更新となり、2022年10月期に放送された『silent』の443万回という記録を上回る成績だった。『silent』も目黒が出演し話題を呼んだが、『海のはじまり』は同じ脚本家の生方美久とプロデューサーの村瀬健が再タッグを組んだ作品として、さらなる期待を集めていた。
制作の途中で目黒の体調不良という予期せぬ事態が発生し、放送スケジュールの変更を余儀なくされた。しかし、これが視聴者の注目度をさらに高める結果となり、最後まで変わらぬ応援が続いた。目黒にとって待望の月9初主演作であり、並々ならぬ情熱で取り組んだ姿勢が、視聴者の強い支持につながったといえるだろう。
注目度データを見ると、男女の注目度差が14%と大きなギャップが見られる。内容的に男性からは共感されにくかったかもしれない。一方で女性は共感だけでなく、理解できないといった声も含めて高い注目度を記録する結果となった。
■2位:『ブラックペアン シーズン2』
出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな、小泉孝太郎、内野聖陽、石坂浩二、趣里他
個人全体注目度:66.8%
『ブラックペアン シーズン2』は、2018年の前作から6年を経て待望の続編として登場した。二宮和也が演じる主人公は、今回は「ディアブル(悪魔)」と呼ばれる天才外科医・天城雪彦に役柄を変更。銀髪のビジュアルも相まって、視聴者を驚かせた。
注目すべきは、本作の注目度が初回から最終回にかけて上昇したことだろう。初回の注目度ランキングは6位だったが、最終回では2位までランクアップ。これは、ストーリーの展開とともに視聴者の興味が高まっていったことを示している。世帯視聴率では堂々の1位を獲得。視聴質と視聴率の両面で高い評価を得たことがわかる。
また、男性視聴者からの支持の高さが特徴的で、男性注目度ランキングは2位。女性(4位)を上回った。これは、本作が単なる医療ドラマにとどまらず、天城先生の複雑な人物像や高度な医療技術の描写、さらには病院内の権力闘争など、多層的なストーリー展開が男性視聴者の興味を引いたためと考えられる。特に、公開手術や緊急オペなどのスリリングな場面は、テクニカルな側面も含めて男性視聴者を惹きつけたと思われる。
SNS上では天城先生の死に「寂しい」「悲しい」といった声が多数寄せられ、その存在の大きさを物語っていた。また「次はまた渡海主人公かな」といった続編を期待する声も多く、本作の人気の高さが伺える。
■3位:『スカイキャッスル』
出演:松下奈緒、木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪、田辺誠一、鈴木浩介、本多力、大谷亮平、戸田菜穂他
個人全体注目度:66.0%
『スカイキャッスル』は、韓国の大ヒットドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』を原作とした、豪華キャストによる日韓共同プロジェクト。松下奈緒が主演し、木村文乃、比嘉愛未、高橋メアリージュン、小雪らが共演することで話題となった。
特に女性視聴者の注目度が70.7%と非常に高く、女性ランキングで2位を記録。セレブ妻たちの“ドロ沼マウントバトル”や家族の葛藤が、女性視聴者の興味を惹きつけたと考えられる。
このドラマの魅力は、登場人物たちの優雅なたたずまいとは裏腹な、燃えたぎる野心と隠された秘密。高級住宅地「スカイキャッスル」で美しきセレブ妻たちが、夫の出世や子供たちの受験競争を巡って壮絶な戦いを繰り広げる。特に、松下奈緒演じる浅見紗英が抱える内面の葛藤と、木村文乃演じる南沢泉の息子を守るための母親としての強い意志が見どころだった。
世帯視聴率では5.5%とやや控えめだったが、SNSでの反響や見逃し配信の再生回数は第8話までで2000万回と非常に高く、多くの視聴者がこのドラマに注目していたことが伺える。セレブ妻たちのドロ沼マウントバトルを中心に展開されたサスペンスと家族愛の物語は、視聴者にとって強く印象に残る作品となった。
テレビ番組の視聴率・注目度を無料でチェック!視聴データ公開サイト「RE.Source」
REVISIOの視聴データ公開サイト「RE.Source」では、過去1週間の関東・関西地域での地上波6局7チャンネルの世帯視聴率・注目度を毎日更新中。名前とメールアドレスの登録は必要になるが、誰でも無料でチェックできる。
▼公式サイト
https://rating.revisio.co.jp/
今回分析に利用した指標について
※注目度とは?
テレビの前にいる人(滞在者)のうち、テレビ画面に視線を向けていた人(注視者)の割合を表し、シーンに注目している度合いがわかる。