30 AUG

岡山放送、全編手話付き番組『CONNECTOR』の映像データをソフトバンクへ提供

編集部 2024/8/30 09:00

岡山放送株式会社(以下、OHK)は今年4月にスタートした全編手話付き番組『CONNECTOR(コネクター)』の映像データを、現在開発中のAI手話通訳技術に役立てようと、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)に提供を開始した。

『CONNECTOR』は、地域で活躍する“人”にスポットを当て、その人を通じて地域・ビジネス・時代に“コネクト”する全編手話付きの対談番組。地域の企業・団体のトップに経営戦略を伺いながら、その人となりや経営哲学に迫る。

『CONNECTOR(コネクター)』※番組はすべてOHK公式YouTube チャンネルで視聴可能

■岡山放送が福祉実験ユニット・株式会社ヘラルボニーと連携

これまで30年以上にわたり、ろう者とともに手話放送を継続しているOHKは、この番組を聴覚に障がいのある方に届けるとともに、手話放送に対する従来の福祉的イメージからの脱却を試みている。

この度、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、福祉を起点に新たな文化創造を目指す福祉実験ユニット・株式会社ヘラルボニーと連携した。同社が契約する知的障がいのあるアーティストの作品を番組ビジュアルに起用、通常テレビ画面に定型枠で表示される手話ワイプをこのアート作品で彩るなど、これまでと違う見せ方にこだわっている。

また、持続可能な手話放送を目指し、手話通訳に協賛スポンサーをつける手話協力も導入している。

■『CONNECTOR』関連情報をAI手話通訳システム「SureTalk」開発のソフトバンクに提供

この番組のさらなる活用を目指そうと、7月から手話ワイプ部分の映像データや関連情報を、AI手話通訳システム「SureTalk(シュアトーク)」を開発するソフトバンクに提供を始めた。30年にわたる手話放送のノウハウを生かし、ろう者と作り上げた的確な手話表現や、音声・文字情報・手話のデータが同期する放送仕様の映像は、AI学習用のデータとして使いやすいと採用された。

テレビ局にとっても長年活用を模索してきた番組のアーカイブ映像をデータとして活用でき、新たなマネタイズにつながっている。

OHKはこれからもきこえない人ときこえる人の共生社会の実現に貢献するとともに、“情報から誰一人取り残されない社会”の実現を目指し、より一層情報アクセシビリティ活動を推進していく。

ソフトバンクSureTalk開発メンバーと OHK情報アクセシビリティ推進部員 (後列右から3人目がOHK中静社長)

SureTalk開発担当 ソフトバンク田中敬之 課長 コメント

SureTalkで自然な手話表現を翻訳するために、提供いただくデータを活用し、社会に貢献できるよう尽力します。手話話者の皆様、ならびにご提供のためにご調整いただいた岡山放送様に御礼申し上げます。