REVISIO、2024年4月クールのバラエティ番組注目度ランキングを発表
編集部 2024/8/14 12:00
家庭に人体認識技術を搭載した機器を設置し、テレビスクリーンへの「注視」を測るREVISIO株式会社(本社:東京都千代田区、以下 REVISIO)は、2024年4月クールの民放キー局で放送されたレギュラーバラエティ114番組を対象に注目度ランキングを作成し、人気の傾向を分析し発表した。「注目度が高い」とは、テレビの前の視聴者が画面にくぎづけになっていたことを表す。
今回のランキングの特徴として、世帯視聴率の順位と注目度の順位に大きなギャップがあることが挙げられる。視聴率ランキングでは知ることのできない、「視聴者に本当によく視られた番組」とは何なのか。今回もREVISIO独自の視点で分析・考察された内容を紹介していく。
個人全体注目度1位は「金スマ」
■中居正広の卓越したMC力で女性から高い支持
数あるバラエティ番組の中で、個人全体注目度1位を獲得したのは『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(金スマ)。女性注目度でも堂々の1位を獲得し、圧倒的な支持を集めていることが分かる。たとえば、4月26日放送の「ママのお悩み一刀両断SP」は特に女性視聴者の共感を呼んだテーマで、藤本美貴、横澤夏子、中村仁美などのママタレントが、子育ての悩みや葛藤を率直に語り合った。中でも島田珠代の母子関係修復の物語は、感動的な展開で大きな反響を呼んだ模様。女性に刺さるテーマに加え、中居正広の卓越したMC力も人気の大きな要因と言えるという。ゲストの言葉に丁寧に耳を傾け、深い共感とユーモアを交えながら巧みにトークを引き出す手腕は、まさに「金スマ」の要と言えるだろう。特に、女性の繊細な感情を読み取る力は、多くの女性視聴者から支持を集めている理由の一つと考えられる。
コア視聴層注目度1位は「水曜日のダウンタウン」
次は「コア視聴層」と呼ばれる男女13歳から49歳の層に注目。この層のデータを見ると、21時以降の比較的遅い時間帯に放送されている番組が目立つ。放送時間が遅くても、内容に話題性や斬新さがあれば、高い注目度を獲得できることがわかる。これは、コア視聴層の生活環境による影響も大きいだろうが、それだけではなく、この世代がより尖った内容や実験的な試みが行われている番組に惹かれていることも示唆しているかもしれない。
■スリルと笑いの絶妙なバランスで視聴者を魅了
男女13-49歳注目度ランキングで65.2%という数字を叩き出し1位に輝いたのは、TBS『水曜日のダウンタウン』。世帯視聴率は5.4%で全体の40位と決して高い数値とは言えないが、視聴者を「くぎづけ」にするパワーは圧倒的だと言える
では『水曜日のダウンタウン』は、なぜ視聴者を惹きつけるのか。その魅力は、過激で予測不能な企画内容にある。スリルと笑いの絶妙なバランス感覚が、多くの視聴者を虜にしている。演出を手掛ける藤井健太郎氏によれば「面白そうな企画でも、どこかの番組で先に同じようなことをやっていたら、基本的にはナシ」にするほど企画へのこだわりが強く、それがこの番組の最大の魅力と言える。さらに、SNSでの拡散を意識した番組作りも、若年層の心を掴む要因と考えられる。インパクトのあるシーンや展開を盛り込むことで、視聴者がSNSでコメントしたくなるような状況を生み出し、番組の話題性を高めている。放送時間が22時~という点も、一日が終わってリラックスしている時間帯であり、コア視聴層のライフスタイルに合致している。これも高い注目度を獲得する要素と言えるだろう。
以上、2024年上半期のバラエティ番組注目度ランキングを分析すると、番組ごとの視聴層の違いが如実にわかる結果となった。
メディアの多様化が進む中で、視聴者が求めるバラエティ番組への「質」もより高いものになっている。地上波テレビ局のバラエティ番組が、視聴者に支持され続けるコンテンツとなるにはどんな要素が必要なのか? 注目度ランキングにはそのヒントが隠されているのではないか。