「TVer広告」広告主数が1139社を突破!成長の要因や企業の活用事例を解説
編集部 2024/7/25 09:00
ダウンロード数7000万件、月間再生数が4億5000万回を突破するなど、右肩上がりの成長を続ける民放公式テレビ配信サービス「TVer」。高精度ターゲティングでテレビまで含めたあらゆるデバイスで最適な広告を配信している「TVer広告」は、売上、キャンペーン数、取引社数ともに順調に成長し、デジタルとマスの融合媒体として注目が集まっている。
本記事では、2024年4月25日に開催された株式会社TVer(以下、TVer社)のオンラインカンファレンスイベント『TVer Biz Conference 2024』より、2023年のTVerの実績やTVer広告の成長の要因を紐解きつつ、TVer広告の活用事例やセルフサービス機能について解説する。
【Index】
■TVerの再生回数は4億5000万回突破!右肩上がりがさらに加速
■TVer広告の好調を支えた背景は?選ばれた理由を解説
■TVer広告を活用したアサヒビールの展開事例
■TVer広告「セルフサーブ機能」が拡充「配信シミュレーション機能」も近日公開予定
■TVerの再生回数は4億5000万回突破!右肩上がりがさらに加速
現在TVerでは、民放すべての系列をまたぐ800番組を見逃し配信。基本の配信期間は放送から1週間だが、「一部のバラエティやドラマでは1ヶ月にわたって視聴可能なものもあるなど、より長くご覧いただける作品がこの1年間で多くなってきた」とTVer社 取締役 薄井大郎氏は語る。
今年1月には月間ユニークブラウザ数が3500万を突破し、ダウンロード数も7000万件に到達。月間再生数は今年1月に4億回、さらに3月に4億5000万回を突破するなど、ハイペースの右肩上がりが続いている。
ユーザー構成比は引き続き人口形態に近い形で分布。デモグラフィック別の構成比ではM2(男性35〜49歳)、F2(女性35〜49歳)層がボリュームゾーンとなっている。
また、普及が進むコネクテッドTVへの対応もますます充実が進んでいる。リモコンへの「TVerボタン」搭載については、2023年4月にAmazon「Fire TV Stick」が対応し、ほとんどのメーカーのテレビデバイスへの搭載が実現した。
コンテンツ面の強化も進んでおり、2023年にはコネクテッドTVでも一部スポーツのライブ配信を実施。現在、TVer全体における総再生回数のうち、33.4%以上がコネクテッドTV経由となるなど、視聴環境としての存在感が増し続けている。
「コネクテッドTVでの視聴ユーザーは平均1.7人となっており、他サービスと比べても2人以上で視聴される割合が非常に高い」と薄井氏はいい、「1再生あたりの価値が大きい点が、TVerにおけるコネクテッドTV利用の特徴」と強調する。
他にも、TVerにおける2024年度の注力領域について説明。中でも今夏に開催されるパリ2024オリンピックへの注力、「カテゴリ機能」の活用を挙げる。
これまでのオリンピック関連配信は民放オリンピック公式動画サイト「gorin.jp」を通じて行われてきたが、パリ2024オリンピックでは初めてTVer単独配信を実施予定。地上波放送との同時配信をはじめ、TVerアプリでの一部競技ライブ配信を行う。
「パリと日本は時差が大きいため、ライブ配信だけでなくハイライト動画のオンデマンド配信に対する需要も大きいと見込んでいる」と薄井氏。「オリンピックをきっかけにTVerへアクセスしたユーザーが継続して利用していただけるよう注力していきたい」と期待を語る。
TVerの新機能である「カテゴリ機能」は、ドラマ、バラエティなど、ジャンルごとに分類された新たなホーム画面。
「ジャンルごとのファンがいつアクセスしても楽しめる場所を作っていくことを今年度は目指していく」と薄井氏は述べ、「今後、この『カテゴリ機能』の1つとして、地域ごとのローカル番組をまとめていく、ということも有り得るかもしれない」と、ローカルコンテンツに対する動線強化を示唆する。
さらに注力予定の項目として、「ライブ配信のさらなる強化」や「TVerの魅力を伝えるマーケティングやコンテンツPRの強化」を挙げた薄井氏。「月間ユニークブラウザ数3500万を達成した2023年度に続き、今年度はさらなる成長を目指す」とし、「なくてはならない国民的サービスに少しでも近づいていきたい」と抱負を述べた。
■TVer広告の好調を支えた背景は?選ばれた理由を解説
2023年度のTVer広告は売上、キャンペーン数、取引社数ともに順調に成長し、広告主は1139社と大台を超えた。
その背景として、TVer社 執行役員 古田和俊氏は「1stパーティーデータとブランドセーフティー」「メガリーチと若年層の含有率の高さ」「テレビCMとの重複接触効果」の3点を挙げる。
「TVerが持つ精緻なエリアデータ、デモグラデータなどの1stパーティー(1次)データ、そしてブランドセーフティーによって出稿が加速した」と古田氏。「各都道府県全域レベルに限らず、特定の市区町村に絞った広告配信など非常に精緻なエリアターゲティングができる」といい、「ハウスメーカーやカーディーラーなど、顧客の居住地域に密着した業種からの広告出稿が増えている」と語る。
「ブランドセーフティーという観点から、官公庁や学校法人にも広告媒体として選んでいただけている。コンテンツが安心安全という点はもちろん、一緒に流れる広告がしっかり審査され、信頼できるものであるという点が非常に重視されている」(古田氏)
さらに古田氏は、「テレビCMへの出稿とTVer広告への出稿を掛け合わせることにより、ティーン、M1(男性20〜34歳)、F1(女性20〜34歳)など、テレビCMが届きにくくなっている若年層へのリーチを最大化できる」とコメント。
テレビとTVerの重複接触によって認知から第一想起、購入意向まですべてのファネルにおいて上乗せのリフトアップ効果が現れたという飲料メーカーの出稿事例を紹介し、「テレビCMに掛け合わせてTVerのCMをご活用いただく事例がどんどん増えている」とアピールする。
■TVer広告を活用したアサヒビールの展開事例
『TVer Biz Conference 2024』のトークセッション「クリエイティブ視点で考える動画広告コミュニケーション戦略」では、アサヒビールの「アサヒ生ビール 通称マルエフ」におけるテレビCMの展開事例をもとに、広告主、広告会社、プラットフォーマーそれぞれの立場から、動画広告におけるクリエイティブ戦略を語った。
登壇者は、アサヒビール株式会社 マーケティング本部 コミュニケーションデザイン部 担当副部長・大場洋右氏、株式会社電通 クリエイティブディレクター/コピーライター・郡司 音氏。司会進行をTVer社 広告事業本部 営業部部長・次郎丸達也氏が務めた。
本商品のCMでは、竹内まりやさんが歌う「元気を出して」をテーマソングに、イメージキャラクターの芳根京子さん、松下洸平さんが「日本のみなさん、おつかれ生(なま)です。」「どんなに忙しくたって、ゆったりとした気持ちは忘れないように」と優しく語りかける内容が高い好感度を得ている。
「マルエフ」CMは、TVer配信でも特徴的なクリエイティブを展開。ドラマの最終回配信の中で芳根さんが「キャストのみなさん、おつかれ生です」とキャスト陣に呼びかけるものや、11月22日“いい夫婦の日”限定で松下さんが「いい夫婦の日、マルエフでゆったり過ごしませんか?」と呼びかけるバージョンが制作された。
「TVerは、配信される番組と芳根さん・松下さんのようにブランドイメージをまとったキャスト、そして広告との三位一体で効果的な展開を行いやすい媒体であるとかねてから思っており、その効果をピンポイントで発揮する形を狙った」と郡司氏は語る。
「出稿主の立場からすると、TVerが持つ3500万UBというリーチの大きさ、広告の完視聴率の高さは強い魅力」と大場氏。「我々の商品特性の1つは、買おうと思えば毎日でも買える商品であること。日常と密接なテレビの存在感は、私たちにとってはまだまだ大きい」と強調し、「テレビとTVer両方での重複接触や、逆にそれぞれでのクリエイティブの出し分けなど、いろんな楽しみを増やしていくアプローチを一緒に手掛けていきたい」と展望を述べた。
これを受けて郡司氏は、媒体としてのTVerを「デジタル時代における最適化のアプローチとテレビのメディアパワーを併せ持つ、まさにデジタルとマスの融合媒体」と評し、「希望的観測として、“より新しいマス”となってほしい」とコメント。次郎丸氏も「いただいた期待にお答えできるよう、我々も日々精進していきたい」と意気込みを述べた。
■TVer広告「セルフサーブ機能」が拡充「配信シミュレーション機能」も近日公開予定
セッション「TVer広告 プロダクトアップデート」には、TVer社 広告事業本部 プロダクト統括 大野祐輔氏が登壇。昨年リリースされたTVer広告のセルフサーブ機能のアップデートについて案内が行われた。
セルフサーブ機能とは、従来TVer側がマネージドサービスとして行ってきた配信設定に加え、広告会社が広告の入稿から配信、レポーティングまでを行える機能。シンプルなユーザーインターフェースを実現し、昨年のリリース以降、利用者が加速度的に増加している。
今回、このセルフサーブ機能において「マーケティング項目の拡充」「レポート機能の拡充」「在庫シミュレーション機能」の3基軸でアップデートを実施。
「マーケティング項目の拡充」では新たなターゲティングメニューとして「テレビの視聴傾向」「世帯年収」「子供の有無」が追加され、広告出稿時によりきめ細かな絞り込みが可能となった。
「レポート機能の拡充」では、広告分析の項目軸に「性別」「年齢」「都道府県」「配信デバイス別」が追加。これらの機能は現在セルフサーブ機能の管理画面からすでに利用することができ、大野氏は「これまでになかった切り口でのレポートが可能になる」とアピールする。
さらに大野氏は、近日リリース予定の「在庫シミュレーション機能」を紹介。予算やフリークエンシー、対象デバイスなどの条件を打ち込むことにより、事前にTVer広告の配信シミュレーションを行うことが可能になるという。
「今後も、より皆様からTVer広告をご利用いただけるようプロダクトアップデートしていきたい」と大野氏。「TVer広告をまだご利用いただけてない会社の方も、ぜひこの機会にご検討いただければ」と呼びかけた。
〜テレビ局のプロが作った番組に最適なタイミングで配信〜
「TVerの運用型広告」
民放の番組を楽しめる「TVer」では、TVを始めとした様々なデバイスで最適な広告を配信することができます。