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TBS、金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』が「第61回ギャラクシー賞」マイベストTV賞グランプリ&テレビ部門特別賞を受賞
編集部 2024/6/7 18:40
TBSの金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』が、優れたテレビ番組やラジオ番組などに贈られる第61回(2023年度)ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)のマイベストTV賞の第18回グランプリと、テレビ部門の特別賞を受賞。贈賞式が5月31日(金)に都内で行なわれた。
第61回ギャラクシー賞大賞発表!テレビ、ラジオ、CM、報道活動各部門の優秀賞、選奨も決定
マイベストTV賞は、視聴者の評価、満足や感動の気持ちを投票によって形にした賞。選出者は放送批評懇談会正会員とオンライン会員Gメンバー。2023年4月度から2024年3月度まで投票によって毎月決められたノミネート作36本と、2024年4月に実施された「ネット配信ドラマ」の特別投票の上位3本を合わせた計39本の中から、投票によってグランプリに決定した。
投票では「現代のドラマから失われてしまった“自由な面白さ”がふんだんに盛り込まれていた」「笑いと涙のなかに、寛容な社会であってほしいというメッセージが込められていた」「全世代が思っていても言えなかったことを、地上波を使ってぶちまけてしまう脚本家・宮藤官九郎さんの力は絶大」など視聴者の称賛の声が数多く寄せられ、幅広い層から圧倒的な支持を集めた。
■テレビ部門の選評
金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』は、昭和を令和の視点から、令和を昭和の視点から相互批評的に見ることを通して、より生きやすい世の中を模索しようとした志の高いドラマです。タイムスリップによって昭和と令和双方の登場人物たちが自らの生きる時代を見つめ直し、価値観をアップデートしていくプロセスを、ミュージカルシーンを織り交ぜながら温かく描きました。とりわけ、テレビ局を舞台に設定することで、SNS等による批判や炎上を恐れて萎縮し、当たり障りのない方向へと流されがちな制作現場に対して一石を投じたことは、特筆に値します。テレビのこれからのためにあえて挑戦的な番組を制作した勇気と卓抜な発想力に敬意を表し、特別賞を贈ります。
■マイベストTV賞受賞コメント
<プロデュース・磯山晶コメント>
Q.視聴者の支持が熱かったことへの感想
本当にうれしいです!ありがとうございます。このような賞に選んでいただいて感謝しております。
Q.「不適切」をテーマにしたのはどのようなことがきっかけでしたか?
私は昭和に生まれて平成に就職し、令和まで放送局で働いておりますが、その間にものすごく「適切」と「不適切」の境目が変わっていくのを感じたので、それをテーマにしてみたいなと思って企画しました。
Q.令和と昭和をタイムスリップさせるというところは、どのように思いつきましたか?
宮藤官九郎さん脚本で阿部サダヲさんが主演を務めた大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で、阿部さんが演じられた“まーちゃん”という役があるんですけど、“まーちゃん”みたいな人が今の令和にいたらすごく迷惑だろうなと思って(笑)、そういう観点から令和と昭和が行ったり来たりしたら面白いかなと思って制作しました。
<主演・阿部サダヲコメント>
Q.演じていて楽しかったシーンは?
ドラマの中で「早く寝ナイト♡チョメ×2しちゃうぞ」という、昭和のバラエティ番組をオマージュしたシーンが登場するのですが、番組セットの再現もとても素晴らしかったですし、僕自身当時のバラエティをすごく観ていたので、あの頃の感じがよく再現できていましたね。
ドラマでは(ロバートの)秋山竜次さんが司会者を演じていたのですが、女性の股下から登場してきたり・・・ああいう演出は本当に当時はよくありましたよね。それに昭和当時はテレビでおっぱいも観ていました。テレビでですよ!あ!今回、生配信もされているんでしたね(笑)。
<演出・金子文紀コメント>
Q.演出して最も楽しかった部分
宮藤(官九郎)さんの書かれた本でつまらないことは僕の中ではないので、いつも楽しいです。
僕は阿部(サダヲ)さんが昔から大好きで、やっと阿部さんが主役のドラマを撮れるのでクランクイン前からすごくワクワクしていました。
阿部さんが出ているところは全部楽しかったですね。阿部さんは裏切らない。絶対思ったよりも面白くしてくれるので、毎日が楽しくて幸せでした。
Q.ミュージカルシーンのねらい
ドラマで訴えたいテーマやメッセージは、テレビで言うと説教臭かったり辛気臭かったり説明臭いので嫌だなと思うんです。今伝えなくちゃいけないことがもしあるとしたら、それをセリフで言うのって個人的にはやぼったいなと思っています。その言葉をどう受け止めてもらえるかがすごく大事だと思っていて、ミュージカルの面白い中で伝わるっていうのは新しいやり方かなと思います。かつ、下に字幕が出ることでセリフより伝わると思いましたし、今回はすごくやっていて有意義だし楽しかったです。
■テレビ部門 特別賞コメント
<主演・阿部サダヲコメント>
Q.ご自身の昭和の思い出
ドラマにはケツバットされてるシーンもでてきましたが、実際本当にされていましたし、ビンタもされたし、ビンタされすぎてニキビがいっぱいできて・・・本当にあの頃は悲しかったです。ニキビがたくさんできてしまったからか「あの人(顔に)おっぱいがいっぱい!」って言われてしまって・・・あ。そうだ!生配信もされているんでしたね。すみません(笑)。
<プロデュース・磯山晶コメント>
Q.受賞の言葉
このたびは、本当に名誉ある賞を2つもいただきまして誠にありがとうございます!深く感謝しております。
宮藤官九郎さんが書いた台本の初稿の一番最初のセリフが「おい!起きろブス!さかりのついたメスゴリラ!」だったんですけど、それを最初に読んだときは本当にドキドキしました(笑)。
宮藤さんのこの攻めの姿勢を守らないといけないなと思いましたし、スタッフ・キャストみんながこの気持ちをちゃんと最後まで持ち続けないといけないなと思って制作していましたが、とにかく守りに入らないで良かったなと、今日この賞をいただいて改めて思っております。
この世界観を実現できたのは、本当にスタッフとキャストのみなさんの才能と努力の賜物だと思っております。今日はみんなを代表してこの2つの賞をいただけたと思っております。
阿部さんは作中ではずっと昭和と令和を行き来して、気が付いたことを大声で言って、歌って踊って、孫と娘の心配をして・・・。色々大変だったと思うんですけど、本当にいつも優しくて、阿部さんじゃなきゃできない小川市郎を作っていただいたと思っています。最高の座長でした!本当にありがとうございます。
そして本当に今日はこのような賞をいただき、ありがとうございました。
Q.続編を期待されている視聴者へメッセージ
宮藤官九郎さんがこの企画を書くときに「大きい声では言えないことを代弁して溜飲を下げるということを目指している」とおっしゃっていたので、まだ大きい声では言えないけど、代弁してみなさんの溜飲が下がるようなことが見つかれば、ぜひとも制作したいと思っております。
<演出・金子文紀コメント>
Q.手に入れるのが一番難しかった小道具
ウォークマンが意外と探しても見つからなかったんですけど、僕が中学2年生のときにお年玉で買ったものがちょうど時代的に合っていて、テレビに映せてうれしかったです(笑)。