07 MAY

ニールセン、多様化する動画視聴環境の中での動画コンテンツと動画広告に関する視聴動向レポートを発表

編集部 2024/5/7 15:00

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区)は、動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2024(Nielsen Video Contents & Ads Report 2024)」を発売し、そのレポートを元に有料動画サービスの視聴状況を分析し、発表した。

好きな時に好きなコンテンツを楽しめるインターネット動画サービスの視聴は、余暇時間の過ごし方として定着してきている。日本ではここ数年で無料動画や有料動画、ライブ配信など様々な動画カテゴリーで新しいサービスが参入するなど動画配信サービスの市場は今もなお、変化し続けている。消費者の可処分時間が限られている中で、動画配信サービスを提供する企業としては各年代のニーズやサービス利用に対する障壁などの動向を把握し、それらをもとにPDCAサイクルを回していくことが重要になりる。

「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アドレポート 2024(Nielsen Video Contents & Ads Report 2024)」によると、インターネット利用者のうち有料動画サービスの利用経験があるのは35歳以上では30%であるのに対して、34歳以下では52%と半数以上の人が利用していた。利用頻度でも35歳以上の30%が1日に1回以上利用しているのに対し、34歳以下では40%となり、利用率も利用頻度も若年層ほど高いことがわかる(図表1)。

有料動画サービスはいつでもどこでも好きな動画が視聴できるという利便性でサービス利用が拡大し、若年層の中では2人に1人が利用する規模まで成長してきたが、そのコンテンツの豊富さゆえに見たいコンテンツが見つからず視聴をやめてしまうケースもある。実際に、有料動画サービス利用者では36%が見たいコンテンツが見つからず困ることがあると回答し、昨年と比べて4ポイント増加していた。34歳以下では特にこの傾向が強く、昨年と比べて9ポイント増加し38%となっていた。 (図表2)。競争が激しくなるなか、これまでは各サービスが提供するコンテンツの質や量が注目されがちだったが、今後はいかに消費者にストレスのない視聴環境を提供することができるかが重要な課題になってくる。

最後に、有料動画サービス契約時に重要視する要素で昨年と比べて増加率の高かった要素に着目すると、34歳以下で「おすすめの作品を紹介してくれる機能」が14ポイント、「コンテンツがダウンロードできること」は9ポイント増加していた(図表3)。有料動画サービスの利用率の高い34歳以下では、よりコンテンツを見つけやすい仕組み、インターネット環境の有無や回線速度に左右されないシームレスな視聴体験を提供することが今後もサービス利用を継続してもらう上で一層重要になるだろう。

■ニールセン シニアアナリストのコヴァリョヴァ・ソフィヤのコメント

「動画配信サービスは、無料動画やライブ動画、有料動画サービスなど様々な動画カテゴリーでの利用が定着しつつある中で、年代によっては好みにあったコンテンツの質や量に加えて、見つけやすさなどの機能の充実性に対するニーズも高まっています。特に有料動画サービスの利用率が高い34歳以下の視聴者に豊富にある選択肢の中で自社サービスを選択してもらうためには、消費者が視聴したいコンテンツにたどり着くまでのストレスを防ぎ、興味のあるコンテンツを適時に提供することが一層重要になります。各動画配信サービスを提供する企業は、いつ、だれが、どのように各サービスを視聴しているかを把握し、視聴者のニーズに応えるサービス提供を行うことで競争力を維持していくことが重要になります。」

ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アドレポート 2024(Nielsen Video Contents & Ads Report 2024)について

ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アドレポート 2024(Nielsen Video Contents & Ads Report 2024)は、近年大きく変化してきている動画市場について、消費者の動画コンテンツの利用状況と動画広告に対する意識を調査することで、今日の消費者が、「どのような動画コンテンツを視聴し」「どのようなサービスを利用し」「どのような動画広告を求めている」のかを俯瞰できるレポートである。

本調査は2024年3月5日~7日にかけて実施され、パソコン、スマートフォン、タブレットのいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の16才以上の男女、約3,200人を対象に調査を行った。

サンプル数は、上記デバイスからのインターネット利用者の人口構成比によって割り当てられ、インターネットユーザーを代表するように割りつけられている。

また、2023年12月時点のPCおよびスマートフォンからのインターネット視聴率情報(PC版:ニールセン ネットビュー、スマートフォン版:ニールセン モバイルネットビュー)をもとに、消費者の記憶に頼らない各種動画サービスの利用実態(利用頻度や利用時間など)もレポートに含んでいる。

ニールセン