BTOCを導入するアート引越センター
仙台放送×アート引越センター「運転技能向上トレーニング BTOC」を活用 ドライバーの交通事故防止を目指す
編集部 2023/9/20 15:00
株式会社仙台放送(以下、仙台放送)は、国立大学法人東北大学加齢医学研究所(川島隆太教授)と共同開発した「運転技能向上トレーニング・アプリ AI 版」を含む新しい脳のトレーニング「BTOC(ビートック)」を、引越業界大手のアート引越センター株式会社(以下、アート引越センター)と連携し、同社の乗務員への提供を開始する。
「BTOC」は、「Brain Trainer On Cloud」の略で、「運転技能向上トレーニング・アプリ AI 版」(特許取得済)の主要機能を、法人や団体でも利用しやすいクラウドサービスへと進化させたもので、業務でクルマを運転する様々な業界で社会実装が進んでいる。
「物流業界の2024年問題」など安全管理環境が大きく変化する中、乗務員の安全運転能力の向上、安全運転寿命の延伸を目指し、両社が連携して 10月1日から運用を開始。アート引越センターでは運転経験が比較的浅い若年層ドライバーの運転能力向上を目指し、まずは地域を限定してのトライアル実施となる。
仙台放送は、東北大学加齢医学研究所と産学連携により共同開発した「運転技能向上トレーニング・アプリ※1」のスマートフォン版のサービスを、2020年から保険会社や自治体向けに提供し、ドライバーの運転技能向上や認知機能低下の抑制、安全安心なモビリティ社会の実現に向けて取り組んできた。
また、2021年4月からは、同アプリにAI(人工知能)を搭載。個々のトレーニング状況をAIが解析し、プレイヤー毎に最適なトレーニングへ調整する機能を拡張するなど、「運転技能」「認知機能」「感情状態」の向上だけでなく、安全運転管理や商品開発など、データ活用の幅を広げてきた。
※1 東北大学加齢医学研究所と仙台放送が産学連携により共同開発した「トレーニング・アプリ」で、東北大学加齢医学研究所・川島隆太教授による脳科学研究の成果と仙台放送が開発・放送している脳のトレーニング番組『川島隆太教授のテレビいきいき脳体操』の知見から開発した(特許 6284171 号)。
テレビやタブレット等の端末を利用した「作業速度訓練による安全運転能力向上プログラム」で、実際の運転行為や疑似運転行為(シミュレーター等)を伴わない日常的な認知トレーニングにより、運転技能の維持・向上を目指すもの。
【監修】
東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授
<プロフィール>
認知症患者の脳を活性化させる「学習療法」を提唱するほか、仙台放送『テレビいきいき脳体操』などを監修。脳活動の研究成果を新作業の創出へつなげようと尽力している。
ポジティブに年を重ねることを提唱するスマート・エイジングの研究を行うスマート・エイジング学際 重点研究センター前センター長
『脳科学の力でドライバーの事故を防ぐ』
ドライバーの事故は、脳科学の観点からすると、脳機能の低下、主に大脳の前頭前野の知覚、予測の力が落ちることが原因と考えられます。言い換えれば、前頭前野をトレーニングすると、運転のほぼ全ての場面、例えば何か危険なものを察知する能力、それを避けようとする判断の力が向上する。今回開発した「運転技能向上トレーニング」は、運転の場面に即した前頭前野を使うトレーニングを組み合わせている。地方では運転ができないと、人生の質が下がってしまう。安全運転能力を伸ばすことで、いつまでも活き活きと暮らしていただける社会を創生することができる。
アート引越センターについて
1976年に日本初の引越専業の会社として創業し、翌1977年に法人設立。創業以来、引越は運送業ではなくサービス業という考えで「クリーンソックスサービス」「レディースパック」「エコ楽ボックス」など、業界初となる数多くの商品やサービスを開発し、お客さまの「あったらいいな」を実現してきた。
現在は全国170拠点を有し「暮らし方を提案する」企業として進歩し続けている。
アート引越センターの安全の取り組みについて
ドライブレコーダーを活用した安全意識向上の研修を行っているほか、無事故無違反ドライバーを褒賞する制度を設け、ドライバー個人のみならず所属する支店も対象として継続して無事故無違反を維持している場合には表彰しており、安全運転への恒常的な意識付け、向上を目指している。この度のBTOC 導入により、日常業務の運転開始前にドライバーがBTOCアプリを使用してトレーニングを行い、安全運転向上を目指す。
【運転技能向上トレーニング・アプリとは】
「運転技能向上トレーニング・アプリ」は、東北大学加齢医学研究所・川島隆太教授と仙台放送が共同開発した脳のトレーニング用アプリ。「運転技能」と「認知機能」と「感情状態」が向上することを実証(2019年発表の研究成果より)。特許取得済み(特許 6284171 号)。
【Japan Mobility Show 2023(=旧東京モーターショー)に出展】
仙台放送では、10月28日から11月5日まで東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2023」の次世代モビリティ部門に出展。