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HBC北海道放送『性別は誰が決めるか~「心の生」をみつめて~』第49回放送文化基金賞ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞

編集部 2023/6/19 15:00

HBC北海道放送が制作したドキュメンタリー番組『性別は誰が決めるか~「心の生」をみつめて~』が、第49回放送文化基金賞ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞した。最優秀賞の受賞は第25回(1999年)テレビドキュメンタリー『学校とは何か?ツッパリ・中退・不登校と格闘した10年』以来24年ぶりとなる。

放送文化基金賞は、過去1年間の放送の中から、優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られるもの。贈呈式は、7月13日(木)に東京で行われる予定。なお、HBCでは6月7日午前11時から『性別は誰が決めるか~「心の生」をみつめて~』をHBCニュース公式YouTubeで公開。

選考理由:ある妊娠したトランスジェンダーの男性は、「性同一性障害特例法」によって性別変更ができないでいる。戸籍の性別変更には生殖腺(精巣や卵巣)がないことが条件と決められているからである。LGBTQへの理解も深まりつつある現在、「性同一性障害特例法」だけは、性と体を無理やり一致させることを条件としている。多様性と言いながら、社会の無理解と差別は、法の中に存在している。本番組は被取材者との信頼関係を築いたことによって、プライバシーにも触れる綿密な取材を可能にし、大きな問題提起ができた。 

番組名:『性別は誰が決めるか~「心の生」を見つめて~』 (P:山﨑裕侍 D:泉優紀子)

性別は誰が決めるか~「心の生」をみつめて~2022年10月17日放送【第49回放送文化基金賞・最優秀賞】

■放送日時:2022年10月17日(月)午前2時15分~ 
 ※2023年6月7日(水)午前11時~「HBCニュース公式YouTube」で公開
 ⇒URL:https://youtu.be/cRV-GWKMMYw 
 
■内容:きみちゃんは身体が女性で、心が男性のトランスジェンダー男性。パートナーであるちかさんは、身体も心も男性。2人は“心が男性どうし”のカップルだ。心が男性のきみちゃんのおなかには、2人の新しい命が宿っている。きみちゃんはかつて、男性として生きていくため性別適合手術を受けようとした。戸籍の性別変更には、生殖腺(精巣や卵巣)がないことが条件だからだ。しかしちかさんと出会い、子どもを持つ将来を描くようになり、手術をやめて戸籍を女性のままにした。日本では戸籍の性別を変えるために、「子どもを持つこと」を諦めなくてはいけない。トランスジェンダー男性の崇来人さんは、性別変更のために身体への負担が大きい手術を受ける必要はないと訴えてきた。一方でトランスジェンダー女性のありすさんは、周囲に支えられながら手術を受ける選択をした。生き方や考え方には、グラデーションがある。「性別」とは何か、誰が決めるのか。