九州朝日放送、地元44自治体と防災を豪雨・台風災害に備え「防災ネットワーク会議」開催
編集部 2023/6/8 11:00
九州朝日放送(本社:福岡市、以下KBC)は5月31日、梅雨の豪雨や台風災害への備えを目的とした「防災ネットワーク会議」を開催した。
参加者は、福岡・佐賀エリアの44自治体と防災啓発に取り組む2企業。KBCは、「みんなで防災!KBC」を合言葉として、地域の方々に防災意識を高めてもらう取り組みを続けている。
福岡西方沖地震(2005年)や豪雨災害(2012年、2017年)など、北部九州地区はさまざまな災害に見舞われてきた。報道機関として災害時の速やかな情報提供だけでなく、防災への関心も持ってもらいたいという思いから、KBCは、福岡・佐賀エリアの市町村とともに防災への取り組みを強化している。福岡県内60市町村、佐賀県内20市町と防災に関する協定を締結し、日ごろからテレビ、ラジオ、SNSを通して、防災・減災の啓発に取り組んでいる。
また、社員が防災士資格を取得し、防災の重要性を子どもたちに伝える「防災出前授業」や、自治体間の連携を高めることを目的とした「防災ネットワーク会議」を定期的に開催している。
■地元自治体と連携した「防災ネットワーク会議」を開催
KBCは、5月29日から6月4日を「みんなで防災!KBC」ウィークに設定し、特に防災報道に注力。「防災ネットワーク会議」は、放送外の取り組みの一環で、北部九州地区の出水期を前に開催した。
会議では、危機管理教育活動を進めている一般社団法人危機管理教育研究所の国崎信江代表が講演を行い、住民の防災意識をどう変えられるのか、言葉だけではなくて、視覚的なものも使いながら納得感を生み出されることについての必要性を訴えた。また、福岡県飯塚市の吉田英紀防災危機管理監は、「防災業務におけるマスメディアとの強力について」と題し、過去の災害対応での反省を活かした成功事例を紹介し、住民の命を救うために自治体とマスコミが連携していくことの重要性を説き、参加者からは、「住民の防災意識啓発に結びつくイベントを一緒にやりたい」、「『災害時の避難情報はテレビ』という住民が圧倒的に多い。避難を促す効果的な放送を引き続き行って欲しい」などの要望が出された。
■これからの取り組み データ放送システムの強化
防災への取り組みをさらに加速させるためKBCは2021年4月からデータ放送システム(dボタン広報誌)を活用し始めた。dボタン広報誌は、地上波のデータ放送を活用した自治体向け情報発信サービスで、自治体が郵便番号単位で自ら情報発信できる仕組みだ。これまで福岡・佐賀の38自治体が加入している。