02 JUN

博報堂DYメディアパートナーズ、AaaSで20万人の生活者パネルデータをGPTモデルで活用

編集部 2023/6/2 11:00

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:矢嶋弘毅、以下 博報堂DYメディアパートナーズ)は、AaaS(※1)に格納されている生活者パネルデータを、Open-AI社が提供するChatGPT(※2)に採用されているGPTモデルに学習させ、広告/メディア効果シミュレーション環境の研究開発を開始した。

この仕組みを順次AaaSのソリューション群に組み込み、従来よりも高次元に生活者の行動パターンに基づいたコミュニケーションプランの作成を可能にする。

このプロジェクトでは、Open-AI社が開発・公開し世界的に注目を集めているChatGPTのAPIを活用した。ChatGPTで用いられているGPTモデルに代表される大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)は、広範なデータセットからパターンを学習することで、高度な文章生成や対話タスクを実現する能力を持っている。今回、多様な生活者の人格の設定により行動を再現したり、メディア接触や情報探索に関する膨大な知識に基づいた推論が行ったりできる可能性に着目し研究開発を進めている。

今回、博報堂DYメディアパートナーズは、自社が保有する20万人の大規模調査パネルに対する独自のアンケート結果から得たプロフィールやメディア接触行動、興味関心や価値観などの情報をGPTモデルに入力・学習させることにより、さまざまなコミュニティや条件での広告/メディア・コンテンツ効果のシミュレーションを目指す。プロジェクトでは都度目的に応じてターゲットとなるパネルの選定を20万人の中から行うとともに、入力するプロフィール情報を設定し、動的にシミュレーションを実行していく。

これにより、生活者行動パターンを加味した「テレビ視聴などの広告/メディア接触」「態度変容などの広告/メディア効果」の予測結果に基づいたメディアプラン作成から、「生活者の態度変容の背景となったインサイト、仮説の探索」などが可能になると想定している。

プロジェクトの成果は、TV/デジタルをはじめとするメディア効果を最適化するAaaSの各ソリューション群に組み込んで提供する予定。

(※1)広告業界で長らく続いてきた「広告枠の取引」によるビジネス(いわゆる「予約型」)から「広告効果の最大化」によるビジネス(いわゆる「運用型」)への転換を見据えた、博報堂DYメディアパートナーズが提唱する広告メディアビジネスのデジタルトランスフォーメーションを果たす次世代型モデル。

(※2)OpenAI社が開発・公開した人工知能チャットボット。広範なデータセットからパターンを学習することで、高度な文章生成や対話タスクを実現する能力を持っています。

※「AaaS™」は博報堂DYメディアパートナーズの登録商標