23 OCT

カンテレが三者共同でメタバースに関する実証実験を実施、リアルとバーチャルの連携目指す

編集部 2022/10/23 10:30

関西テレビ放送(以下、「カンテレ」)はXR分野における新規事業の一環として、国立研究開発法人情報通信研究機構※1(以下、「NICT」)、ジャトー株式会社※2(以下、「ジャトー」)とともに、9月にメタバースに関する実証実験を行った。これは「超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム※3(URCF)」の正会員である三者がそれぞれの強みを生かし、メタバースでの新しいサービス創設を目的に行ったものだ。

今回の実験では、NICTのXR体験共有プラットフォーム(「みなっぱ」)の360度空間映像をカンテレのVRサーバに入力し、ジャトーの4面高精細大型LEDビジョンの平面映像形式に変換をして、JATOlab.(大阪市北区)でリアルタイム映像の出力を行った。

「みなっぱ」にオンライン上から参加しているアバターがLEDビジョンに表示され空間を自由に動く様子は、リアル空間でも見ることができる。

(左)バーチャル空間を自由にアバターが動き回る様子(右)リアル空間の3人が、バーチャル空間のアバターと対面している様子

一般的なメタバースがバーチャル空間で完結するのに対し、「リアル空間とバーチャル空間を繋げる」ことが、実験の大きな特長だ。将来的にはリアル空間とバーチャル空間で自由にチャットや会話などのコミュケーションをとれるような仕組みを構築し、イベント、セミナー、音楽ライブやスポーツ観戦などにおいて、新たな施策、エンターテインメントの展開を想定している。

※1国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

情報通信技術の研究開発や、情報通信分野の事業支援等を総合的に行うことを目的とした総務省所管の国立研究開発法人。

NICTXR体験共有プラットフォーム「みなっぱ」

※2ジャトー株式会社

音響、映像、情報、セキュリティーシステムの設計、施工、メンテナンスをはじめ、関連ハード・ソフトウェアの開発、製造、販売、またネットワーク構築、コンテンツ制作をてがけるシステムインテグレートのプロフェッショナル企業。

4面の高精細大型LEDビジョンを常設したJATOlab.

※3超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム

高い臨場感を有する情報メディアを実現するための技術開発や情報交換、異分野交流を目的として、2007年3月に設立された団体。企業、大学、国の機関などが連携、参加している。