左から)株式会社中国放送 吉田幸氏、中岡秀晃氏、神尾正博氏

27 DEC

RCC中国放送が開局70年プロジェクトを展開 新しいRCCを築き上げる元年に!~担当者インタビュー~

編集部 2021/12/27 08:00

株式会社中国放送(以下、RCC)は、開局70年を迎える2022年に「RCC開局70年」プロジェクトを展開する。実施期間は2022年1月1日から12月31日までだが、同年だけの取り組みではなく「開局70年から始まる取り組み」で、RCCブランドのアップデートを行うために多方面に展開するものとなる。

今回、このプロジェクトの事務局に所属する3人に、取り組みの概要や狙いについて伺った。インタビューに参加してくれたのは、RCC 企画部長 神尾正博氏、ラジオ編成業務部の中岡秀晃氏、そして広報部長の吉田幸氏。

■時代が求める変化を実現するため、開局70年を新しいRCCを築き上げる元年に

RCCは1952年に広島放送株式会社として設立され、株式会社ラジオ中国と改称した後にラジオの本放送を開始した。テレビの本放送開始は1959年で、現在まで続く株式会社中国放送となったのは1967年。そして2022年に開局70年を迎えることになる。

開局70年プロジェクトのリーダーを務める神尾氏は、「ここ十数年で放送業界の環境が大きく変化し、これからの放送局は、新しいことへの挑戦やイノベーションが求められる時代になってきました」とプロジェクトに取り組む背景を語る。

開局70年プロジェクト 企画部長 神尾正博氏

同局が実施した調査によると、県民が抱くRCCのイメージは“地域に密着している”“親しみがある”“地元に貢献している”という声がトップ項目にランクイン。「私たちの長年の取り組みがしっかりと受け止められている結果だと思います。しかし時代背景から考えると、私たちは変わっていかなくてはならない。歴史や今まで培われてきた信頼を大事なベースとして、開局70年を新しいRCCを築き上げる元年にしたいと考えました」と続ける。

■地域で最も信頼されるメディア・コンテンツ企業になるために

開局70年プロジェクトには、①コーポレート・アイデンティティ(CI)再構築、②広島のすべてを応援するプロジェクト、③スマートオフィス・プロジェクト、という3つの大きな柱が立てられ、地域で最も信頼される“メディア・コンテンツ企業”になるためのさまざまな取り組みが計画されている。

まずは、企業理念を刷新する。従来の「RCCは 広島の未来づくりに 役立つ放送局であることを 約束します。」から、「RCCは、メディア・コンテンツ企業として 安心で心豊かな社会づくりに貢献します」と変更される。神尾氏は、「放送局という殻だけにとどまることなく、さまざまなメディアを通じていろいろなことを発信していきたい」という姿勢を表したものだと説明した。

また、行動指針も

多様なメディアで発信します
豊かな暮らしに役立つ情報、コンテンツを提供します
新たな価値創造に挑戦し、進化し続けます

とし、RCCのロゴデザイン・シンボルマークも刷新される。

新ロゴデザインは2022年1月1日から使用

「企業理念や行動指針を見直すにあたっての決意の表れ」として32年ぶりにリニューアルされるシンボルマークは、輪が何重にも重なっているもの。これは、人、時間、場所のすべてを包み込みつながっていく輪で構成されている。RCCのブランドスローガン「広島家族。」に込められた「広島で暮らす人々を家族のようにつなげたい」という思いとシンクロする。

デザインは多方面で活躍するアートディレクターの森本千絵氏に依頼。新ロゴデザインは2022年1月1日から使用される。

■広島県民とのつながりをさらに強める、広島大家族プロジェクトを展開

2つ目の柱である「広島のすべてを応援するプロジェクト」について担当の中岡氏は、「これまでできていなかったことや課題を洗い出して何ができるのかを考え、なおかつ1回で終わるものではなく、これからも続けていけるものとして“広島大家族プロジェクト”と命名しました」と語る。

「広島大家族プロジェクト」担当 中岡秀晃氏

現在のRCCのブランドスローガンである「広島家族。」が元になり、広島県民との結びつきをさらに強めたいという想いが込められていて、未来を託す子供たちに広島をつなぐ“RCCスクール”と、子供や孫、恩師から生徒へ、企業から広島の未来へつなぐ“拝啓、20年後のあなたへ。”という企画が主な取り組みとなる。

“RCCスクール”とは学びを提供する仮想学校で、未来を担う小中高生とともに生まれ育つ広島の未来を創造していくというもの。著名人が学校を訪問して行う“特別授業”や、実際に放送に携わる“RCCスクールカープナイター/デーゲーム中継”、撮影方法やインタビューを教えて自分たちの部活動を撮影し、RCCの動画配信プラットフォームなどに乗せる“HighSchool Live!!!!”、湯﨑広島県知事と語り合う“#湯﨑知事と語ってみた”といった企画が立ち上がっている。

“拝啓、20年後のあなたへ。”は、開局50年にRCCラジオが「20年後のあなたに伝えたい」というテーマで集めてタイムカプセルに入れて保管されていた415通の手紙をリスナーに届けるもの。また、20年後の2042年の誰かに届ける新たな手紙や動画も募集する。

■記念事業の開催と特別番組放送。より広くRCCを知ってもらうことが目的

RCC開局70年の記念事業としては、『PIXERのひみつ展 いのちを生み出すサイエンス』が東広島市立美術館で、劇団四季『リトルマーメイド』が上野学園ホールで、『チームラボ福山城 光の祭』が福山城公園で行われる。

また特別番組として、広島県出身の森ガキ侑大氏が企画・脚本・監督を担当、STU48の甲斐心愛さんを主演に迎え、1話3分の全9話で展開されるミニドラマ『叫ばないと生きていけない』(2022年1月9日放送開始)が毎週日曜日ゴールデンタイムに放送される。

『叫ばないと生きていけない』公式ホームページ

尾道が舞台となる同ドラマについて、広報部の吉田氏は、「地上波での放送も期待していますが、民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」やRCC配信アプリのIRAWを通じて、より多くの若者に見ていただきたいと思っています」と期待を語る。

広報部長 吉田幸氏

本プロジェクトが始まる2022年1月には“お正月特番3連発”として、『新春!カープ釣り自慢2022』(1月1日7:30~8:30)、『カーチカチ!テレビ カープ初夢SP 新井さん家の新年会3』(1月1日14:30~18:00)、『鈴木誠也 特別番組』(1月2日17:00~18:00)の放送も予定されている。

■プロジェクトを浸透させ、新たなチャレンジの姿勢を示したい

3つ目の柱である「スマートオフィス・プロジェクト」は、RCC社内の職場環境を働きやすく整えるもの。「社屋が古いからと諦めることなく、快適なオフィスを目指しましょう、という取り組みです」と神尾氏は説明する。同時に、コロナ禍で必須となったテレワークや分散業務に伴う会議スペースの確保やそのオンライン環境を整えることにも取り組むもので、「今まできちんと向き合えていなかったことを、この機に進めていきたい」と続けた。

最後に、このプロジェクトに対する意気込みを3人に伺った。

「このプロジェクトは1年間で行うものもあれば、20年後に想いを託すものもあります。放送や配信を通じて、広島県民はもちろん、全国の方に伝えていきたいです!」(吉田氏)

「企画やコンテンツを通じて、実際に広島大家族とは何なのかを知っていただきたいと思っています。そしてRCC社員も含めて、開局70年が記憶に残るような大きなものになればいいなと期待しています」(中岡氏)

「ロゴだけ新しくなったね、と言われないように、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいですね。まずはこのロゴをリスナーや視聴者に早く浸透させて、新しくなったRCCを感じていただきたいと思います」(神尾氏)

ここで紹介しきれなかった企画も含めて、開局70年プロジェクトは2022年の年明けから年間を通して様々な事業が展開。まさに2022年は「新しいRCCに進化する元年」として注目したい。

RCC 公式ホームページ

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