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ひと研究所、最新「コロナ禍における映像視聴行動レポート」を発刊

編集部 2021/12/21 11:00

生活者の今と未来のインサイトを探求するビデオリサーチのシンクタンク「ひと研究所」は、「コロナ禍で映像視聴行動はどう変化したのか?」「映像視聴行動の変化の裏側にはどのような生活・意識変化があるのか?」をテーマに調査を実施。その研究成果をまとめたレポートを発刊した。

「ひと研究所」のレポートによると、2020年4月に新型コロナウイルス感染症の拡大によって発令された緊急事態宣言以降、生活者のライフスタイル・意識・メディアの利用行動は大きく転換。withコロナで映像視聴ニーズが「退屈しのぎ」から「楽しい気持ちになりたい」へシフトし、「楽しみ」の空白を埋めるため、ネット動画視聴が拡大。多種多様かつ大量の映像コンテンツを楽しむようになった結果、生活者の映像コンテンツへの目はますます「肥えてきている」状況にあるという。

コロナ禍を経て、世の中には自分の好みやニーズにあった映像コンテンツが数多く存在し、しかもそれらを手軽に見られることが広く生活者に認知されたことで、今後視聴者はテレビ放送と、テレビモニターで視聴するネット動画(コネクテッドTV)を並列に比較。テレビ番組をはじめ映像コンテンツは、「目利き力」が高まった生活者に対し、今まで以上に多彩な"楽しさ"を満たすものを提供できるかが視聴者獲得のポイントとなる。

さらに、コンテンツごとに生活者への印象付けを推し進めていく、つまりコンテンツの「想起力」(見たいコンテンツとしての思い浮かびやすさ)を高めていくことも、映像コンテンツを選んでもらうための大きなポイントになっていくとレポートでは分析している。コンテンツづくりのハードルは、今後ますます高くなっていく時代になるといえそうだ。

分析結果のポイント

①映像視聴の変化の要因
1)コロナ禍当初におけるテレビのリアルタイム視聴増加の最大要因は「退屈しのぎ」。
2)コロナ禍継続期におけるテレビのリアルタイム視聴減少には、大きく4つの要因が複合的に影響。
●ネット動画視聴など他メディアの利用
●テレビ視聴環境の変化
●コロナ禍の気分とテレビ番組の内容とのミスマッチ
●コロナ禍のソーシャルディスタンス等に伴う番組制作の制限  
3)ネット動画視聴増加の背景に「楽しいものを見たい」心理。  
4)ネット動画視聴においてテレビモニターは「画面の大きさ」と、「さみしさ軽減」効果に価値。

②動画時代における重要な映像視聴者像
1)テレビ視聴からネット動画視聴へシフトする人々は、単身世帯や親と同居する独身など、世帯環境に特徴がみられる。家族ではなく、個人で映像視聴行動をしやすい人たちであると考えられる。
2)ネット動画を視聴する人々は、全般的な傾向として、映像視聴する際には「何を見るか」を最初に考える傾向が強い。いかに作品や番組を思い浮かべてもらえるか、その「想起力」が、映像コンテンツにとっては重要に。