株式会社ビデオリサーチ 代表取締役社長執行役員・望月渡氏

13 DEC

加速するDXがもたらす テレビメディアの変化と進化を考える〜VR FORUM 2021レポート

編集部 2021/12/13 09:00

株式会社ビデオリサーチが主催する国内最大級のテレビメディアフォーラム「VR FORUM 2021」が、2021年11月11日(木)にオンライン開催。今回は「加速するDXがもたらす テレビメディアの変化と進化を考える」をテーマに掲げ、コロナ禍によってさらに加速するDXの流れのなかでテレビメディアが持つ「新たな価値」、「変わらぬ価値」について、業界のキーパーソンを招いたセッションが行われた。

本記事では、株式会社ビデオリサーチ 代表取締役社長執行役員・望月 渡氏による主催者挨拶をレポートする。

冒頭、「メディアを可視化し、真の価値を表すことは、ビデオリサーチの社会的使命であり存在意義そのものである」と望月社長。メディアのDX化に対応する事業開発と事業の確実な安定運用を両立させるための施策として、2021年4月から組織改編を行うと発表した。

■伝送経路、視聴方法の多様化を踏まえ、テレビメディアを「あまねく測定」する

最初に望月氏は「ビデオリサーチ最大の事業」として、視聴率事業を紹介。2020年4月にスタートし、毎日、個人単位でタイムシフトも加味した測定を行う「新視聴率」について、2021年10月4日に山梨・福井・徳島・佐賀・宮崎の5地区が新たに計測対象となり、「名実ともに、全国すべての放送エリアにおける同一測定方式の導入が達成された」と紹介。

「一方で、視聴率事業には検討すべき新たな課題もある。視聴率を測定するということはテレビメディアを可視化すること、リサーチとは物事の真の姿や価値を表す手段」といい、「視聴率測定においては、放送局様から送出される番組と広告をあまねく測定していかなければ、真のメディア価値を表すことにならない」と語る。

さらに望月氏は「テレビメディアの動画は様々な伝送経路で様々なデバイスにより視聴されており、時間的な制約にも大きな変化が見られる。こうした時代の潮流を見据え、メディアのDX化に対応した進化を遂げていかなければならない」と続けた。

「視聴率データがテレビ業界、広告業界をはじめ、ひろくマーケティング業界の指標となり、今後も必要とされ続けることが、私たちの視聴率事業の理念」と望月氏。「メディアコンテンツの完全な測定を目指し、メディアの真の価値を世にご提示させていただくことが、ビデオリサーチの社会的使命であり、存在意義そのもの」と強調した。

■事業開発力・顧客対応力の強化に向け、2022年4月より組織改編を実施

「ビデオリサーチでは、放送局様に由来するすべての動画を測定するべく、さまざまな施策を検討している」と望月社長。具体的なアクションとして、同社が創立60周年を迎える2022年4月より、新しいガバナンス体制を導入すると発表した。

同社では、事業開発力と顧客対応力を強化するべく、組織改編を予定。「メディアのDX化に対応する施策を開発していくためには専門性とスピードが重要」と望月氏は語り、既存事業の運用についても、品質向上と効率化を推進していくという。

「ビデオリサーチが目指す企業像は、徹底的な顧客主義をベースとした『次世代型メジャメント企業』」と望月氏。「メディアのDX化に対応する事業開発、事業の確実な安定運用を両輪とし、たんなるデータ提供者という一方通行的なサービス提供ではなく、お客様のニーズを解決するソリューション力を持った顧客主義を徹底していく」と展望を述べた。

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