OHKアナウンサー音訳による「OHKオリジナル絵本シリーズ」、視覚障害者情報提供ネットワークシステム「サピエ」に登録
編集部 2021/7/4 09:00
岡山放送株式会社(本社:岡山市北区学南町、以下OHK)のオリジナル書籍「OH!くん絵本シリーズ」の音訳版(録音図書)が、このたび岡山県視覚障害者センターを通じて、視覚障害者情報提供ネットワークシステム「サピエ」の「サピエ図書館」に登録された。登録されたのは、OHKが2003年から2005年に出版した「OH!くんの絵本シリーズ」の3冊で、OHKアナウンサーが音訳を担当し、肉声だからこそ得られる読書体験を全国の子どもたちに届ける。(※音訳とは視覚障害者など文字が読みにくい人のために、音声で情報を提供する活動のこと)
OHKでは、これまで国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の“誰一人取り残さない” 基本理念のもと、放送局として”誰一人情報から取り残されない“情報のバリアフリー社会を目標に掲げ、活動を続けてきた。聴覚障害者への情報提供の取り組みとして、1993年から28年間に渡って継続してきた放送活動「手話が語る福祉」に加えて、今年4月からは、フリーペーパー「さりお」を発行する山陽リビングメディア株式会社と共同で、視覚障害などで読書が困難な岡山県内在住の方に向けて定期的に「さりお」を音訳する活動を始めている。
視覚障害者の読書環境は、電子書籍の普及やスマートフォン等のアクセシビリティ支援機能によって、多様な書籍を楽しめるようになりつつある。しかし、現在の支援技術は機械が読み上げるにとどまっており、誤読、読み飛ばしが生じるなど、必ずしも障害者の読書ニーズを満たすものにはなっていない実態がある。また、点字図書や録音図書の全国最大の書誌データベース「サピエ」には、児童書分野の取り扱いが少なく、視覚障害を持つ児童から、絵本の録音図書を望む声が多くある。OHKでは、今後もこうした社会の課題と向き合いながら、情報のバリアフリーを推進するとともに、誰もが心豊かに暮らせる社会の実現に貢献していく。