HTBの取締役東京支社長兼コンテンツビジネス担当補佐 福屋渉氏、太陽企画TECARAT 企画・演出・アニメーション・撮影監督・アートディレクター 廣木綾子氏

18 JUN

HTB「子どもたちの教育問題を映像コンテンツで支援したい!」太陽企画ととりくむ“onちゃんとかんじぐらむプロジェクト”への思いと今後の展望

編集部 2021/6/18 08:00

北海道テレビ放送株式会社(以下、HTB)と太陽企画株式会社(以下、太陽企画)の共同プロジェクト「onちゃんとかんじぐらむプロジェクト」が始動した。5月8日(土)からは、HTBの朝の情報番組『イチモニ!』(月~金6:00、土6:30、9:30)の新設コーナーとして「onちゃんのきょうはどんなかんじ?」の放送が始まっている。

HTB人気キャラクターのonちゃんと、太陽企画のコンテンツクラフトチームTECARAT(テカラ)が制作する “kanjigram”によるこのプロジェクトは、子どもたちだけではなく家族が、テレビを見るだけで漢字の意味や形、成り立ちへの知的好奇心を持たせる教育プログラムとなっている。

本プロジェクトについて、HTB取締役東京支社長兼コンテンツビジネス担当補佐の福屋渉氏と、太陽企画TECARATディレクターの廣木綾子氏に、制作への思い、これからの展望について伺った。

「onちゃんのきょうはどんなかんじ?」

■漢字とonちゃんの組み合わせで、家庭になじむコンテンツを作りたい

――「onちゃんのきょうはどんなかんじ?」では、onちゃんが漢字から想像力を膨らませ、書き順もわかるように可愛く踊っています。このプロジェクトが始まった背景を教えてください。

福屋氏:HTBは北海道エリアの放送局として、北海道全体の地域課題に向き合っていきたいと思っています。北海道は食料自給率の高さや自然環境の良さなどで、子どもが育つ環境は大変素晴らしい場所と思っていますが教育面や体力面において、全国比較では決して高い位置にいるわけではありません。そこで知名度が高くて子どもにも人気のonちゃんというキャラクターを通じて、私たちの本業・映像コンテンツで支援ができないかと模索していました。

――onちゃんと“かんじぐらむ”のプロジェクトが立ち上がったきっかけは?

福屋氏:ご縁があって廣木監督が所属する太陽企画のクリエイティブの方々にお話を伺う機会がありました。そして廣木監督の作品“kanjigram”を見て、大人の私でも面白く感じる事ができ、子どもが見ても楽しめるコンテンツであると感じ、onちゃんと組み合わせてオリジナルのものが生み出せないかと思ったのがきっかけです。

――この話をお聞きになった時、どんなイメージを持って取り組まれたのですか?

廣木氏:このプログラムのご提案をいただき、漢字とonちゃんでどういう組み合わせができるかという試行錯誤をみなさんと一緒に繰り返しました。そしてonちゃんというすごく愛されているキャラクターを、もうちょっと家庭の中になじませるコンテンツがいいかなと思ったのです。漢字とonちゃんをリンクさせることで「いつもそこにいる」ようなものができるといいなと思ってコンテンツを作り始めました。

■コマ撮りで制作するストップモーションアニメ “kanjigram”とは

――“kanjigram”は漢字を使ったストップモーションアニメです。もともと漢字をコマ撮りで表現しようと思われたのはどうしてですか?

廣木氏:漢字の起源や成り立ちがすごくデザイン的だと捉えていました。漢字は身の回りにあって意識もなく触れていますが、日本人みんなに共通のイメージで浸透している素晴らしいものです。そして一つの文字を見た時に絵がイメージできるものは他にないと思って、その漢字を活かして何か作品ができないかと考えたのです。

――“kanjigram”を最初に見た時、どう感じられました?

福屋氏:漢字一文字の背景や、意味や意義を、日本人でなくても非常に興味をそそる表現ができていると感じました。大人も子どもも、表現されている不思議さや完成度の高さに共感が得られるのではないかと思いました。

■新しいonちゃんは家庭の中にいるイメージが持てる存在

――onちゃんを映像コンテンツで表現する点で、苦労したことはありましたか?

廣木氏:すごく愛されているキャラクターですから、新しく人形を作って、しかも動かしたり手を伸ばしたりするのは受け入れてもらえるか不安な部分もありました(笑)。

――onちゃんは起毛した布をまとった、ふわふわの鳥の雛のようですが、どういう狙いがあったのでしょうか?

onちゃんと漢字のストップモーションアニメ「onちゃんのきょうはどんなかんじ?#1」

廣木氏:このコンテンツの中では、それまでのonちゃんよりも少し幼いイメージで、身近に感じるような存在を目指しました。漢字練習もサボっちゃったり、ぐうたらしたりもします。その幼さをふわふわの感じで表現して、つぶれたり伸びたり、少しコミカルなところもあるという表現になりました。

――このonちゃんを見てどう思われました?

福屋氏:onちゃんはHTB内でもすごく愛されています。でも可愛い子には旅をさせよ、ではないですけれども、いろんな目線からの表現があってこそ、本体がより活きるという感覚が私にはあります。監督からいろんなアイデアをもらった時には「もうオールOKで!」とお願いしました(笑)。

<工夫した点・メイキング画像> 漢字ごとに素材や作り方を変えて「漢字らしさ」がでるように工夫。 様々な方法で作れるという、ストップモーションで作ることの面白さを生かした作品に仕上げている。

■日本国中に、世界にも、「onちゃんと かんじぐらむ」を発信していきたい

――これまで数回の放送を経て、反響はいかがですか?

福屋氏:最初に『イチモニ!』で放送した時、出演陣も今までにないonちゃんを扱うので戸惑いも感じられましたが2回目3回目になるととてもなじんできて、特に子どものいる出演者は自然と一緒に参加しているような感じになっていました。

福屋渉氏

――それは、大人にも子どもにも共感が得られるという見方が当たっているということですね?

福屋氏:そうですね、演出ではなく自然にそうなったのだと思いますし、家族が一緒に視聴する機会が多い時間帯の放送ですので、いろんな年齢の方々が反応してくれているのだと思います。

――これは監督の思いも通じていると実感されているのでは?

廣木氏:全体の構成としてonちゃんをメインにするのは、まずみなさんに興味を持ってもらうというのが大前提ですが、その中でも教育をあまり押し出さないで、突然コーナーが始まって「これは何だ?」と漢字について興味を持つきっかけづくりになることを大事にしていました。

廣木綾子氏

――このプロジェクトの今後の展望をお聞かせください。

廣木氏:今回このプロジェクトがテレビで放送されたことはすごく良い経験で素晴らしいことでした。テレビと家庭の結び付きの強さも感じられました。そして漢字に対する自由な見方を、放送を通じて伝えられたのもすごく嬉しい事です。自由な発想でこれからもいろんなコンテンツを作っていきたいと思います。

福屋氏:今はコロナ禍のために実現できていなのですが、HTBでは幼稚園や小学校などでアナウンサーが自主的に読み聞かせを行っています。そこにこの映像を持って行きたいですね。行政にも子どもの教育という点で興味を示していただいていますので、連携しながら裾野を広げて行きたいです。もちろん配信で、日本中はもちろん、世界にも通じるようなコンテンツになっていけば良いなと思います。

【概要】
・放送局/番組名:北海道テレビ放送(HTB)/『イチモニ!』

https://www.htb.co.jp/ichimoni/

・コーナータイトル: 『onちゃんのきょうはどんなかんじ?』
・放送期間:2021年5月8日(土)~
・公開場所:「onちゃん」公式YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/user/onchan1201/featured

漢字練習ドリル「onちゃんとおうちでかんじぐらむ」※無償提供

【Staff List】
企画・演出・アニメーション・撮影監督・アートディレクター:廣木綾子|プロデューサー:大石基紀|シニアプロデューサー:及川雅昭|プロダクションマネージャー:宮坂健太|アドバイザー:堀真一|セールスプロモーション:阿久津敏|onちゃん人形製作:山本真由美| onちゃんアーマチュア製作:近藤翔|オフラインエディター:八尋南実|オンラインエディター:波多野純|エディターアシスタント:森永雅人|ミキサー:藤原礼実|ミキサーアシスタント:久保七海|音楽:畠山拓也|SE:押尾美里、山本雅之| HTB:福屋渉

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