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テレビ朝日とTikTok LIVEの初の試み!テレビドラマのオリジナル生ドラマ『書けないッ!?』誕生の裏側 ~担当者インタビュー

編集部 2021/3/5 17:00

テレビ朝日は、今年1月から新たに誕生したドラマ枠「オシドラサタデー」の第1弾『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(毎週土曜23時30分~)から生まれたオリジナル生ドラマ『東西テレビの素敵な仲間たち』を、本編ドラマの第2話の直前となる1月23日(土)22時30分からTikTok LIVEで生配信した。

TikTok LIVEでテレビドラマから派生したストーリーを生配信するのは、日本では初めて。同番組のプロデューサー、テレビ朝日コンテンツ編成局ストーリー制作部の服部宣之氏と、TikTokのStrategic Partner Operation Teamシニアマネージャー 宮城太郎氏に、今回の取り組みについて伺った。

テレビ朝日 服部宣之氏
TikTok 宮城太郎氏

■視聴者数累計2万人に達した生ドラマ配信

テレビ朝日のドラマ『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』は、売れない脚本家兼主夫の主人公・吉丸圭佑役を生田斗真が、ベストセラー小説家の妻・奈美役を吉瀬美智子が演じるホームコメディ。山田杏奈や潤浩が演じる姉弟ほか、個性あふれる共演者とともに、ちょっと変だけれどもとても面白い日常を描くもの。

この『書けないッ!?』から派生したオリジナル・ドラマの『東西テレビの素敵な仲間たち』が、第2話放送直前にTikTok LIVEで生配信された。出演者はドラマ本編で、圭佑に連ドラの脚本を依頼する東西テレビの制作陣を演じる面々。プロデューサー役の北村有起哉、ドラマ監督役の小池徹平、AP役の長井短の3人が繰り広げる企画会議の様子を生ドラマ形式で配信した。

服部氏:生配信ドラマは本編とメタ構造(フィクションをフィクションとして扱う手法)で、「先週放送された『書けないッ!?』というドラマが、すごく面白くてSNSでも評判になっている」と企画会議で話題になるという内容でした。この配信を視聴いただければ、テレビ局メンバーの個性が良くわかり、本編の面白さがさらに広がるのではないかという思いがありました。

■2020年7月から本格導入されたLIVE配信機能「TikTok LIVE」を活用

宮城氏:TikTok LIVEは日本では昨年7月から本格導入されたライブ配信機能で、メディアを含めたさまざまな配信者の方に利用していただいていますが、レギュラーで走っているテレビドラマとオリジナル生ドラマを配信するのは今回が初めてでした。

服部氏:今までドラマの会見やトークでライブ配信を行ったことはありましたが、生ドラマの試みは非常に面白いと感じました。出演者に恵まれたおかげで視聴者の反応も良かったですし、生ドラマに対する学びもたくさん得られました。

ライブ配信の視聴者数は累計で2万人という結果に。生ドラマとしては初めての取り組みだっただけに「数字に対するリアクションにはいつも困ります」(服部氏)と言うものの、「今後のベンチマークになります」(宮城氏)と、両者にとっても興味深い結果となったようだ。

■TikTok LIVEが生み出した生ドラマ配信の魅力

生ドラマ配信の現場では、初めての取り組みということもあり、さまざまな気づきがあったのだという。

宮城氏:出演者間の雰囲気の良さ、仲の良さがすごく出ていました。役柄はもちろんですが、それ以上のパーソナルな部分が出ていたと思います。TikTokでの通常のライブ配信でも、素の部分や出演者のキャラクターが見えるとユーザーの反応がすごく良くなります。そういう意味では、TikTok特有のライブ感がある、興味深い配信でした。

服部氏:台本は用意していましたが、半分くらいは出演者の空気感、ライブ感でドラマが作られていたと思います。特に舞台で場数を踏んでいる出演者の皆さまでしたので、アドリブの部分とのすり合わせも上手く行ったのだと感じています。

一方で、事前には予想できていなかった反省点も出てきていた。

服部氏:せっかく企画会議という設定にして、配信を観ている視聴者も(会議の)参加者という形にしたのに、ドラマの中に相互コミュニケーションの場を作れなかったのが残念でした。普通のドラマではできないことなので、そこを追求しないといけなかったですね。

しかしながらTikTokとしては、TikTok LIVEを活用した新しい取り組みについて高い評価を感じているようだ。

宮城氏:ドラマとの連動の可能性は、今回の件で非常に広がったと思います。ドラマコンテンツをライブ配信でどうやって広げていくか、良い風穴をひとつ開けることができたと感じています。

■プラットフォームに最適なコンテンツ作りの重要性

近年、ドラマに限らずほとんどのテレビコンテンツはTikTok、Twitter、InstagramといったSNS展開を行っている。現場での意識の変化はどうなのだろうか。

『書けないッ!?』TikTok公式アカウント

服部氏:個人的には、テレビ、YouTube、Netflix、そしてSNSといった境目はもうなくなってきていると感じています。その方の視聴方法、ウインドウで流れているものすべてが“コンテンツ”で“エンタメ”で、テレビとか配信とか関係ないですよね。

そして必要なことは、発信する情報の差別化だという。コンテンツの内容、放送の時間によって視聴者に対するアプローチを変え、さらにプラットフォームに最適なものを届けていく必要がある。実際に、番宣のように作り込まれたコンテンツはTikTokではあまり反応が良くないようだ。

服部氏:プラットフォームによって求められているコミュニケーションの方法は全然違うと勉強させていただきました。僕らが面白いドラマを作るのはプロとして当たり前で、それをどう視聴者に届けていくのか、(それぞれのウィンドウで)カスタマイズしないといけないと考えています。

最後に、今後のドラマの展開や、TikTokでの取り組みについて伺った。

宮城氏:今後もドラマ、映画などコンテンツとの連動の可能性を探っていきたいと思います。そしてTikTokでライブ配信が行われていること自体を、これからも浸透させていく必要があります。TikTokの中のコンテンツ自体も日々変わっていきますので、必勝パターンのようなものをずっと模索し続ける必要があると思います。

服部氏:本編のドラマで、これからどんどん主人公が追い込まれて行って、家族は秘密を抱え、最後にドーンと明らかになる瞬間があります。そして、あんな人まで吉丸家にやって来て、ホームドラマとしてもどんどん盛り上がっていきます。TikTokにも、ついにあの方が登場するタイミングもありますので、楽しみにしていただければと思います。